第三十話
短いかもしれませんが三十話目です。
精神世界のような場所から元の遺跡内部へと戻ってきた。目覚めるとゼロはアサギに膝枕されていた。
「くっ、もう少し寝ておればよいものを」
「おい」
人間性の高さに本当に作られたのか疑いたくなった。とにかく立ち上がると、
「ひとまずマテヴに事の詳細を話しておくべきか」
「主様はあれだけの剣が使えるのに誰かに仕えておるのか?」
「仕えている訳じゃない。ギルド、いや傭兵の仕事斡旋みたいなところにいるといえばいいのか」
「ふむ、とりあえずそれと話すのじゃな。どれじゃ?」
「どれってアサギ。一応人だからな」
「我にとって主様以外は塵芥に過ぎぬ。してどれじゃ」
『後から言って聞かせるしかない』、時間を惜しむためそう考え、ゼロはマテヴを呼ぼうとして
「ここから聞こえるのか?」
「問題ないのじゃ。防衛措置は既に主様が我を倒したことでなくなったからの。それが入ってくればここまで一瞬で来れる」
「便利だな。マテヴ、ゼロだ。最奥に到達したにはしたが別の問題が発生した。お前じゃなければ判断できそうにない。魔物も出ないから中に入ってきてくれ」
とはいえ外の様子がわからないゼロにとってこれでよかったのかわからない。アサギを見ると答えてくれた。
「その者は主様の声を聞いて入ってきておる。それより周りのが騒いでおるのが煩わしいの。消しても?」
「ダメだ。大人しくしていてくれ。じゃないと俺と一緒にはいられないぞ」
「さっさと来るのじゃ、マテヴとか言う奴」
アサギの扱いに苦労しそうだとゼロは思った。
しばらくしてマテヴが警戒しながらやってきた。ゼロの姿を見つけ警戒を解くがアサギを見てなんとも言えない視線を向けてくる。
「ゼロの旦那、隣にいるのは貴族の方か?それが問題だとするとオレも困るぜ」
「失礼な奴よの。あんなのと一緒にされたくはない」
「アサギ少し黙っていてくれ。マテヴ、貴族じゃない。ここに封印されていた古代の遺物だ」
「なに?遺物?そりゃとんでもねぇ代物見つけたもんだが…。生きてるのは見たこともきいたこともねぇ」
ゼロは『やはりそうか』と思った。アサギ自身が特別だというのは本人の説明からも薄々わかってはいたが確認は必要であった。
「それで俺はどうすればいい?ギルド的にはこういうのは調査とか必要なんじゃないのか?」
「そりゃそうだが、それを言っちまったら殺されそうな程の視線が本当に殺されるのに変わっちまうだろ。それに今の時期あまり大事にすんのも面倒だ、ゼロの旦那さえよければそのまま連れて行ってくれてかまわねぇ。こっちでいくらでも誤魔化せるしよ」
「さすがギルドとかいうところの者はよいことを言うの。主様に異論がある訳もないのじゃから」
一応話はまとまった。三人そろって外に出ると皆の歓喜によって出迎えられた。難癖を付けられるよりはマシだが、こうなるとは思ってもいなかったゼロにとって対応に困ってしまっていた。マテヴが気を利かせ皆を退けさせ、今日のところは休みを取ることとなった。
展開が遅いかもしれませんね。
それでも三十話までやってこれました。ここまで読んで下さりありがとうございます。




