第十三話
今以上に文章を上手く伝えられるようになれればと思う今日この頃で御座います。
見ていた者にとってゼロが炎龍に当たって何事もなかったことは驚きであった。実際には炎龍がぶつかる時に、魔装を施した刀で斬ることで難を逃れた。かなり強引な方法ではあったが。
ギルド長室へ向かう最中、エレンは終始黙っていた。見かねたゼロは、
「終わったことだ。気にするな」
「でも…」
「エレンは間違ってはいなかった。だが状況を読み違えた。まだ学んでいる途中、それにこれからお前の道を一緒に歩いていく仲間を探していけばそうならなくなる」
「…そうですよね。学んでいかないとですよね。それでもすみませんゼロさん」
「あぁ。ギルド長室に着いたらしっかりな」
「はい!」
眩しい。そうゼロは思う。内容はともかく目的があり、それに向かって行ける心も実力も兼ね備えたエレンを眩しく思う。それを好ましく思えた。
後にゼロはあの時宿に泊まった時にでも目的を聞き、詳しく話し合えばそうならなかったのではと思う時が来るのだが今は知る由もない。この時から少なくとも行き違いは発生していた。それでもやっていけたのは……。
ギルド長室の前に着くと既にダムザら三人がおり、すぐに中に招かれた。
部屋の中はゼロが思っていたよりも豪華な構えとなっており、テムと会った時からの違和感が強くなる。それに先ほどの笑み。
「想定外のことはあったけど皆お疲れ様。ダムザ君たちには後で報酬を出しておくよ。それとゼロ君はDランクからやってもらおうか」
隣でエレンがホッとした表情を見せる。問題こそあったもののちゃんと評価されたからだ。ダムザたちも報酬が出たことで喜んでいる。
「それだけじゃないよ。エレン君とゼロ君は試用期間を経て問題が無ければCランクに上がってもらう」
「え…?」
エレンがそう声を漏らすのも無理はない。現状Eランクの彼女には無縁の話だったのが一転して昇格の話となったのだから。
「あれだけの魔法が使えるのにランクを上げない訳にもいかないからね。素行にも問題はないようだから尚更だ」
「ありがとうございます!」
『やられたな』、そうゼロは思った。弱ったところに付け込まれたと見るべきか。エレンは単純すぎるほど無知ではない。だが弱ったところに優しくされれば大抵の者が疑いもせずに乗ってしまいがちである。きっとエレンは彼をいい人だと思ったことだろう。
魔法を扱う宮廷か何かの出身と見ていたがそうではなく策を巡らせるタイプのようだ。
「よかったじゃねぇか!あれだけ戦えてDランクじゃもったいねぇもんな!」
「そうね、確かに。やっぱり組んでもらおうかしら」
「さっき懲りたんじゃなかったんですか?二人とも…」
ダムザ、ミジー、ホゼがそれぞれ反応する中ゼロは一言も話さない。彼自身としてもとりあえずのところ文句はない。早く休みたいというのが本音だった。
「決まりのようだ。ゼロ君には鑑定結果の報酬を渡しておくよ。それじゃあこれで」
テムがそう締め括り解散となった。
報酬を受け取った後ダムザたちとも別れ、エレンが利用しているという宿に向かった。遅めの昼兼夕飯をとった二人はそれぞれの部屋へと向かう。お互いに疲れており明日に向けて早めに休むこととなったのだ。
「それではまた明日からよろしくお願いしますねゼロさん」
「あぁ。明日な」
短い会話を終え、ようやく濃い一日を終えることができた。
閲覧ありがとうございます。
早く様々な人を出す等して物語を進めていければと思っております。




