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森・クエスト

ここ2日でものすごく順位が上がった気がします。


おかげさまで日間ランキング2位になれました、お気に入り登録・コメント・評価など本当にありがとうございます。


ただこれは皆さんからの一時的なご祝儀みたいなものだと思うので、この結果に胡座をかかず、いかに面白いものを書けるか少ない脳みその中から捻り出して書きたいものを書いていこうと思います。



あと、今回クズ成分が今までの話より少し高いかもしれません。


不快に思われる方はご注意ください。



俺は森の中を歩いている。


ギルドを出たあと門をくぐり抜け街道を行かずにすぐ森に入ったのだ。


森に入る前、街の入り口であの糞門番を見付けた。


こちらはフードを被っていたので向こうは気付いてないみたいだったが、俺はお前の顔を忘れたりはしないからな。


いつかギャフンと言わせたいと思う。


もういいかな。


街を出て15分程歩いた、街道からは斜めに離れていってる状態なのでそろそろいいだろう。



━━━━━━ゴゴゴゴゴ━━━━━━



2体のゴーレムを作成する。


体から何かが抜けていく。


やっぱりこれが魔力が体から抜けるってことなのかな。


多少フラっとしたが、もう大丈夫だ。


何度経験しても心地のよいものではない。


昨日はゴーレム出してなかったからな、MPは満タンだったはずだがどうだろ?


内ポケットに入れていた冒険者カードを取り出す。



名前:アルス

Lv : 26

職業:

最大HP180

最大MP280

力180

身の守り150

素早さ300

器用さ400


スキル:



あぁそうか最大MPしか表示されないのか、現在のHPやMPが表示されれば更に便利なんだけどな。


スキルなどを消す効果はきちんと発動してるようだ。


3体目を出すにはまだレベルを上げなければダメだろう。


街だと村と違って森に入る冒険者がいるから、中々自動レベル上げはしにくいんだよな。


ゴーレム放してたらすぐバレるだろうし、まだ目立ちたくない。


街の付近なら寄ってくる魔物も比較的弱いからまだいいが森の中を進むほど強い魔物も出てくるからな。


おっと前方で何か魔物が出たようだな。


先頭のゴーレムが構えて動き出す。


ジャンプして突っ込んでいった一角ウサギをゴーレムの殺人フックが迎え撃ってる。


あぁやっぱりワンパンでカタがついたか、一角ウサギは殴り飛ばされ木にビターンってなって地面に落ちてる。


即死だろう。


近付いていって蹴りをいれ死んでいるのを確認してから、角だけナイフで取る。


肉は放置だな、ラズベリの実も採取しなければいけないしリュックに余裕はない。


再度ゴーレムたちに命令して前へと進む。


街から離れる毎に魔物とのエンカウント率も上がっている気がする。


幸いなことにまだ冒険者らしき者達とは遭遇していない、街道からはだいぶ離れているしこんな森の中で人と遭遇するなら冒険者くらいのものだろう。


かれこれ二時間ほど歩いている。


まだラズベリの木のある場所には着かんのか。


いい加減代わり映えのしない森とゴーレムのリンチを見るのは飽きてきた。


素材回収も面倒だ。


ん?これは……!?


微かに甘い香りがする。


香りの方向へと走る。


おぉこれがラズベリの木か。


ラズベリーってたしか低木で低いところに赤い実がなると思ったけど、こっちのラズベリってのはかなり高い位置に実るんだな。


ラズベリの木の高さは3m超えで、目的の赤い実は枝の先に実っている。


ただ一番違うのは実のデカさか、下から見上げて確認しただけでもミカン位の大きさに見えるんだが。


ラズベリーってたしか親指の先位の大きさだったよな……で、こっちの世界のラズベリだとアレか。


この世界ってやっぱファンタジーの世界なんだな。


とりあえずクエスト達成のためにラズベリの実をゲットするぞ。


ゴーレムの肩に乗れば悠々届く。




……これもう巨峰だろ。


粒々一つずつが大きくて赤い、まるでラズベリーの巨峰版か。


ラズベリの実を触ってみるがかなり柔らかいな、下手に衝撃を与えればすぐに潰れてしまいそうだ。


かご一杯なら、こんくらいでいいか。


4房でかご一杯になった。


旨そうな匂いだし別で少し持って帰るか。


宿屋の女将に頼めば何か作ってくれるだろう、最悪ジャムにはなるみたいだし。


ラズベリの実を袋に入れるとリュックに仕舞う。


今回はクエスト目標ということで採取しているが、事前にタヌコに聞いたところラズベリの実自体の買い取り額は安いらしいので積極的に取りたい物ではない。


今回余計に取ったのは気が向いたからだ。


今後好き好んで持って帰ることはないな。


クエストに関してもまぁレッドベアー討伐のついでの小遣い稼ぎ程度か。


今のところレッドベアーの影はない、本命はあっちなんだがな。


そう思ってたら先頭のゴーレムが動き出した。


おぉヒットか!?


