第二十五話
遅くなりましたが二十五話です。
「ゼロの旦那、頼んだぜ」
「私は休める場所があっておそらく終盤だと思えるところまで行きました。そこまでくると魔物が複数で襲ってきます。今まであったどの魔物よりも強いですけど、ゼロさんなら行けます!」
マテヴやエレンにそう声を掛けられる。期待されるというのは悪い気持ちにはならない。だが重すぎるのはゼロ自身、似合わないと思った。そういうのは勇者であるエレンがされるべきである。紛い物の力を持つ自分は先にむかうべきだったのではないかとも思い、くじ運を恨む。が先に行って突破してもあまり歓迎されないだろうと思うと投げやりな気持ちになった。
それでも回復薬などの準備を整え、門の前まで来ると気持ちは切り替わっていた。
皆に送り出され、中へと入る。そこは、『神社の中、いや日本の城の中みたいだ』とゼロは思った。木で作られたそれは外から見た時よりも一層異世界であることを忘れそうになる。
ピクリと何かの気配を感じゼロは思考の世界から戻る。皆が言っていた騎士が現れたのだ。和風の世界観に洋風の騎士というのは不釣り合いだと思われるが、何かを守っていると考えればそうでもないのかもしれない。
鉄の色独特の色合いの鎧を身に着けた騎士は当然ながら中に人が入っている訳ではない。それでもどことなく人に近いものが感じられる。
特別ゼロは鎧に詳しいということはなかったが、一見するとゼロのようなバトルコートと違い、動きにくそうに見えるプレートアーマーやチェインメイル等といったものであるが、この世界には魔法がある。通気性はもちろん重さは軽減されており、また堅苦しさもあまりない。街にいる警備兵も簡単なものを着けていることが多い。
騎士がゼロへと向かってくる。だが見た目ほどの迫力は感じられない。
「はっ!」
魔装を刀に籠め、声と共に斬る。いや鎧ごと切り裂いてしまった。つい『な!?』と声を上げてしまった。思っていたよりもゼロは気持ちが高ぶっていたらしい。
その後、弓を構えた騎士、魔法を使う騎士も現れたがゼロの敵ではなかった。もちろん全ての敵を相手していては疲れてしまうためスピードに任せて振り切ってしまうこともあった。
エレンの言っていたと思われる休める場所に来た。飛ばしたおかげか時計を見れば、入ってからニ十分程だった。だがここからが本番だろう。エレンは魔法があった。騎士がほぼ単体で襲ってきていたことを考えれば余裕で詠唱する時間があったのは確か。それに休めるところがあるため、エレンもゆっくりしたのは間違いない。それでも突破できなかった。
後半は魔物の質、数が増え、詠唱が間に合わなくなってしまったのだろう。
「ゆっくり話を聞くべきだったな」
そう思った。だが周りの空気に流されてしまったゼロにも責任はある。
立ち上がり、納めていた刀を抜く。
おそらく後半と思われるところに足を踏み入れる。魔物は出てくる気配はない。深呼吸をし、歩き出す。
するとゼロの前後に騎士が現れた。すぐに騎士は向かってくる。振り下ろされる剣を冷静に避け、片方を蹴り飛ばす。もう片方が剣を振い、ゼロは刀で受け止める。鍔迫り合いとなり、
「さっきまでとは全く違う強さだな。それに無言で襲ってくるのもなかなかに怖い!」
そう言いつつ、押し返す。すぐに先ほど蹴り飛ばした騎士が来る。ゼロは剣ごと斬るイメージで刀を振るい、実際にその通りとなる。
防御力自体はそれほど上がった感触はない。だが攻撃は力強さが増している。それでも彼は冷静さを失わずに奥へと進む。何かに導かれるように。
これからも投稿が遅くなる事はあるかもしれませんが、やめる事はないのでお付き合い願えればと思います。
次回もよろしくお願いします。




