第55話「母親公認の逆光源氏計画」
大陸歴 2791年 7月 / エヴェリン王国 王都リュミエール カフェ・ド・ルミエール / アルーシャ・リリヤスカ(トルヴァード連邦 外務大臣)
「はぁ……」
王都の大通りに面したオープンテラスのカフェ。 私は、極上の紅茶の香りも楽しめず、本日三度目となる深いため息をついた。
目の前の通りを、壮年の男性が女性と腕を組んで歩いていく。 エヴェリン王国では当たり前の光景。当然人数そのものは少ないが男性が太陽の下を堂々と歩き、カフェで笑い合っている。私の国(トルヴァード連邦)では考えられない、楽園のような景色だ。
「目の保養にはなるけれど……見るだけじゃ、お腹は膨れないわ」
私は頬杖をついて独りごちた。 昨日のシュミットハウゼン商会での会談は、外交的には大成功だった。 ドラコニア帝国とエテルニア大帝国という二大陣営の狭間で、エヴェリン王国を中継地点とした交易ルートを確立する。その調整役として、私が「炎盟側の窓口」となることが決まったのだ。 これで私の発言力は増し、エヴェリン王国に滞在する口実も強固になった。
さらに、ルシラ商業大臣との約束通り、これから選抜される「侍従見習い」の少年たちへのマナー講師や、他国の歴史を教える外部講師としての仕事も回してもらえることになった。
「でも……よくよく考えたら、エヴェリンの母親たちが、モリガノン出身の私に息子を触らせるわけがないわよねぇ」
昨日の興奮が冷めた今、私は冷静な事実に直面していた。 講師といっても、きっと教壇から話すだけ。ボディタッチなんてもってのほか。下手をすれば、「あの女に近づくんじゃないわよ」と母親や騎士団が目を光らせる監視付きの授業になるだろう。
「健全すぎるわ。……私に必要なのは、もっとこう、密接で濃厚な異文化交流なのよ」
私は通りを行く男性たちを目で追う。 若いツバメも魅力的だけど、先日のパーティにいた儀礼官のようなダンディーなおじ様も悪くない。いや、もうこの際、男であれば誰でもいい。だいぶ年上のおじさんでも、お子ちゃまであっても、男というだけで価値があるのよ。
「どこかに素敵な出会いはないものかしら。……もう、枯れてしまいそうだわ」
私がため息をついていると、向かいの席に影が落ちた。
「幸せが逃げますよ、アルーシャ様」
顔を上げると、友人のマレラ・デルマールが呆れた顔で立っていた。彼女は元外交官の船長であり、私の良き協力者だ。
「あら、マレラ。何の用? 私はいま、人生の虚しさを噛み締めているところなの」
「そんな顔で街行く男を品定めしている外交官がいるもんですか……。仕事の話です」
マレラは席に座り、声を潜めた。
「貴女がドラコニア側の交渉窓口になるという話と、子供たちに対しての外部講師を引き受けた話……。すでにエヴェリンの上層部では共有されているらしいですよ」
「あら、仕事が早いわね」
「その話を受けて、ある貴族から伝言を預かっております」
マレラは私の目を見て告げた。
「エヴェリン王国伯爵、リンディス・ヴェルダント。……貴女に会いたいそうです」
「ヴェルダント……?」
私は記憶を検索する。 確か、軍閥の貴族だ。武闘派で、上昇志向が強い野心家だと聞いている。
「軍人の伯爵が何の用かしら? 私、堅苦しい話や筋肉自慢の女との会話は趣味じゃないのだけど」
私は気乗りしない声を出した。軍人は禁欲的なのが多いし、話が通じないことが多い。接点なんてなさそうだ。
「断ろうかしら。今はそれより、街での物色……いえ、視察の方が忙しいし」
「そうですか? もし面会できるなら、自慢の『一人息子』を連れてご訪問させていただくと仰ってたのですが……」
「!」
ガタッ! と椅子を鳴らして、私は身を乗り出した。
「それを先に言いなさいよ! マレラ!」
「貴女なら食いつくと思いましたよ」
「当たり前でしょう! いつでもOK、ウェルカムよ! いや、むしろこちらからお伺いするわ! 明日……いいえ、今からでも!」
「落ち着いてください。鼻息が荒いです」
マレラに窘められ、私はハンカチで口元を拭った。 一人息子。それはつまり、この国でも希少な「貴族の男の子」だ。軍閥の貴族が大事に育てている息子となれば、きっと礼儀正しく、凛々しい少年に違いない。
「分かったわ。明日の午前中、こちらから屋敷に伺うと伝えてちょうだい」
「やれやれ。……分かりました」
マレラは苦笑して立ち去った。 私はルージュを引き直しながら、ニヤリと笑った。 何の用かは知らないけれど、可愛い男の子に会えるなら、どんな面倒事でも聞いてあげるわよ。
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翌日の午前。 私は王都の一等地にある、リンディス・ヴェルダント伯爵の屋敷を訪れていた。
「……なるほど。家は体を表す、ね」
馬車から降りた私は、目の前の屋敷を見上げた。 華美な装飾は少なく、石造りの堅牢さが目立つ。庭木も綺麗に剪定されているが、花よりも実用的な樹木が多い。質実剛健。堅実そうな貴族の屋敷だ。
「ようこそおいでくださいました、アルーシャ様」
出迎えた執事に案内され、応接間に通される。 ほどなくして、扉が開いた。
「待たせたね。リンディス・ヴェルダントだ」
現れたのは、軍服に似たカッチリとしたドレスを着た女性だった。小柄だが、全身から放たれる覇気は鋭い。いかにも「できる女」という雰囲気だ。 そして、その横には――。
「……ご挨拶なさい、テオラス」
リンディスに促され、彼女の背後に隠れるようにしていた小さな男の子が、おずおずと前に出てきた。
「は、初めまして……。テオラス・ヴェルダントです……」
(まぁ……!)
