街・図書館
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図書館回きました。
やっとですね、今回の
ラストは結構気苦労しました。
なかなかペンは進まなかったんですが
いっしょうけんめい考えたので
かんそう、よかったらお待ちしてます♪
俺は今、図書館へと向かって歩いている。
今朝は少し肌寒いのでフード付きマントが手放せない。
春が終わると夏になるのだろうか、記憶を探ってみると四季はあるにはあるらしいがこの辺の地域はそこまで温度変化が激しいわけでもないようだな。
フード付きマントを買ってからずっと着ている気がする、一年中着ていたい。
またあの服屋で同じ物を買うか。
そういえば昨日の夕食に食べた川魚は旨かったな、日本ではファーストフード とコンビニ弁当が中心だっただけにただの塩焼きの魚があんなに旨いとは知らなかった。
魚の名前なんだったかな?聞いたけど忘れちまったな。
魚も旨かったが、ラズベリの実のデザートも中々だった。
余分に取ってきてた分を女将にやったら喜ばれた。
あんなんでそんなに嬉しいのか?
俺には分からない。
デザートはバナナみたいなやつが輪切りにされていて、その上にラズベリの実のソースがかかっただけの簡単なものだったが甘酸っぱくて旨かった。
あぁそういえばケインにまだ手紙を送ってなかったな、旅立つとき金も貰ったことだしケインにはラズベリの実でも一緒に送ってやるか。
いや待てよ、ラズベリの実の皮はかなり柔らかったな。
馬車なんかだと送ってる途中で潰れるか。
何か良い食い物あったかな~。
そんなことを考えながら歩いていると図書館に着いた。
建物の大きさは公民館とかそのくらいの規模か、さすがに市営の日本の図書館クラスとかはないな。
まぁ街の図書館ならこんなものか。
扉を開けて中に入る。
古くさい本屋独特の匂いがする、あと少し暗い。
入ってすぐ左手に受付らしきところがある、とりあえず行ってみるか。
「おはようございます、図書館のご利用ですか?」
手元の本を閉じると、眼鏡をかけた女が顔を上げて聞いてくる。
「はい、そうです」
「何か身分証のようなものはありますか?」
冒険者カードを渡すと水晶玉のようなものにかざし、無事終わったのかカードを返される。
あの水晶玉、似たようなやつをギルドでも見かけたな。
タヌコが操作していた物に似ている。
「図書館の利用金額は1時間毎に500G、本の貸し出しは行っていません、またこちらが悪質な利用者と判断した場合退出処分となりますのでご注意下さい」
貸し出しはしてないのか、いくつか質問してみたら複写はOKらしいので今度は紙と鉛筆を準備してくるとしよう。
タイムカードみたいなのを渡されて中へと通される、入室時間が記入されている、料金は後払いシステムだな。
結構蔵書数も多そうだ、反対に利用客は少ないようだが。
手前に椅子とテーブルが置いてあって読むスペースなのだが俺含めて5人しかいない。
午前中だからか?
俺以外は全員女か。
まぁ街の本道からは一本外れていたし、男で本を読むやつは少ないのかもしれない。
図書館って人気がある場所でもないしな。
日本にいるときも図書館なんて数回しか利用したことなかった。
とりあえずゴーレム関係の話題が載ってそうな本を探す。
数十分かけてそれっぽい3冊の本を見付けた。
【神から与えられし恩恵〜スキル~】
【土魔法解説書〜中級編〜】
【俺のゴーレム】
スキル全般の意味で1冊目をゴーレムって土魔法とも呼べるよなと思って2冊目を、題名がド直球だったので3冊目をチョイスした。
さっそく【神から与えられし恩恵〜スキル〜】から読んでいく。
かいつまんで内容を話すと、スキルは神様から選ばれた僅かな者だけに現れる不思議な力で貰えれば凄くラッキー、有名どころでいうと勇者や大魔法使いと呼ばれる人達はほぼスキル持ちだったらしい。
これって勇者や大魔法使いにスキルが与えられるんじゃなくて、スキル持ってたやつが勇者や大魔法使いになったって方が圧倒的に多いんだろうな。
スキルなかったら俺も今ごろ低レベルで必死にもがいてるか、ポロっと死んでそうだし。
読み進めても残念ながらゴーレムについて詳しいことは載っていなかった。
スキルについての大まかな説明や過去にスキルを持った勇者なんかがその土地から魔物を追い払ったとかそういう類いの話だった。
気を取り直して2冊目の【土魔法解説書〜中級編〜】を読む。
パラパラ読んでいたら面白い記事を発見した。
なんと土魔法でもゴーレムを作れるらしい、詳しい解説が載っている。
読み進めていくとどうやら土魔法で作るゴーレムはゴーレムメイカーで作るゴーレムと一緒で半自動型ではあるが作成時に魔力を消費したあとも常時継続消費らしい。
ゴーレムメイカーならば最初に作成しておけばそれでMP消費は止まるが作成時と時間によって継続消費となると相当早く魔力が枯渇しそうだ。
2体出せば消費魔力スピードも2倍になるらしいからな。
やはりゴーレム作成時に消費しているのは魔力で間違いないようだ。
ゴーレム自体の強さの比較は分からんな、対象がいないし。
ただ、記事の中には身長2mとある。
俺のゴーレムは3mなので身長の高さに違いがある、以前ゴーレムの身長を変えられないかと色々試してみたが無理だった。
高さをイジるには何か条件があるのか?
