第十九話
暑くて大変ですが頑張ります。
少し遅めに起きたゼロは食堂へと向かう。既にエレンが待っており、二人で朝食を済ませる。
「ゼロさん、お昼まで時間があるので少し特訓に付き合っていただけませんか?」
「それはいいが何をするつもりだ?」
「ゼロさんのマジックアイテムじゃないんですけど私の盾が帰ってきたので練習に付き合ってほしいんです」
「了解だ」
ゼロとしてもまだまだ己ができる事を確認、把握しておきたいところなためお互いのためにもなる。
食べ終えた二人はさっそくギルドに向かい、ミーナに訓練室の許可をもらいに行った。
「使うのは構わないけど壊さないでよ?」
「壊しませんよ!?」
「ゼロ君はともかくエレンはねぇ?」
「な!もう!行きましょうゼロさん!」
エレンに手を引かれて向かう。訓練室はダムザと戦ったところよりも少し狭い。だが調整やギルドの担当官に指導してもらえるという点ではちょうど良い大きさであろう。
「ここでも傷は治るので大丈夫ですね」
エレンの、その無邪気なところは危ないのかもしれない。
とにかく二人は構える。前回と違うのははじめから二人が戦うと向き合っていることと、エレンが剣と盾も構えていることだろう。
先手必勝とばかりにエレンが動く。ゼロは躱しながら刀を振るおうとするが、それをやめ下がる。
「火よ!敵を射よ、フレイムアロー!」
得意の魔法が近距離でゼロへと向かう。が、問題なく避けられ、あるいは打ち落とされる。
逆に詠唱し終えた隙にゼロはエレンへと急接近する。慌ててエレンは盾を構える。だがそれをゼロは狙っていた。
「はっ!」
「くうっ!」
盾の左下から右上へと刀を振り上げる。その衝撃により盾は浮かされ隙ができてしまう。ゼロは左手でエレンの右手首を押さえ、剣を封じ、刀を向ける。
「勝負ありだな」
「…そうですね。えっとその、距離が…」
そう言われはっとする。剣を押さえたせいもありエレンとの距離が近くなっていた。すぐに手を放して下がる。
「すまない」
「大丈夫です!そ、それより」
「慌てて盾を構えすぎだ。狙ってくれと言わんばかりすぎる、少し余裕を持って受け止めるか受け流すようにしないとな」
「そうですか、勉強になります」
微妙な空気を変えたのは二人を呼びに来たミーナだった。
「二人とも。調査隊が帰ってきて報告が終わったから話を…、どうかしたの?」
「な、なんでもないです。どこに向かえばいいの!?」
「そんなに慌てなくてもいいのだけど。とりあえず案内するからついてきて」
案内されたのはギルド長の部屋ではなかった。ゼロたち以外にも待っている者が数多くいた。その中にはダムザたちもいる。ミーナがドアをノックし
「マテヴさん、現時点での参加者が揃いました」
「おぅ、入ってくれや」
ぞろぞろと皆が入っていく。どうやらこの部屋は会議室のようなところなため広い。アイテムボックスに仕舞っているためか武器を携えている者はいないが体格のいい者、アーマー等が邪魔になることもあるため必要な広さでもある。
「よし、よく来てくれた。知ってる奴もいるだろうが調査した奴らが帰ってきた。残念だが最近の魔物の大量発生の原因は不明だ」
ざわざわと皆が動揺する。不明となると困ったことに他ならない。
「静まれ!代わりと言っちゃなんだが以前にはなかった遺跡が発見された。と言っても少し距離がある所からの発見だそうだ。調査隊の人数や食料、報告の時間を考えてそこまで踏み込まなかったからだ。そこでだ!二班に分けてハフトの警戒とその遺跡に向かう班に分けることにした」
「マテヴさんよー、報酬とかはどうなんだ?」
「どちらも同じだ。遺跡で発見されたのはギルドが預かって、まぁなんだ、その後考えるとしか言えねぇ。遺跡自体がよくわかっちゃいねぇもんだからよ、何があるかわからん。つーわけでランクが高い奴から順に分けていく。文句はなし、今日中にはメンバーを貼りだしておくから準備の方やっといてくれや。じゃ解散だ、おらどけ!」
誰かが質問した後は他にする人もおらず解散。その後エレンが『どうなると思います?』と聞かれたが『さてな』と返すにとどめた。十中八九遺跡だろうとは思ったが。
その後再び訓練したり街を歩いたりと時間をつぶし、メンバー表を確認する。そこには予想通り遺跡への派遣組に二人の名前があった。
もしかすると次回は遅くなるかもしれません。
次回もよろしくお願いします。




