第二十八話
伸び悩んでいる、そんな気持ちがあります。
とにかく二十八話です。
刀から放たれた一つの斬撃は目に見える形で飛んでいく。刀を使っており、魔法をそれまで使わなかったゼロがこのような攻撃手段を持っているとは女性も思っていなかったらしかった。とっさに式札を自身の周りに展開、防御を計る。しかし斬撃はそれごと切り裂き、女性に直撃した。
するとゼロは突然の眩暈に襲われる。『ここで気を失うわけには…』、と思うが回復魔法を使えないゼロには抗い様もなく倒れこんだ。
目が覚めると、依然神様と出会った空間に酷似する場所であった。
「ここは…」
「ようこそここへ主様」
女性の声がする方へ振り向くと、先ほどまで戦っていた相手ではないか。
「警戒するなとゆうても難しく思うじゃろう。が、我を倒した者だけがここへ呼ばれる仕組みとなっているので安心してほしい」
「…その前に主様?」
「そうじゃ、主様」
「君にそこまで想われる理由がないと思うんだが」
「そうかもしれぬ。その前に主様が倒れておる間に、記憶をちょっとだけ覗かせてもろうた」
エレンは丁寧にこちらへ話しかけてくるが、この女性はそれ以上に丁寧さがある。声音が心地よさを感じさせるからだろう。
それよりも記憶を見られたことが重要だ。
「どこまで見た?」
つい声がキツさを帯びる。女性はそれに怯えることもなく、
「主様が現在感じておる気持ちと、これまでどのように過ごしてきたのかじゃ」
「他には?」
「それだけじゃ」
判断に迷うところである。見られて困るようなことはゼロにはない。困るとすれば日本にいたころの記憶だ。
ゼロが一言も発さずに考え込んでいると、それを怒っていると取った女性は、
「申し訳ないの、主様。許可なく覗くようなこと事をしてしもうて。じゃが我の存在意義がこうなのじゃ」
「存在意義?」
「そうじゃ。主様の記憶を見た代わりと言ってはなんじゃが我のものを見てほしい。それからどうするかを判断してほしいの」
「…名は?」
敵対行動はない。だがこの精神世界のような場所にいる以上ゼロがどうこうすることができるわけでもない。とりあえず彼女の判断材料を把握するべきか。
名を問うと嬉しそうに、
「アサギ、それが名じゃ」
「わかった。アサギ、見せてくれ」
『了解なのじゃ』、そう答えると近づき手を取られた。するとゼロの中に彼女、アサギの記憶が流れ込んできた。
『これは…』、見えてきたのは何かの実験である。数人の巫女のような服装の者と陰陽師のような服を羽織った者が何かをしている。魔法陣を一人、また一人と描いていく。その中心には何かよくわからないものが鎮座している。すると、
「おい!まだ途中だろ!?」
「なに甘い事を言ってんのかね、この子は。ひっひ、これでいいんじゃよ」
「そうだ。完成体を作るにはこれでいい」
「……問題ない」
そのような会話をしながら描き上げていく。そしてそれぞれが魔力を流し始めた時、事件は起きた。
「マズイぞ。暴走しそうだ」
「ばあさん!!そっちで調整しろよ!」
「うるさいの!今やっておる!」
「……厳しいのじゃ、ふふっ…」
ゼロにはよくわからないが、はた目には問題が無いように見える。しかし、不思議な連中はよくないと言う。時間にして二分ほど連中はワタワタとしていたが、突如として全ての魔法陣が収縮。全てを飲み込んでしまった。残ったのは部屋の真ん中に残されたものだけだった。
戦闘があっさりしていたかもしれません。悩みどころです。
そろそろ人物や解説のようなものを入れるべきかなと思っております。
誤字等何かありましたらお知らせいただけると幸いです。




