第四十三話
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整備された道ということやこの前の魔物騒動の事もあってか、魔物がゼロたちや他の冒険者率いるこの商隊に襲い掛かってくることは無かった。他の冒険者曰く、王都との繋がりもあるため定期的に魔物討伐や見張りが出されてると言う。
「馬に乗るってのは難しいな」
「すぐに乗れるようになった奴に言われても説得力ねぇぞー」
他の冒険者の言う通り、ゼロは練習を始めた二日目のその日に乗れるようになっていた。
「後どれくらいで着きますか?」
「エレンさん。そんなに聞かれても着かないものは着かないの。もう少しゆっくりしたら?」
「…はい」
一方のエレンは見張り等の交代でやることはやっているものの、勇者の神託が気になっているためか落ち着きがなかった。事前に周りにその話がされていたため揉め事にはならず、むしろ可愛がられている節がある。この世界の勇者はおとぎ話に出てくるため憧れる人も多く、注目の的だった。
残ったアサギはというとゼロに甘えてくる場面が多くなっていた。彼女が綺麗な事もあり、周りからはからかわれる羽目になる。エレンの気持ちがここにあらずという状態なのもあり、注意される事もない。ゼロとて嫌という訳でもないが一応理由を聞いた。すると
「気持ちを伝えたとはいえやはり淋しさもあるのじゃ。それになんとなくこれから面倒事が増えそうで今のうちにと思っての」
そう面と向かって言われてはゼロに反対しづらいとこもある。王都に行くことを拒否する事もできたのを考えれば、面倒事が増える場所にわざわざ行くメリットは無い。『だからといって甘えられると困る』、などと考え、馬の練習で気分転換をするようになっていた。
そのように大事もなく過ごしつつ王都へと向かった。
街道にある森林が少なくなり始めた五日目、夕暮れ時には王都がようやく見える場所に一行は来た。どのみち夜では城下へ入る門は閉められているため早めの野営が組まれる。
「こんなに楽だった旅は久しぶりだ。商人としてはありがたいことこの上ないよ」
酒も入った事で上機嫌の商人はそう話す。実際ゼロのおかげで魔物を察知するのが早く、倒すのに時間がかからなかったからである。
皆がそう話す中、ゼロはエレンの下に話しに向かう。これからの事を確認しておかねばならない。
「エレンはこれからどうするつもりだ?」
「えっと、私としては王の下で戦っていきたいです。生まれたこの国に強い思い入れもありますし、魔物だけではなく魔王とも戦う事になると思います。国の騎士は強いですから協力していくのは良い事だと思いますし。悪を倒す事、それに救済という事を考えればそう思います」
「そうか」
「急にどうしたんですか?」
「今まで深く話し合ってこなかったからな。しっかりと聞いておこうと思って」
そしてゼロは最終確認をする覚悟を決める。
「なぁエレン。エレンの目標は?」
ゼロがエレンを嫌っているとかそういう事はありません。
それとエレンが自己中心的な人に見えるかもしれませんが、平和第一が過ぎていると思っていただければと思います。
次回もよろしくお願いします。




