第四十六話
「えっと?」
「申し訳ありません。お伝えし忘れていたもので。王とは明後日にお会いする予定となっております。その時勇者としての神託をとの連絡です。それとその後は宰相閣下や元帥閣下と共に今後についての話をするとの事です」
「わかりました」
本格的に事が始まると思うと緊張してきたエレン。ふと隣の女性を見る。見た目の年齢はエレンより少し上に見えるが実際にはわからない。なぜなら、
「あぁ。彼女は今後生活や戦いを共にしてもらうようになる者だ。王都で活躍しているエルフのリリアだ」
「リリアと言います。これからよろしくお願いします」
「こ、こちらこそ。…ゼロさんたちはどうなるのでしょう?」
「その辺りは私には伝えられていない。いくら勇者のお供とはいえ王宮内にはいれられないために外の騎士と過ごしてもらうとの事ではあるが。それと残念だが会いに行く事も認められない。だからこその彼女だ」
「…そうですか。わかりました」
『今はゼロさんたちの事は忘れて彼女と仲良くなろう。王様も気を使ってくれたんだろうし』、とエレンは自分を納得させる。
「彼女を勇者に仕えさせましょう。同じ女であれば警戒もするまい」
そう話しているのは宰相率いる派閥である。勇者を引き込むための策を考えているのだ。
「大丈夫なのか?」
「心配には及びません。あれは私の家に代々仕えている身。裏の事もわかっております」
そう宰相に進言する貴族の男。理由を理解した他の貴族は笑みが止まらない。それは宰相もである。
「明日までに仕込んでおけ。騎士の買収も忘れるな。なんなら紛れさせてもいい。王にはエルフがお供だと伝えておく」
こうした経緯を経てエルフのリリアはエレンの仲間となったのだ。それが貴族たちの思惑通りではあったが、二人の仲は悪くはなく、むしろ気の合う友となっていく。それは偽物ではなかった。
「自由にしていいと言われても特別する事もないの」
文句を垂れるアサギ。だがゼロとて同じだった。客室に通されてから多少時間は経っているがエレンほど重要視されていない二人の下に誰かが訪ねてくるという事もないからだ。お昼時には呼ぶと言う事だったがそれにしてもである。
「仕方ない。外に出て騎士の活動を見学でもさせてもらうか」
「一日しかつぶれそうにないの」
「誰か話し相手でも見つければ次の日から変わるさ」
ドアを開けると先ほどの男が座って居眠りをしていた。起こすと慌ててキビキビとしだしたが後の祭りだ。
「あ、案内だな?任せろ!」
そう言って率先して動こうとしてくれる。言わずともやってくれるならそれに越したことはないと、騎士・兵士の練習場へと案内を頼んだ。
「珍しい人だな、お前さんたち。騎士や兵士なんて大した事してないぞ上の人は別だけどよ」
「元々王都出身でもないからな。冒険者だから色々見ておきたいんだ」
「なるほどだぜ」
次回新しい仲間を出せると思います。
次もよろしくお願いします。




