第十七話
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一度宿に帰り、女将に遅くなるかもしれないと伝え、エレンにも伝えるように頼んだ。そして向かうのはマジックアイテムを頼んだ店である。どのような話しが出てくるのか、はたまたゼロの考えすぎか、行ってみないことにはわからない。
店に着くと先ほど来た時と違い、荷物が片付けられていた。店の扉も閉まっているためノックをする。エルフのおじいさんが出てきて店の奥に通され、イスに座るように言われ待っている。するとおじいさんはお茶のような飲み物と一人の人間を連れてきた。その人物に見覚えがある。
「あんたはダムザと戦う時に観客にいた…」
「へぇ、オレを覚えていたのか。そうだ、あの場にいたよ。オレぁギルドの幹部マテヴだ、よろしくなゼロの旦那」
「話が見えないな。ここで会う必要があったのか?」
「その前にこのじいさんと話しておけ、オレの用はその後でいい」
エルフのおじいさんは奥に行っていたのだが、出てくると何かを抱えて出てきた。どうやら頼んでいた物のようだが思っていたのとは違う物もある。
「…籠手?」
「そうじゃ。手を加えてアイテムボックスも兼ねておる」
「それは攻撃を受け止めた際に壊れないのか?」
「そんなものじゃったら売りはせんわい。いいかの、聞いて驚くことなかれ。古代種のドラゴンの鱗をきれいに扱い、防御は折り紙つきじゃ。さらには魔法で動きを阻害しないように柔らかさ、それに見た目もよくしてじゃな」
「じいさんよぉ、それくらいでいいんじゃねぇの?とにかくすごいってぇのは伝わったからよ」
「なんじゃと!まだ話し足りんというのにそれをお主は!」
そのような会話をよそにゼロは籠手を見る。剣道等で見たことがあるそれだが、おじいさんが言うように物々しくはなく、一見すると魔法を強化する装飾品の用にも見えなくもない。それでなおかつアイテムボックスを兼ねているのだから高価な物に間違いはない。
「そうじゃった。こんな奴と話している場合じゃないの。もう一つ頼まれておった物じゃ、ほれ」
「懐中時計か。ありがたい」
「手元にあれば少量の魔力を勝手に補給して半永久的に動き続けるぞぃ。それに改良を加えてあるからの、魔力は微量で済むから生活にも差支えないわい」
「へぇ、いいもん扱ってんな。俺にもなんかねぇのかよじいさん」
「お主にやるのは飯くらいじゃ。マジックアイテムはランプくらいでいらんじゃろうて」
言い合いが始まった中、ゼロは二つの品を眺め、おじいさんに感謝した。籠手は刀を取られたときに防御することも可能だ。銀色の懐中時計はなんとなく現代を感じることができ、嬉しく思った。
「おじいさん、ありがとうな」
「よいよい。これから頑張るのじゃ若者よ」
「それじゃあ俺の番だな。なぁゼロの旦那。テムの野郎胡散臭く感じなかったか?」
「いきなり核心の話とは芸がないのぅ」
「うるせぇなじいさん。こういうのは時間かけずに話していく方がいいんだよ」
「その話詳しく聞きたい」
いきなりその話になるとは思っても見なかった。だが何かしようとしているのは確か。聞いておいて苦労はしても、おそらく損はあるまい。
「おう、乗ってくれてよかったぜ。あの野郎はな、貴族とつながってやがるせいで裏じゃやることやってやがる」
「賄賂か」
「それだけじゃないのぅ、いやそれだけじゃったらよかったというべきかの」
「商売関係や貧民街にも幅を利かせ始めてる。それに奴は奴隷関係にも手を出し始めてやがる」
「それで?それだけの話のためにここに来た訳じゃないんだろ」
「そうだ。テムの野郎を捕まえる。その手伝いをしてほしい」
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