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零の刃  作者: 風鳥院
第三章 王都陰謀
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第四十話

遅くなりました。

四十話目です。

 話は少し遡る。王都ではいつもより騒がしい朝を迎えていた。


「失礼いたします。急な連絡が近衛騎士よりありました」

「騒々しいと思うたらそのようなことか。久しぶりに皆で朝食を取っているのだ、後にしてくれぬか」

「そうしたかったのですが、神託がでましたのでお伝えせねばと」

「…神託だと?まさか私の代で起こるとは……。すぐに支度をする」


王都レーベルク。歴史は古く、勇者と共に戦った事があり、それを記す書物も存在している。代々ネファリウスと呼ばれる者の血縁者が王座についている。

神託は彼ら彼女ら王が行ってきており、それを伝える神託の間がある。初代の勇者から現在に至るまでの勇者をそこから伝えられてきて、王は探してきたのだが、誰が何のために造ったのかを知る者はいない。時期がバラバラな理由も何故神託の間が勇者をわかるのかもわかっていない。

ただ重要なのは勇者がわかることで有事を防げる手立てに繋がるということである。


現国王のルンハルトは己が王を担っている時に神託があってほしくはないと思っていた。自分が歳を取っている事もあるが昔ほど近隣国との関係がよくはなく、しばしば小競り合いが起きていたためである。次の王の事も近隣国の事も頭は痛いが、とりあえずはそのことを忘れて、神託により勇者の詳細を知るべきだと切り替えた。





「皆は離れておくことだ」


ルンハルトはそう告げると神託の間に一人入って行く。時間にして三十分もしないうちに王は出てきた。


「どうでしたか?」

「私も代々王にのみ伝わる事しか知らなかったが、やはり大事という事だけはわかる。手紙をしたためる。ハフト近辺へと使者の準備を」

「はっ!」


このことがあり、すぐに王宮中に神託の話は広まった。それは次の王を自分たちが押す事で地位を得ようと考えている貴族の者たちにもだ。

現国王は言ってしまえば普通である。近隣諸国へと領土を広げようともせず、内政も先代を引き継いだようなものであった。そのため納得していない者がいるのだ。それには王にいる息子娘たちも含まれていた。





納得のいっていない貴族たちはすぐに有力貴族邸に集まり、話し合いを始めていた。

とある邸宅では、


「勇者は必ず我が陣営に引き込まねばならん。そうだろう諸君」

「もちろんです閣下。戦力だけでなく民衆をも操作できますからなあれは」

「情報が少ない。王は何か言ってなかったのか?」

「ハフトにいるとしか」


この陣営は第三王子を押している。貴族の足並みこそ揃っているものの発言力に乏しく、皆に合わせようとしているため現状では上手くいきそうにない。




一方、第二王女の派閥でも同じように集まりが開かれていた。


「この時代に来て勇者とは。利用してくれと言っているもんだ」

「どうなさるおつもりで?」

「ふん。決まっている。利用するのは当たり前だが、近隣諸国との戦争にも使う」

「おぉ!閣下は考えていることが我らとは違いますな」

「女であれば尚の事良いのだがな。どうせ平和だなんだと周りが見えていない輩にしかなっておるまい。そこを利用してやればいい」


一強態勢に近いこの陣営。だが現在の元帥が指揮しており、さらにその者が優秀である故に支持者も多い。ただ軍関係ということで内政に関する事が一抹の不安である。




最後は第一王子派。現宰相が率いる陣営である。他の陣営とは違い、王子も少しながらこの陣営を支持している。


「これはチャンスですな。なんとしても勇者を取り込まねばならん」

「他の陣営を出し抜くためには何か案はありますかな?」

「ハフトにいるエレンとかいう輩でしたか。本当に勇者なので?」

「間違いはあるまい。過去に間違ったこともないのがその証拠だ」


どう取り込むか。それを皆が考えている中、一人の貴族が手を挙げた。


「何かいい案が?」

「はい。ハフトのギルド長が私の知り合いでしてな。どうも軍の関係者に出し抜かれて捕えられたようなのです」

「それで?」

「そやつには我らが政権を取った際、軍に使うための冒険者を調査させていまして。その報告に大変魔法が使えるエレンという名があったのです。そしてそやつとギルド長は仲がよかったと他の関係者からの報告があったのを思い出しましてな」


『おぉ!』、と皆から歓声があがる。ここまで話せばどうすればよいかわかってしまったのだ。

新章に入りました。様々な思惑が絡む中、ゼロがどう動いていくのか頑張って書いていきます。

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