私は扇子で口元を隠し、感嘆の息を漏らした。 年は6歳くらいだろうか。色素の薄い髪に、大きな瞳。今は緊張で顔を赤くしているが、その立ち居振る舞いには育ちの良さが滲み出ている。 何より、その瞳だ。怯えているようでいて、しっかりと私を見ている。
「あら、小さいけどしっかりしたお子さんね」
私がにっこりと微笑むと、彼はさらに顔を赤くしながらも、ペコリと綺麗なお辞儀をした。
「よ、よくいらっしゃいました、アルーシャ様。……お綺麗ですね」
(……あら? お世辞も言えるの?)
「ふふ、ありがとう。お利口さんね」
6歳にしては、かなり頭が回る子のようだ。ただの子供ではない。
「座ってくれ。……こちらから会いたいと言っておきながら、ご足労をおかけして申し訳ない」
リンディスが席を勧め、私たちは向かい合った。テオラスはリンディスの隣にちょこんと座り、大人しくしている。
「いいえ、構いませんわ。それで、本日はどのようなご用件で?」
「まずは、ドラコニア側のまとめ役への就任、おめでとう。それに、子供たちへのマナー講師も引き受けてくれたと聞いた。アウローラ様からも、貴女になら任せられると伺っている」
リンディスは形式的な賞賛を口にした後、すぐに本題に入った。彼女の瞳が、スッと細められる。
「実は……このテオラスが、ヒイロ様の『側仕え』として認められたのだ」
「……!」
私は表情を引き締めた。 それは、とんでもなく重要な情報だ。 ヒイロ王子。Sランクの魔力と『Holy(聖)』のWordを持つ、今や世界の注目の的。
(その側仕えに選ばれたということは、この子はこの国でも屈指の有望株と言うことね)
「それは……おめでとうございます。素晴らしい名誉ですわね」
ヒイロ様は女王の第五子であり、王位を継ぐことはない。だが、その重要性は国王以上だ。その側近になるということは、将来この国の心臓部を担うということだ。
「ああ。……他にも、ダリア侯爵の息子、アルトリウス殿も選ばれた。彼とテオラス、この二人がヒイロ様の傍に仕える近しい年齢の男性となる」
アルトリウス。顔見世パーティで見かけた、あの凛々しい剣士の少年だ。
「アルトリウス殿は立派な男騎士になられるような雰囲気でしたね」
私がそう言うと、リンディスは深く頷いた。
「うむ。彼は間違いなく『近衛騎士』のような、ヒイロ王子を物理的に守り、兄のように導く役割になるはずだ。……ダリア殿の教育の賜物だろう」
「……では、テオラス君は?」
私が水を向けると、リンディスは腕を組んで唸った。
「そこだ。……どう育てるべきか、まだ決め切れていない」
リンディスはテオラスの頭を撫でた。
「この子は魔力量がAランクだ。頭も良い。秘書官でもいいし、魔法省の研究員として支える道もある。侍従として身の回りの世話をするのも良いだろう。……だが」
(魔力量Aの貴族男子!!)
