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街・奴隷舘2

難産でした。


ちょいぐろ?描写薄いですが一応注意。

俺は今ゲーマスの奴隷舘へと向かって歩いている。


昨日親友なるものが出来た。


言葉として聞いたことのあるものだったが実際にどういうものなのかはよく分からない。


あのあと、ゲーマスから明日また来てくれと言われて再度向かっているわけだがあまり気は進まない。


あいつ絶対普通じゃないからな、奴隷商人みたいだし金蔓としては申し分ないが依然注意が必要だろう。


門の前まで着く。


「アッー!、アルス様でございますね。ゲーマス様からお聞きしております、ささっこちらへどうぞ」


昨日見た筋骨粒々の男が揉み手をしながら、もの凄い低姿勢で近寄ってくる。


なんだこの生物は、気持ち悪すぎだろ……


距離も異様に近い、おい昨日のあの鋭い目付きはどこいった。


この気色悪い物体、言わなきゃ舘の入り口まで付いてきそうな勢いだったので、丁重にお断りした。


グズグズしてるとまた門番が近寄ってきそうなので足早に舘の中へと入る。


えぇい、チラチラとこっちを見るな門番!


「ようこそいらっしゃいました、おや?顔色が優れないようですが」


バトラが迎えてくれる。


誰のせいだよ誰の。


なんかこの舘に来ると調子狂うな。


「やぁやぁいらっしゃいアルス、早くこっちに来て座りなよ」


部屋への案内を終えたバトラは役目を終えたのか、既に部屋から退いている。


「早くこっちこっち」


ゲーマスに急かされ向かいのソファーへと座る。


テーブルを挟んで部屋に2人きり。


非常に気まずい。


「で、今日呼んだ理由はなんだよ、翌日呼びだすくらいなんだから何かあるんだろ?」


「あぁ昨日は準備が間に合わなかったからね、分かるかい?今日は私たち2人の親友としての記念日ってことだよ」


昨日決められた約束の1つに敬語をやめるというのがある、なんでも親友とはそういうものらしい。


俺は用意された紅茶を一口飲む。


「だから今日は親愛なるアルスにささやかな贈り物をと思ってね」


「はぁ記念日ね、俺も暇じゃないんだ。さっさとしてくれ」


<パチン>


ゲーマスの合図の後、通路側の扉が開き1人の女が入ってきた。


まだ十代後半だろうか透き通るような白い肌に全身をベールのようなもの1枚だけが覆っている。


ベールは薄く少女の全てが見えそうになる。


怯えてるのか、少し震えているな。


「どうだい、中々可愛いだろ?昨日見ててピンときたんだよ、あの時どんな奴隷をアルスが欲しがってたかってね」


ゲーマスが指示し少女をこちらへと歩ませる。


「好きに使ってもらって構わない、受け取ってくれればもうこれはアルスのものだよ!」


ゲーマスが笑顔で手を広げている。


少女が手を伸ばせば掴める距離まで来る。


「ゲーマス……」


「なんだいアルス?」



「……お前はふざけているのか?」


「………………」


「お前は俺が欲しかった奴隷がこんなもんだと思ってたのかよ」


俺の問いにゲーマスが沈黙する。


「……………………ふ……ふふっ、やっぱりアルスはいいなぁ。その怒った目も実に素敵だ」


「いらん余興はするな、帰るぞ」


「あぁ帰らないでくれよ、ちゃんと贈り物は別に用意してあるんだから」


<パチン>


再度ゲーマスが合図すると3人の少年達が入ってくる。


ここに連れてこられた理由も聞いていないのだろう、自分の状況より目の前の裸同然の少女に戸惑っているようだが。


俺は持ち上げかけていた腰をゆっくりとおろす。


「話を聞こう」


俺の発言にゲーマスはニコニコと笑う。


「さっきはごめんね、どういう反応するのかが見てみたかったんだ。アルスが今欲しいのって戦う奴隷だよね、それも若い少年の」


「……どうしてそう思う」


ゲーマスがソファーから立ち上がると歩きだす。


