第三十五話
戦争(?)回がしばらく続いていますがどうでしょうか?
まだゼロの強さはここで表現しきれるものでもありませんが。
ゼロとアサギ、その他数名が魔物へと向かっていた。
「なんかワクワクするぜ!なぁ!」
「今ばかりは静かにしてくださいダムザ」
「そうよ、皆がいるんだから」
そのメンバーにダムザ、ホゼ、ミジーも含まれていた。本人たちの志願だった。
「見えたぞ。少し休んだら攻撃開始だ」
魔物たちがギャイギャイと集まっている。昨日よりも確実に数は減っているがそれでも脅威なことに変わりない。
ミジーが全員に強化魔法を使う。ゼロにはあまり効果が感じられないが、他のメンバーは大助かりである。身体能力に多少の補正がかかるためである。
「アサギ、頼んだぞ」
「うむ、任された」
無数の魔法陣が魔物の中心部に浮かぶ。魔物もそれに気付くが遅い。現れた式札が縦横無尽に魔物を斬りつけていく。そこにゼロらは襲い掛かった。
統率がとれているためか、魔物は攻撃されている中央に目が向いており、ゼロらは気付かれずに攻撃ができた。
「うらぁぁ!」
「水よ!敵を射よ、アクアアロー!」
ダムザが吠え、誰かが魔法を唱える。
その中でもゼロは目立つ。魔装を会得している彼の攻撃は他の誰よりも高い。誰もがゼロのように一撃で倒せる訳ではないのだ。もちろん敵の質が高くないこともあるが、それでもゼロの評価が下がるものでもない。
アサギの魔術が止まる。後退の合図でもあった。
「ダムザ、合図よ」
「おぉ!そうか、後退だぁぁ!!」
ミジーにゼロよりも声の大きいダムザに後退の合図を頼んでいたのだ。
全員が後退を始め、視線が後ろを向く。それを注意深く確認したゼロは
「斬の型、波」
地面とは垂直に下から上へと振られた刀から、波の名のように広がっていく斬撃が魔物を襲う!
後退し始めたその背中を追っていた魔物たちは後ろから押される自らの仲間たちによって止まることができず、斬撃に斬られていく。波は徐々に威力を弱めていくが、それでも少なくない被害を与えた。
「さすがよの。確かにこれを見せる訳にもいかぬ」
「とにかく俺たちも後退だ。見ろ、目の色を変えて襲ってくるぞ」
魔物たちはゼロやダムザらによって死んだ仲間を踏み越えてくる。まさに怒りを覚えたかのように。
「了解じゃ。どこまで引き付けられるかの?」
「ギリギリまでだ。合図はホゼに任せて、時折反撃を俺が担当するしかないだろう」
「主様だけに負担はさせんよ」
戦いの真っ最中にもかかわらず笑顔をゼロに向けてくるアサギ。エレンとは違う距離感、日本にいた頃の誰よりも近い距離感に彼は少なくない嬉しさを感じる。
引き揚げながら時折反撃するゼロたち冒険者。オーク等の大型魔物の機動力の遅さを利用した形である。しかしゴブリンやエイプらはそう遅くない。
下手に追撃を諦められないようにしつつ、魔物を引き付ける。ゼロやアサギはこの中では戦闘経験が少ないながらも、全く問題なく戦闘をやってのけていく。
だが他の冒険者はそうもいかない。二人のように精神が強い訳でもないのに加えて、魔力も多くはない。ようするに限界が近づいていた。
「ゼロさん、待ち合わせの距離まで足りないけどそろそろ無理だ」
「そうだな、ホゼ悪いが合図をしてくれ」
残り少ない魔力を使いホゼは、火炎弾を一つ上空へと放つ。
野営していたところまでそれは見えた。
「合図だ!皆いくぞ!」
「おぉ!!」
魔物たちは元々冒険者たちが野営していた付近の森辺りに来ていた。そこにゼロたちは奇襲をかけ、引き付けていった。野営地を横目にしながら後退したことにより、ギリギリではあったものの挟撃に近い形に持ってこれたのであった。
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