それとも変更できないのか、ただ記事を見る限り土魔法のゴーレムはある程度の魔力を消費してイジれそうなんだよな。
職業ゴーレム職人でゴーレムメイカーなんていうスキル持ちの俺が作るゴーレムが、土魔法のゴーレムより弱いなんてふざけた冗談はないだろう。
いやマジでないよね?
また色々実験するか。
あの頃に比べてレベルも上がったし何か変化があるかもしれない。
他のページは普通に色々な土魔法の解説だった。
今の俺には必要ないな。
土魔法使えないし。
さぁ最後に残ったのが、この【俺のゴーレム】だ。
これは完璧ヒットだろう、ストレート過ぎる。
俺は興奮を抑えながら本を開くと文章を目で追う。
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あぁゼロス……なぜお前は俺を置いて戦地へと赴いてしまったのだ。
ゼロスの事を想えば想うほどこの身は恋に焦がれ荒れ狂う。
周りには俺のこの気持ちを隠しているが最近隣に住むラザニスから絡み付くような視線を感じる。
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ん?ゴーレムの本だよな?なんか思っていたのと違う気が……
ページをペラペラとめくっていく。
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ラザニスは無理矢理俺の手足を縛り付ける。
すると荒々しい手付きでズボンに手を掛けズリ下げると俺のゴーレムを(ry
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アーッ!アァァァァァァァァ!!
クソッふざけんな、なんてモノを置いてんだこの図書館は!!
「館内ではお静かに!退出処分にしますよ!!」
うぅクソ、思わぬ奇襲をくらって取り乱してしまった。
何か目眩がするな、今日はもう帰るか……
受付でサッサと支払いを済ます。
受付の女が読んでる本が目の端に写る
。
その日は帰ってすぐ寝た、寝起きも爽快な気分だ。
昨日読んだ3番目の本の存在と受付の女が読んでた本のタイトルだけは俺の心の奥に封印されて2度と思い出すことはなかった。
やってやったぜ♂
一応前書きで皆さんに注意はしてました、前書きの段階で隠されたそれに気付けた人は中々目の付け所がSHARPですね。
今回はゴーレムについての確認を土魔法を登場させてやってみました。
ゴーレムの身長については次回以降の実験結果待ちですね。
次回は息抜きの買い物回を、そのあとクエスト回を入れる予定です。
近いうちに物語の時間を飛ばします、主人公がある準備をするためです。
そこからまた新しい展開になると思います。
修正に関してなんですが、一話に主人公の生い立ちについての描写を入れています、なぜ主人公の性格がこうなのか、なぜそこまでするのか。
そこのところを入れました、私はキッカケさえあれば人間はどうにでも変化してしまうものだと思っています。善くも悪くもです。
一話に書いたのもどれがキッカケかなんて誰にも分かりません、たた分かりやすい提示をしたまでです。
勿論そういった方々を卑下するようなものではなく、あくまでフィクションであり実際のかたとは全く関係のないことをご理解下さい。
あと物語とは関係ない話なんですが来週引っ越します!
新天地気合いが入ります。