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ヴォルスの旅

ヴォルスが早朝ケインに挨拶をし村を出発していく。


お供には村人を2人付けるようだ。


目的地は隣村だということは調べがついている。


3人が徒歩で向かうのを確認してから部屋の窓から離れる。


部屋に鍵を掛け椅子に座ると意識を集中する。


イメージとしてはゴーレムとの一体化である、体から凄い勢いで魔力が消費されていく。


レベルが上がっていなければ無理であっただろう勢いだ。


レベルを上げる毎にゴーレムの気配が判るようになっている、意識を集中させて更にゴーレムと自身の一体化をイメージする。





目の前には森が広がっていた。


成功か。


ゴーレムメイカーには様々な秘めたる能力がある。


ゴーレムの遠隔操作、これが新しく取得した能力である。


ゴーレムへと乗り移った俺は体の具合を確かめる。


昨日の段階でゴーレムは村道の近くに忍ばせてある。


体の確認をしたあとは、時が来るまでジッと待つ。



来たか。


ヴォルスとお供の2人である。



ゴーレムの体を操作して足下に置いてあった大木を握る。


右手に大木を持ち振りかぶるとヴォルス達に向かって投擲する。


放たれた大木は木々の間を縫うように走るとヴォルス達とぶつかる。


俺は投擲後ゴーレムの体で走り出す。


土煙の中、起き上がろうとするヴォルスを確認する。


村人2人は大木に挟まれたようでミンチになっているのが見えてくる。


ヴォルスがこちらを発見したのか走って逃げようとしている。


逃がすかよ。


村道を走って逃げていくが人間とゴーレムでは歩幅も体力も違いすぎる。


ホラホラもっと走れよ!


村からは3キロ以上は離れている、隣村まではまだまだ距離があるので助けはこない。



「だ、誰か助けてくれっー!!」



ヴォルスが無駄なことをしている、助けなんてこないっつーの。


足がもつれたのかヴォルスが転倒する。


その隙に距離をつめる。


足下にヴォルスが転がっている。


まだ何かわめき散らしている、俺はゆっくりと足を上げるとゴミに向かって足を落とした。


ふぅ、スッキリしたな。


ゴミは処分するに限る。


用事を済ました俺は3体の死体を集めると、両手ですくいそのまま森の奥へとゴーレムを歩かせる。


そこで俺はゴーレムの遠隔操作を切る。


魔力はスッカラカンだが気分はスッキリだ、今日は良い仕事をしたな。


それから俺は何食わぬ顔で村での生活を過ごした。


村で騒ぎになったのは4日後だっただろうか、村長達が行方不明になったらしい。


まぁ魔物のいる世界だしそういうこともあるわな。


新しい村長にはヴォルスの息子でるケインがなった。


ケインにはそれとなく助言をしヴォルスが溜め込んでいた資財を使って村の復興に当てさせている。


あの野郎魔物の襲撃の時、素材を売った金をピンハネしていやがった。


ケインにそれを教えたとき苦い顔をし最初は皆にこのことを公表すると言っていたが、そんなことをしても村は救えないし村のために亡くなった母さんが悲しむ。


兄さんなら村を救えるしこのお金の正しい使い道も分かるでしょと囁いてやったら、正義感に燃えたのか村のために尽くすといっていた。


扱いやすくて助かる。


とりあえず村の経営はこれで安泰だろう、村の膿は出したからな。


村の防衛力に関しては未だ不安なので、当面ゴーレムで付近の魔物の掃除はしておいてやる。


俺は俺に敵対するやつには容赦しないがそれ以外には寛容だからな。





ヴォルス、ケインは俺の自慢の兄さんだぜ。




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