第四十八話
新しいキャラが登場しました。
「そうは見えないな」
ゼロはそう切り返した。一番驚きの表情を浮かべたのは問題の彼女だ。他の者もあっけにとられたが、
「さすがは勇者殿のお仲間。考えが我らとは違います」
「そうでなければついてはいけまい」
等と指揮官と貴族は笑っている。この際その二人はどうでもよいが、件の彼女にはゼロからすれば問題が無いように見えた。
「そういえば名乗らせていなかったな、ほれ名乗れ」
「はっ。私の名はゼノピア。よろしくお願いしますゼロ様」
『堅い』とアサギが言うが確かにそうである。キリッとした容姿は同じ女性が見ればかっこいいという者もいるだろう。ゼロのいた日本であれば芸能スカウトも放っておかないのではないかと言えるくらいに、綺麗とかっこいいを兼ね合わせている。明るめの茶色の髪は所謂ポーニーテールのようになっているが、それでもどこかクールな印象を与える。スタイルも良さそうに見え、騎士特有の白銀の鎧は似合いすぎていると言っていい。
「ではその方。今日からゼロ殿と共に過ごす様に」
貴族は命令するとこれで終わりといって感じで帰って行った。指揮官も厄介払いできたと言わんばかり笑みを浮かべながらどこかへ行ってしまった。
「…申し訳ありませんゼロ様。巻き込んでしまったようです」
「別にあんたのせいじゃない」
「それと少し用があるので夜にお部屋に伺いますがよろしいですか?」
「大丈夫だ」
『それでは失礼します』、そう告げるとゼノピアは去って行った。
その日の夜。アサギは眠いと言って先に寝てしまい、ゼロはまたしても暇を持て余していた。仕方なく外を歩いて回ろうと思い、歩いていると誰かが魔法の練習をしている。片目の辺りに小さな魔法陣が浮かんでいる。顔に刻まれているようには見えないが…、
「誰だ!」
その者がマジックアイテムで辺りを明るくして練習をしていたためか、近づいてくるゼロに気付き声を上げた。
「ゼロ様でしたか。しかし何故このような時間に」
「眠れなくてな。それにあんたにも言える事だろう?」
「私は他よりも弱いので魔法の練習をしようと思いまして」
「その目ではいくら練習しても攻撃魔法は使えるようにはならん」
そう告げたのは寝ていたはずのアサギだった。ゼロが部屋を出たのに気付き、つけていたらしい。魔法は別にしても様々な知識を持ち合わせている彼女なら知っているのだろう。
「やはり駄目なのですか…」
本人も使えないのではないかと思っていたらしい。ゼロと同い年くらいに見える事から長年使えなかったからだろうか。とりあえずは、
「それで魔法が使えないだったか。アサギ」
「全く使えない訳では無いの」
「……えっ…?」
ゼノピアの瞳は左目こそ、この世界の人と変わらない色合いをしているが右目は蒼い瞳だ。ゼロのいた世界で言えばオッドアイか。さすがに魔法陣が目の付近に浮かぶのは初めて見た訳だが。
『使えない訳ではない』アサギが言うのであれば間違いはないだろう。話しについてこれていないゼノピアは、
「ほ、本当ですか?私はどの医者も医療系の魔法師にも呪われているとしか言われたことが無いのに」
「そやつ等のレベルが知れておるの。昔から存在している特殊なものじゃ。呪いではない」
「呪いじゃ…ない……」
今まで苦しんだのだろう。俯いてはいるがおそらく涙をこらえきれずに泣いている。目でアサギに彼女を頼むとゼロは部屋へと戻って行った。同性ならば任せられるという考えからである。『偏見というのはどの世界でも同じか』、そう思わずに彼はいられなかった。
いかがでしたでしょうか?
次回もお付き合い願えればと思います。