「アルスは最初来たときにお金をあまり多くは持っていないって話してたよね、それに奴隷が欲しいのは今の自分の力に満足してないから」


「あとアルスの今欲しい奴隷は自分に牙を向けない絶対服従の番犬や猟犬として使うためだよね」


「お金はないけど戦力となり主人に絶対服従の奴隷は欲しい、私はそこからピンときたってわけだよ」


「それならば亜種奴隷もその条件に当てはまるんじゃないのか?」


「……いや、その可能性はないね。思慮深いキミのことだ、言語の習得にかかる時間と町で生活する亜種族としてのリスクを考えて少年を選ぶと確信していたよ」


ゲーマスが俺の問いに自信ありげに答えてくる。


どうだと言わんばかりのドヤ顔がウザイ。


「あぁ分かったよ、その贈り物を貰おう。ただしあとで金は払うからな、俺は借りを作るのはあまり好きではない」


「ふふっ、それもわかってるよ。だけど今は支援が必要でしょ、何ならついでにそれなりの武具も付けようか?」


「いや必要ない、あと必要な物は自分で揃える」


「そうかいアルスがそう言うなら……おや、キミまだいたのかい」


「ぁ…………ぃぇ……ぁ……」


少女は震えている。


「アルスの望みはキミじゃないんだってさ、残念だったね。ん?なんだいその顔は、処女の癖にもうアルスに抱かれる気だったのかい?」


ゲーマスは少女に近寄るとその長い髪を左手で掴む。


「おまえなんかがアルスの寵愛を受けられるとでも思ったのかい?その資格があると?」


更に激しくつかむと上へと持ち上げる。


「……ヒッ……痛っ……」


「だまれ、奴隷が勝手に口を利いていいと思ってるのか?」


何かの効果なのだろうか、少女は口をパクパクするだけで一切声にならない。


「っと、こんな風に奴隷から声を奪うなんてことも出来る」


「あぁそうだ、良い機会だがらアルスに奴隷への命令に対しての強制力について教えておこうかな。実際に見てもらった方が早いと思うし」


ゲーマスが少女へと近付き隣に並ぶ。


「奴隷はこの首輪、服従の首輪の効果で主人に対しての危害を加えることができなくなり命令にも逆らえなくなる。……アルス見てて」


ゲーマスが懐からナイフを取り出すと少女の下腹部から身体を伝うように上へと這わせる。


薄いベールは切り裂かれ白い肌が見え隠れする。


「こんな風に恐怖は感じていても私の命令1つで声を出すことも逃げ出すことも出来なくなる、更にこうやって……」


「……!?…………!!」


ゲーマスのナイフの刃が俺の目の前でゆっくりと少女の腹の中へと吸い込まれていく。


「見てよアルス、ナイフを突き刺しても悲鳴ひとつあげることもできないのさ、どうだい?興奮しないかい?」


腹を縦に裂きながら興味を失ったのかその場に倒れる少女を無視し、ゲーマスが笑いながら俺に聞いてくる。


「……勿体ないことをするな馬鹿、それはお前の物だがタダじゃないんだろ」


奴隷で処女ならそこそこの金額で取引される商品だろう、それを半ば自分の欲求のためにゴミにするなんて商人としてはどうなんだよ。


「勿体ないか、ふふ、やっぱりアルスは面白いなぁ。」


何が面白いだ、ゲーマスのツボはよく分からん、やはりあいつは異常だ。


ゴミのように棄てられた少女をバトラが処理していく。


「とりあえずこいつらは貰っていく、あとまだ何かあるか?」


「血の契約をして主人の変更をするくらいかな、それはこの場で出来るしあとの処理はこちらでしておくよ」


やること増えたし、さっさと舘を出たい。


「アルス……またお茶に誘っても良いかな?」


「暇なときならな、俺忙しいから」


「その時はアルスがやったこと全部教えてね、絶対だよ」


俺は冷たくなった紅茶を飲みながら今日の予定について思案する。





土日投稿したかったのにゲーマスの描写に悩んで投稿間に合いませんでした。


今回はこれがゲーマスだという話ですね、奴隷を手に入れた主人公は次回何をするのか?


月曜引っ越すので次回月曜か火曜投稿予定。

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