表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/19

乗っ取り

前書いていた小説を三人称から一人称に改変、ストーリーもかなり変わっています。


主人公はクズよりの性格ということをご了承の上ご覧ください。








「うっ……イテテッ……」


「クソッ、あのババア!!」


地面に手をつき立ち上がる。


「あ、あれ?俺死んだかと思ったけど……??」


道を歩いていた俺はどっかのババアの運転ミスの交通事故に巻き込まれ死んだかと思った、いやあのスピードで車に轢かれたんだから間違いなく死んでただろう。


ただ、俺は無傷で今立っている。


何をいってるか分からないだろうが俺自身意味がわからない。


周りを見てみたが目前に墓があり、あとは森と古くさい民家が少し遠くに見える。


どうやらここは村のはずれの墓地?のようだ、さっきまで歩いていた渋谷では確実にないだろう。


そこで頭の中を整理してみる、結論からいえば異世界転生というやつがどうやら自分に起こったらしい。


なぜそう思うかといえば、知らない場所だと思っていたのにこの世界、ランドールでの記憶があるからだ。


異世界転生自体はファンタジー小説などでよく見かけるものである。


ただあくまで本の中だけでの話しで普通に考えれば転生なんてありえない、人は死ぬとそれで終わり。


そう思って生きてきた。


ただこの見知らぬ場所と知らない記憶が自分にあるってことはそういうことなのだろう。


理由はわからない、ただ文字通り第二の人生を歩めると喜ぶべきか。


少し思い出そうとすれば頭の中にはこの肉体の持ち主であろうアルス君の記憶が沸いてくる。


それは兄や家族との思い出から、ランドールでの通貨や言語といった一般知識まで思いのままである。


家族構成など簡単に頭の中を探ってみる。


げっ、父親村長かよ。


まぁ貴族とか王に比べたらランク的には雑魚だけど奴隷とか一般人よりはマシか。


他にアルス君の情報はどうかな。


ん?アルスの母親は3日前に死んだのか。


ふむふむ、母シルフィーヌは元冒険者だったが村を襲ってきた魔物達から村人を庇って戦死?村人たちからは感謝されてる?


馬鹿じゃん。


俺には理解できない。


リスクを侵してただの村人を庇うってのも有り得ないが庇っといて自分が死ぬとか本当最低限の仕事だよな。


村としてもたかが村人一人失うより元冒険者を一人失う方が被害は大きいだろう。


まぁ同じ状況になったら俺は村人を盾か見殺しにするし、倒せないならその隙をついて逃げるな。


だって死んだら終わりじゃん、俺はなぜか生きて転生したけど多分かなりレアな確率だろコレ?


元は日本人だったけど、別の体を俺が考え動かしてるってことは転生というより憑依に近いな、憑依転生みたいな。


つまり他者の体の乗っ取りだ。


少し頭の中を探ってみたがアルスとしての意識はどこにも見当たらない、俺が入ったために吹き飛んだのか?


元の世界の俺は26歳だったのでこの16歳の身体は動きが軽い、顔のイケメン具合も後でチェックしなきゃな。


まぁ気の毒だが元いたアルス君には諦めてもらおう。


本当に 気 の 毒 だ。



ふと辺りを見回したあと再度記憶をさぐる。



やっぱりここは村の外れか、とりあえず家に帰るか。


「おーい、アルスー!」


村の方から声が聴こえ後ろを振り替えると誰かが手を振りながら走ってくる。


誰だあれ?ふむ……あぁ兄貴のケインか、とりあえず適当にアルスのふりでもしとくか。


「兄さん、どうしたんですか?」


ケインが目の前までやってくる。


「探したんだぞ、ダメじゃないか一人で出歩いちゃ」


「ごめんなさい……」


「まだ付近に魔物の生き残りがいるかもしれないからな、さぁ家へ帰ろう」


秘技!勝手に家を抜け出して怒られシュンとする弟!!


元々兄弟なんていなかったから、なんとなく演技してみたが、バレていないようだな。


ケインに手を引かれ家へと歩く。


俺が16でケインが18か、2年早く生まれたくらいでこの兄貴面かよ。


あぁ一応血は繋がってんのか。


お?よく見るとケインって目鼻立ちもスッとしていて中々イケメンだな、こりゃ弟のアルスも期待できそうだぜ。


少し歩いて村に入ると村人達が目に入る。


どいつもこいつもシケたつらをしてやがる、あんなシミったれた顔なら魔物も負のオーラに引き寄せられてきそうだな。


おっ、家に着いたか。


日本にいた頃はアパートに一人暮らしだったけど思ったよりデカイ家だな、さぁいざ行こう我が家へ〜。


「おかえりケイン。アルス勝手に出掛けてはいけないと何度言ったらわかるんだ、お前はいつもそうやって私の手を煩わせる!!」


父親ウォルスが声を荒げるている。


ちっ、うるせぇなこの親父。


親ってこんなにウザいものなのか?


俺は施設で育ったから親の顔なんて知らないし兄弟もいないから分からねぇ、ただこの親父は施設にいた頃に俺を殴ってた園長にソックリだ。


大体なんだその高圧的な態度は、お前はヒステリックババアかっつーの。


それに、そんなに言うならお前が探しに来いやこの口だけ村長。


記憶を探ってみるとどうやらヴォルスはアルスに対して怒鳴り散らしてばかりらしい。


あぁ記憶を探るに長男がいれば村長の家系は安泰、邪魔な次男は不満の捌け口ってわけだ。


俺は口も悪いし考え方も曲がっているがナメられるのだけは我慢ならねぇ。


そういうことなら相手になってやるぜ。


親父がその気ならこっちにも出方がある。


明日から忙しくなるな。


ヴォルスの叱りを受けながら俺は考え事をする。



細かい部分を修正。


追加で主人公の生い立ちに天涯孤独、施設育ちというものを追加しました。


ただこれはあくまでそういった方々を卑下するものでなく設定上のもの

フィクションだということをご理解下さい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