私は扇子で口元を隠しながら、内心で叫んだ。
(超優良物件ね! Aランクなんて、誰もが欲しがる男になるわ。そりゃ将来の道も選択肢が多くて迷うはずだわ)
リンディスは私を真っ直ぐに見据えた。
「私は、この子に一つだけ、絶対に身に着けておいてほしい能力があると考えている」
「それは?」
「……『女性と有意義な魅力的な交流ができる、能動的で社交的な男性』になることだ」
予想外の言葉に、私は目を丸くした。 軍人である彼女から、そんな軟派な育成方針が出てくるとは……。もう一歩踏み込んで聞くべきね。
「具体的には?」
「ヒイロ様は、これから多くの女性たち――各国の王族や貴族、有力者たちに囲まれることになる。アルトリウス殿のような『硬い』魅力だけでは、場が持たないこともあるだろう」
リンディスはこちらの様子をうかがいながら語った。
「もし、ヒイロ様の傍に、女性なら誰もが溜息をつくような、洗練された魅力を持つ男性が控えていたらどうだ? 敵対する者も、交渉に来た者も、まずはその男性に近づきたいと思うはずだ」
「……なるほど」
私はゴクリと唾を飲み込んだ。 それは、「ハニートラップ」なんて安っぽい言葉では括れない。 魅力的な男性を「窓口」にすることで、相手のガードを下げ、ヒイロ王子への敵意を好意に変えさせる。最強の力だ。
「そんな男の子が傍にいたら……だれだって味方になっちゃいますわね」
私はテオラスを見た。この可愛らしい顔立ち。将来、絶世の美男子になる素質は十分にある。
「でも、なぜその話を私に? エヴェリンにも魅力的な男性……エリオン様がいらっしゃるでしょう?」
「エリオン様は素晴らしい。だが、あの方は『王配』だ。女王陛下の夫として、一歩引いて支える慎ましさが求められる」
リンディスは首を横に振った。
「私がテオラスに求めているのは、もっと能動的で、社交界の華となり、女性たちが望む交流を提供できるような……そんな力だ」
彼女は身を乗り出した。
「そう考えた時、真っ先に思い浮かんだのが……貴女の祖国、モリガノン王国の王弟、 イリヤ・ヴァレリエヴィッチ 様だ」
その名を聞いた瞬間、私の脳裏に鮮烈な記憶が蘇った。
イリヤ様。 我が祖国モリガノンが誇る、「最上位サクリファー(奉仕者)」。 モリガノンの文化では、男は全員生まれながらにして「日常生活の顔」と「女性への奉仕者としての顔」を持つようになる。 イリヤ様はその中でも最上位。ダンディーで、優しくて、どんな女性も等しく愛し、愛される天才。彼が微笑むだけで、女性たちは争いをやめ、とろけるような顔になる。
彼こそは、モリガノンの平和の象徴であり、女たちの夢そのものだ。私にとっても思い出深い理想の存在である。
「……なるほど。イリヤ様ですか」
「ああ。貴女なら、同郷のよしみで彼の人となりをよく知っているはずだ」
リンディスは確信に満ちた目で言った。
「もし、イリヤ殿のような男性が誰かにお仕えしていて、その主君と交流があるときにイリヤ殿が同席されるとなれば……アルーシャ殿、貴女ならどう思う?」
私は想像した。 ヒイロ王子の後ろに、若き日のイリヤ様のようなテオラス君が控えている。 彼は優雅に微笑み、私の手を取り、甘い言葉を囁くのだ。『我が主君のため、貴女の力をお貸しいただけませんか?』と。
「……落ちますわ」
私は即答していた。
「良い関係を築きたいどころか、その主君に全力で協力して、テオラス君に褒めてもらいたいと思いますわ」
「だろう?」
リンディスがニヤリと笑った。
「もしテオラスがイリヤ様のように皆に愛されるようになれば、それはヒイロ様のためにも、エヴェリンのためにも素晴らしいことだと思う」
「全面的に賛成ですわ」
私は努めて冷静さを装い頷いた。 だが、内心では驚愕と興奮で思考がショートしそうになっていた。
(な、な、何なのこの女!? この野心家の軍人は、一体何をしようとしているの!? 母親が。 自分の息子を。 望んで「サクリファー(奉仕者)」のような要素を持たせようというの!?)
モリガノンでは当たり前の概念だが、他国では忌避されることも多い「男娼」や「奉仕者」という生き方。 もちろん、彼女はそのままの意味で息子を春売りさせたいわけではないだろう。だが、その「エッセンス」を取り入れ、女性を悦ばせる術を武器にさせようとしているのだ。この堅物そうな母親が!
(最高じゃない……! 貴女、話が分かる女ね! 大好きよ!)
私は脳内で絶叫しながらも、顔色はあくまで平常を装い、外交官の仮面を保った。
「……だが、エヴェリンには男の子を磨き上げ、多くの女性から愛される男にするという文化もなければ、育成ノウハウもないのが事実だ」
リンディスは真剣な表情で続けた。
「そこで、モリガノンの男性を魅力的にする文化に詳しく、我が国も認める講師であるアルーシャ殿に相談したいのだ」
「……」
心臓が、爆発しそうだ。 期待で胸が張り裂けそうだ。
「私はテオラスを『女性にとって魅力的な行動のできる男性』に育てたい。……もし、アルーシャ様が指導しても良いと思ってくださるなら……理想の男性になるために、手取り足取り教えてくださらないか」
(キタアァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!)
