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零の刃  作者: 風鳥院
第三章 王都陰謀
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第四十五話

 案内されていくがその広大さに圧倒される。物珍しさ故に視線をさまよわせているエレンほどではないがゼロも視線を奪われていた。

再び門の前へと来るが今度は先ほどよりも厳重である。先ほどの門は城を囲む城壁を抜ける門であり、今度のは直接城へと入るための入口だからだろう。そのため問題が発生した。


「お付きの方々はここまでだ」

「なんとかなりませんか?」

「どうしようもならん。規則だ」

「エレン、後で会おう」


そう話し、エレンを見送るしかない。揉めても良い事はなにもないからだ。それを理解したエレンだったが、不満さを隠すことなく城へと入って行った。残ったゼロとアサギは騎士や兵士がいる兵舎のようなとこに案内される。


「客室は騎士も兵士もあまり行かないから騒ぎはしないぜ。勇者がいつ出てくるかはさっぱりだけどよ、ゆっくりしてけばいいさ」


見た目は少し騎士らしくないと思っていたが、先ほどとは打って変わり口調さえも軽くなった。


「下級騎士なんてオレに似たり寄ったりなもんだ。給金が城下で働くよりはマシだから働いているようなもんだしよ」

「だが戦争や魔物討伐もあるだろう?」

「あるにはあるが中級騎士や貴族の子弟なんかが手柄欲しさに向かう事も多いからそうでもない。それに兵士や傭兵もだ、おっとオレが言ったなんて指揮官に言うなよ」


『叱られちまう』、とおどける姿はやはり騎士らしくはない。客室に案内され、イスに腰掛けるゼロ。まだ日も高い上に、エレンがどう動くのかもわからないため時間を持て余しそうであった。






一方のエレンは始めに案内されていた者とは違った男の騎士に案内されていた。装いがより高級そうなものになったため上級騎士なのだろう。広い王宮を歩くその騎士についていく。どこに向かっているのかはわからないがそうするしかないのだ。

歩いていると騎士だけでなく、メイドのような者や貴族らしき者とすれ違う事もあった。誰もがエレンに注目しているため、彼女としては自分が勇者として認められている気持ちがしていた。実際にはメイドは別にしても、貴族はエレンを観察しに来ている者が大半であった。


「ここが勇者様のお休みになられる部屋です。何かご用件があれば外に待機をしている者がおりますし、外にいなければ隣室にいるはずですので何なりと」


そう言い残して騎士は出て行った。室内は一般の者では手に入りそうもないほどに豪華であり、天蓋月のベッドはもはやどこかの王女のためとも言えそうである。女性ならば一度は憧れそうな部屋にエレンは見とれてしまっている。そのためドアがノックされている事に気付くのが遅くなった。


「ど、どうぞ!」


慌てて返事をするとドアが開き一人の女性と先ほどとは違う男の騎士が入ってきた。

次回もよろしくお願い致します。

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