第三十九話
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魔物の大量発生。原因については一部の者以外には伏せられることとなった。ギルドの関係者に犯人がいたというのを明るみに出すわけにはいかなかったためだ。ゼロたち残った組はあの後魔物と戦いつづけていたが死者は出さなかった。
「なんとか生き残れたな」
「主様が頑張ったからの」
討伐に出た冒険者は無事にハフトへと戻り、街総出でお祝いが始まっていた。それは討伐組が帰ってきて二日後の事だった。
エレンはギルドとの話し合いに呼ばれていたがそれに呼ばれていないゼロとアサギは宴の中、端にいた。あまりこのような場にいることに慣れていないためだった。
「マテヴとかいう奴のとこにいた者の話じゃが、どうやら何者かが魔物を操っていたとか」
「操れるものなのか?」
「わからぬ。そのような話しは聞いたこともない。新しい技術なのかもしれぬ」
「悩んでも仕方ない…か」
突然辺りが騒がしくなった。騒がしくなった方向を見るとエレンやマテヴといったギルド職員らが出てきており、なにやら演説のような事を始めたらしい。おそらく今回の騒動の事だろう。
「陽の当たるのは一人でいい」
「…主様?」
ぼそりと呟いたゼロの言葉に反応したアサギ。しかし、『なんでもない。宿に戻るがどうする?』と聞かれ、『我はもう少しここにいるとする』と答えた。『そうか。じゃまた明日』、そう言いゼロは宿へと帰っていった。
ギルドで話し合われていたのは今回ともう一つの別件であった。
「王都からの連絡だと?」
「そうです。なにやら重要案件だったらしくて責任者が不在だったので手紙だけ預かっています」
「テムの野郎がいただろ。どうして奴が出てねぇんだ?」
「その件なんですが急に証拠が出てきまして捕縛してます」
「なんだと!?」
あれだけマテヴらが探していたが、当初から向こうも警戒を強めていたのだ。なかなかこれだという証拠を上げれていなかったのにも関わらずだ。
「先にテムの件を聞かせてくれ」
「はい。といってもこっちもよくわからないんですが、これに関わっていなかったギルド調査員が急に色んな資料を持ってきまして。それが捕縛に繋がりました」
「おい、それは奴のことか」
「そうです。先日死んで見つかった奴です」
捕縛に成功しギルド長へとなったが、マテヴは素直に喜べなかった。これも奴らの思惑通りかもしれないと思うと一層喜べない。おそらくテムはいい隠れ蓑だったに違いなく、今回の騒動で利用価値をなくしたために始末されたのだろう。それも公的手段でだ。
「仕方ねぇ。近日中に王都へ護送だ。敵も襲ってこねぇだろう。依頼を出して街に残ってた組の冒険者に向かわせる」
「大丈夫だと思います。それとテムなんですがはじめは取り乱して暴れていました」
「そりゃそうだろうぜ。急に捕まるんだからよ。で?」
「奴の事をしきりに呼んでいましたが、諦めていくつか自供をしてくれました」
「所詮は小物だったのかよ。ちくしょう。そんなのに振り回されてたのか」
ギルドの者たちとテムの話をしていた。このような結末は誰も予想できていなかったため、微妙な空気が漂う。すると部屋をノックする者がいる。
「誰だ?」
「エレンです。なにか話があると呼ばれたんで来たんですけど…、お邪魔でした?」
「いやちょうどいい。嬢ちゃんの話をするところだったから入ってくれ」
エレンは入るとギルドの職員がほぼ全員いるため少なからず驚いていた。もちろんミーナもいる。『とりあえず座ってくれ』、そう促され座る。すると手紙が手渡された。
「これは?」
「あんた宛の王都からの手紙だ」
「えぇ!?私知り合いなんていません」
「とにかく見てみろ。オレたちもまだ把握しきれてないとこあるんだからよ」
しぶしぶ読むエレン。すると徐々に嬉しそうな顔となった。
「これって!」
「オレと数人が読んでないからよ。どれどれ、こりゃ神託が出たって話か。それで容姿なんかと名前が一致したのが嬢ちゃんだったって訳か」
「はい!よかったです!」
今回で魔物騒動は一応終わりです。
次回からは新章になると思います。




