第十五話
十五話までやってくることができました。
「もう!どうして一人で決めちゃったんですか!」
「いつも二人という訳じゃない。それに案内されてばかりじゃ道を覚えない」
『そういわれたらそうですけど…』というエレン。残念だが本当の話をする訳にもいかない。なんとなく先ほどのエルフが対話を求めた気がしたのだ。話を聞けそうなため、無理やりにでも一人で会いたかったのもあるが、それにどうしてかエルフ側もそれを望んでいたようだった。
ギルドに着くと昨日訪れたときよりも人がいる。朝に来て依頼を確かめてから行くからだ。依頼を見ているとエレンがミーナに呼ばれていってしまった。ゼロだけでは適正ランクはわかっても、内容がどれなら良いのかがわからない。とりあえずは流し見ていると、しばらくしてエレンが戻ってきた。
「依頼を受けるにあたっての指示を聞いてきました。試用期間なので適正ランクより下、つまり薬草採取等と同時にDランク近辺を受けてほしいそうです」
「なるほど。じゃあこれとこれか」
そう言って取ったのはDランクのウルフ系の魔物討伐とその出現場所に近いところの採集だった。エレンも目を通すと
「これなら大丈夫そうですね。申し込んできます」
そう言って再びミーナのところへ行き、許可をもらって戻ってきた。手当用の薬等はエレンが持っていたため特に準備をすることもなく向かうこととなった。
目的の場所に向かう際中、ゼロはエレンに様々な事を教えてもらわなければならなかった。薬草は当然知らないため教えてもらわねばならない、さらには道等と多岐に至った。それをエレンは嫌な顔一つせずに教えてくれるためゼロとしても助かった。道中はゴブリンや小さめの蛇型魔物といったものに出くわしたが問題はなかった。ゼロがいち早くその存在を把握するため対処しやすかったためである。エレンもゼロほどではないが、軽めの両刃の片手剣を扱い魔物を対処した。なんとなく違和感を感じたゼロは
「動きがおかしくないか?片方に隙があるというか」
「それはおそらく盾を使ってないからですね。いつもなら盾を使っているんですけど今は武器防具屋に強化を頼んでいるので」
「そのせいか」
「それに魔法ばかりを頼る訳にもいかないって昨日ゼロさんと戦ってわかりましたから」
『俺は魔法を使えないんだが』とは言わない。努力しようとしている者に水を差す必要はないだろう。
しばらく進み、薬草があると言われる場所近辺に着いた。とはいえ日本のように区画整理されている訳でもないため、『大体この辺りでしょう』と言った感じだ。
『これは毒用、こっちは傷用ですね』、とエレンに学ぶ。己がどれだけ便利な世界にいたのかを痛感する。この世界では薬草採取一つでさえ魔物や盗賊が出れば命を失う可能性があるのだ。
ふとエレンを見る。楽しそうに説明している彼女を見ていると、良い子なんだなと改めて思わされる。時折出てしまうおせっかい染みたところは、嫌がる者もいることだろう。それでも素直さと真面目さは評価の対象と言えるのではないか。
などとぼんやり考えていると近くに魔物の反応がある。ぼんやりしていたせいか囲まれている。ゆっくりと立ち上がると、それに気付いたエレンも立ち上がる。ゼロが刀を抜くとエレンも剣を抜いた。
「片側を任せても大丈夫か?」
「もちろんです!」
サッと躍り出たのはこの辺りに出現する軍隊ウルフと言われる魔物。単体ならば脅威はあまり高くないが、軍隊と言われるように群れを成しており集団で襲いかかる。Dランクの中でもやりにくいと言われる魔物だが、ここにいる二人は普通ではない。
「土よ!壁となれ、アースウォール!」
せせり出た土の壁に何匹かがぶつかり『ギャウン!』と声がする。さすがに火でやると素材等を焼き尽くしてしまうと思ったからだろう。ゼロはその間に向かって来るウルフを斬っていく。
ものの数分もしないうちに片付けてしまったのはこの二人が規格外だということに他ならない。
読んで下さった方、評価して下さった方のおかげでやる気も出て、ここまで更新を続けることができました。感謝しております。
まだまだな部分もありますでしょうが今後ともよろしくお願いいたします。




