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零の刃  作者: 風鳥院
第二章 魔術師との出会いと魔物騒動
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第三十八話

なんとかできました。

「すぐにあの二人を追いましょう」

「そうしたいがここにいるメンバーだけが戦っていたんじゃねんだぞ。忘れてないか?」

「そんな事言っている間に逃げられてしまいます。今ならまだ!」

「ちょっと待てよ。あんたらがなに揉めてんのか知らねぇけどよ。あっちで戦ってる連中助けないとだろ」

「皆さんにお任せします。私は今回の騒動の原因を知っている犯人を追いかけますので」


マテヴや他の者の静止の声も聞かずに追いかけに行くエレン。正義感に駆られ、目の前にいる敵を逃さないと考えているからかもしれない。その行動力は騎士や近衛のような人ならば確実に評価されるのは間違いがない。しかし、ここにいるのは冒険者。エレンの評価はまちまちであった。


「しょうがねぇ。そことそこのメンバーはついて来い。他は下に戻って援護だ。ただし原因は取り除いたから魔物がどうなってるかわからん。注意してくれ」


そうマテヴは指示した。マテヴ自身今回のように大規模な指揮を執ったのは初めてであり、何が正しかったのかは判断に難しかった。だがギルドに犯人がいたのは捨てておけなかった。






一方で犯人側は冒険者たちが追ってきてもギリギリ追いつけるかどうかというところまで来ていた。


「無事に魔導装置の実力確認できましたね。それにやっとギルドから解放される」


ギルドで調査員をやっていた者はそう言った。もう一人の者はあまり話を聞いていない。彼が情報を漏らしたことに対して気分がよくなかったのだ。なんとか処罰をくだそうかと考えて、もう一つの事を思い出した。


「そういえば魔力増幅器はさすがでしたね」

「まさかあれほどになるとは思ってなかったけど」

「僕的には満足だよ。そうだ、もう少し効果を確かめておきたいね。距離を稼ぐためにも身体強化魔法を頼むよ」

「これ大丈夫なんですか?実験段階なんですよ?」

「大丈夫だよ。組織を疑うのかい?」

「…わかりましたよ。魔法よ、彼の者の足を強化せよ、ストロング!ぐ、ああぁぁ!!な、なんで!」


魔法を唱えた男は突然全身が激痛に襲われた。魔法自体は普通に発動したため問題はない。あるとすれば、


「やはり増幅器はまだ改良が必要なようだ」

「なんだと!ぐ、う……」

「しっかりと魔力の籠められた魔法を受け止めたからだよ。君の本来の力を越えて使ったんだ。反動があって当然さ。そこらの二流が使う魔法だったらそうはならなかったかもね」

「だましやがったな!」

「多少は向こうにも得になる事をしておかないと、ねぇ?」


ナイフを取り出した男は、激痛に苦しむ男に近寄る。『役に立ったよ』、そう告げると止めを刺した。

しっかりと死んだかを確認すると男は立ち去って行った。


それからしばらくして魔物の暴走は止まった。エレンたちは死んだ男の回収には成功したもののもう一人を捕まえることも、行方もわからなかった。

少しだけ後味の悪い冒険者と魔物による争いの終わりであった。

早く新展開、仲間が出せればなと思いますが、そう簡単にはいかないものです。

次回もよろしくお願いします。

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