ラズベリ採取は済んだので安全のためゴーレムから降りる。


さすがに身体能力の上がっている俺でも何かの拍子で3mの高さから落ちれば、打ち所によっては怪我する恐れがあるからな。


ラズベリも潰れるだろうし。


そういえばタヌコに聞いたがレッドベアーって意外に強い部類の魔物らしいな。


先のゴーレムを見るとレッドベアー3体と戦っている。


2mの熊3頭 vs3mのゴーレム、こりゃ怪獣大戦争みたいな迫力だ。


まぁ実際の戦力差から見ればちびっこ相撲にやって来た幕内力士みたいなものか。


ワーワー言って力士に群がるちびっこたち。


ただ現実は優しく転がすとかではなくパンチやキックをくらってボコボコにされているが。


レッドベアーたちの動きが鈍くなってきたな。


ゴーレムは淡々と容赦なく殺しにかかっている。


レッドベアーも頑張っているが時間の問題だろう。


俺は護衛のゴーレムと観戦モードだ。


ということで、暇なので私アルスが実況解説を行いたいと思います。


さぁ戦いはワンサイドゲームといった状況です。


おぉっと、ゴーレムの殺人チョップにレッドベアーの膝が沈むー!


そこですかさずレッドベアーの顔をゴーレムが掴む、あれはっ!出たッッーアイアンクローだ!!


そのままレッドベアーが空中に持ち上げられるぅぅ!


もがくレッドベアー、びくともしないゴーレムさぁどうなるレッドベアー!


残りのレッドベアーたちも攻撃を加えているが全くゴーレムには効いていない!


そしてそのままゴーレムのアイアンクローが無慈悲にもレッドベアーの命を刈っていくぅぅぅ!!


これはもう決まってしまったか。




実況解説って疲れるな、馴れないことはするもんじゃない。



てか、よく考えたらアイアンクローで頭潰れなくてよかったな。


さすがにグチャグチャの頭部から赤い宝石を探したくはない。


あ、終わったか。


レッドベアーの方も片付いたようだし、早速回収回収っと。


ゴーレムにレッドベアーの死を確認させ死体を集めさせると額をホジホジする。


尻尾はナイフで切って3つ纏めて袋詰めにしリュックに入れる。


さて、暗くなるまでには帰りたい。


撤収するとしよう。






━━━━━━ドゴン━━━━━━━━




何か凄い音がした。


何の音か分からない、衝撃音だろうか?


森の奥から聴こえた。




行くべきか行かざるべきかで迷う。


もしレッドベアーならば金になるので倒したい、ただレッドベアーだとは限らない上にその場がどういった状況かも分からない。


迷ったが確認しに行くことにする。


邪魔になるリュックとカゴはその場に置いていこう。


ゴーレムと一緒に行くと音と姿で気付かれる可能性が高いのでその場に待機させ森の奥へと進む。


心なしかラズベリの香りが強くなった気がする。


身を屈め警戒しながら音のした方へとゆっくり進んでいく、段々音も大きくなってきた。


誰かが争っているのか?


林に隠れながら様子を伺う。


どうやらレッドベアーと人間が戦っているようだ。


おそらく冒険者だろう、3人で1体のレッドベアーと戦っている。


ただ、状況は冒険者側が劣勢のようだ。


いや、元々4人だったのか。


手前の木の根本に一人転がっているのが確認できる。


遠目で見る限り傷口からの出血具合が酷く、死んでいるのか動きはない。


レッドベアーの爪を食らったのか、先程の音は飛ばされて木にぶつかった衝撃音だったのだろう。


依然戦闘は続いているがありゃ無理だな。


冒険者達の鎧は傷だらけで剣もボロボロ、おまけに腰も引けている。


あれじゃもう勝てないだろう。



俺はジッと観察する。



今すぐゴーレムを呼んで命令すればレッドベアーは難なく倒せる。


ただそのためにはゴーレムの存在を見ず知らずの者に曝す必要がある。


しかも同業者だ、場所から考えても同じギルド支部だろう。


冒険者達にレッドベアーが襲いかかる。


あの冒険者達は信用できるのか?


俺の秘密を開示するほどに意味のあることなのか?


俺にとってあいつらの存在に何の意味があるんだ?






レッドベアーの爪に切り裂かれ名も知らない冒険者が倒れる。


逃げようとして転んだ男と立ったまま茫然としている男、残った2人に既に戦う意思は残っていない。


だがレッドベアーの爪は振り下ろされ男達の肉を切り裂き、その牙は肉を喰いちぎる。


断末魔の悲鳴を聞きながら、俺はただそれをジッとみていた。






この11話は話しの展開をいくつか考えていて結果この展開にしました。


冒険者を見捨てるような結果になりましたが、皆さんなら同じ状況で助けるでしょうか?あの状況、冒険者の状態、主人公の秘密、性格ではどうしても助けるビジョンが見えませんでした。


勿論勇者や他の何者にも負けない俺最強系主人公なら助けるんでしょうが。


遠くからゴーレムだけ派遣して助けるという選択肢も考えましたが、それすると確実にゴーレムがギルドで話題になりますよね……


この主人公の性格で書いているとき行動を選択したときに起こるリスクというものを頭のなかに常にいれながら書いています。


次回は図書館回を予定。


投稿は明日か明後日予定です。


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