第十六話
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解体はエレンが行い、素材等もエレンがしまう。代わりにゼロは倒したウルフを運び、説明を受けた薬草を摘むことで役割を分担した。
帰路は特に魔物に襲われることもなく無事にハフトへ着いた。ギルドに着き、ミーナがエレンと鑑定や報告の話をしている。討伐したウルフを出していると、他のパーティーでもランクは低いながらも魔物が数多く討伐されているのがわかった。
「やっぱり最近はどこも魔物が増えているわね」
「そうみたいです。薬草の場所には近づかないはずのウルフが大量にやってきましたし」
「早めに調査隊が帰ってこないことには何も言えないけど、異常事態には間違いなさそうね」
その話を聞いているとランク設定の際に『状況が状況だから』と何度か言われたのを思い出す。
「それは俺たちが早めにランクを上げられたことと関係しているのか?」
「そういえば説明していなかったかしら。そうなの、ここ最近ハフト一帯で魔物の数が増えてきているの。原因に関してはまだわかっていないのだけど、どちらにしても倒す必要があるでしょ?そのために実力のある者はランクを与えているの」
「人手不足なのか?」
「冒険者自体は人数が多いのだけど、ランクはちょっとね」
とミーナが説明してくれた。異常発生の原因がわからないにしてもいずれハフトは危険に陥りそうである。魔物が一斉にここを攻めればランクの高い者がいないのでは対処できない可能性もある。だがエレンがあれだけの魔法を持っている。おそらく広域魔法も使えるだろうことを考えれば、ランクを与えて戦いに出せばいい。テムはそう読んだことだろう。
そう考え、何か手立てをしておきたいが単独行動が許されている訳でもない。エレンがいる以上ゼロが勝手に動くのは躊躇われる。さらに言えば攻めてくるというのも憶測でしかなく、彼はこの世界に詳しい訳でもないのだから。
思った以上に早く依頼が終わったため街の中を見て歩くことになった。幸い先ほどの依頼で報酬も出ているため、買い歩くこともできる。おいしそうなにおいに釣られて串焼きを二人で数本買う。においだけでなく味も堪能していると、人がまばらな店が目に付いた。
「あそこは?」
「あそこは奴隷を取り扱う店です。余程のお金に余裕がある人しか利用しないと言われてますけど、仕事で人手が足りない場合は日雇いもあります。パーティーメンバーがほしい人だと稼ぎをつぎ込む人もいるとか。一度だけ行ったことがあるんですけど、可愛らしい子もいてお金をつぎ込みそうになりました」
「…奴隷か」
現状ゼロたちに必要かと言われれば微妙なところだ。戦力的には苦労しておらず、かといって店も個人宅も持っていない二人には手伝い用の人もいらない。
どこか幻想を抱いていそうなエレンには悪いが当分は必要がないだろう。
ゼロはそこでエレンと別れ、先ほど通った店で必要となりそうな服や下着を買おうとしていた。下着はそうでもなかったが、服を買う際にはなぜか女性店員に付きまとわれ、なんとか購入をして逃げ出す一幕があった。ゼロが思っている以上に彼のルックスはこの世界では良いのだ。そんなことを知らない彼は当分服はいらないと考えていた。
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