私の脳内で、ファンファーレが鳴り響いた。
(サイコーーーーーッ! そんなことあるーーーー!? 人生最高のチャンスよおおおおおおっ!)
私が「講師になれたけどやっぱりボディタッチは無理よね」と諦めていたら、向こうから「手取り足取り教えてくれ」と頼んできたのだ。 しかも対象は、将来有望な美少年。 公式に、堂々と、自分好みの男に育て上げていいという許可が出たのだ。
(神様! アトラシュ様! モリガン様! ありがとうございます! 私の33年の苦労は、この瞬間のためにあったのね!)
私は脳内であらゆる神への感謝と歓喜の歌を歌い上げた後、極めて冷静を装って、テオラスに向き直った。
「……テオラス君」
「は、はい」
「ヒイロ様の側仕えとして、その道は最高に役立つ力になるのは確かです。ですが、男性としては大変な道のりになるかもしれません」
私は彼を試すように、少し厳しい目で見つめた。
「私の指導の中では、体が触れることもあるでしょうし、態度や話し方なども厳しく指導します。そのような訓練に、君は耐えられますか?」
心の中では、(まあ最初は接触なんて無理よね、まずは超入門編でテーブルマナーから……徐々に慣らしていって、数年後にハグくらいできれば……)なんて、気長な計画を立てていた。
だが。
テオラスは、キリッと顔を上げた。
「……僕は、ヒイロ様にお仕えすると決めました」
彼は椅子から降りると、トコトコと私の前まで歩いてきた。
「彼のためなら、本当にどんなことでもするつもりです」
そして。 彼は顔を赤らめながらも躊躇なく、ソファに座る私に近寄ってきて膝の上に座り、ぎゅっと抱き着いてきたのだ。
「えっ……!?」
私の思考がフリーズした。 温かい。小さい。そして、いい匂い。 6歳の男の子が、初対面の私に、自分から抱き着いてきた?
(この子……想像以上に逸材ーーーーーーーーッ!!)
私の頭が沸騰する。 お持ち帰りします! 今すぐ! 私の部屋に!
「……テオラスがハグをすると、女性は喜ぶと母上から聞きましたが、僕はまだ未熟です」
テオラスは私の胸に顔を埋めたまま、上目遣いで言った。
「どうか、ご指導ください」
(合格ッ! 満点ッ! 天才ッ!)
リンディスの手前、私は必死に理性を総動員して、平静を装った。鼻血が出ていないか心配だ。
「……そうですね。その覚悟があれば、大丈夫でしょう」
私は震える手で彼を優しく抱きしめ返し、そのさらさらの髪を撫でた。
「リンディス様。……家庭教師の件、謹んでお受けいたします」
テオラスが私から離れ、「ありがとうございます」と頭を下げる。 ああっ、その温もり、まだ離さないで! と叫びたいのをこらえ、私は努めて真面目な顔を作った。
「ですが、外聞もあります。表面上は、側仕えとして恥ずかしくないように、外国の知識やマナーを教えていることにしましょう」
私は二人を見回し、秘密めいた笑みを浮かべた。
「しかし、秘密裏に……テオラス君を魅力的な男にする特訓をしていきましょう」
「感謝する。受けていただいて助かった」
リンディスが安堵の息を吐く。
「まずは週に一回くらいの頻度で講義をしましょう。内容はまた考えてきますね」
こうして、歴史的な(私にとっての)契約は結ばれた。
屋敷を出た私は、空を見上げた。 これまでの全てに感謝したい気分だ。
(将来有望な男子を、私好みに育てる……最高に背徳的で魅力的で、興奮するわぁ……!)
(手取り足取り、ナニ取り教えてあげなきゃいけないわね。 いいえ、焦っちゃだめよアルーシャ。彼はまだ6歳。果実は熟すまで待つの。 成人までしっかりと育て上げて……そしたら成人のお祝いに、先生がとっておきの……むふー!!!)
「やる気満タンよおおおおっ!!」
私はスキップせんばかりの足取りで、滞在しているホテルへと戻った。
ホテルのラウンジでは、マレラがコーヒーを飲んで待っていた。 私の顔を見るなり、彼女はカップを置いて顔をしかめた。
「……何があったのですか? とても表に出せないような、締まりのない顔をしてますよ……」
「ふふふ……マレラ、聞いてちょうだい」
私はニヤニヤが止まらない顔で、彼女の周りを歩き回りながら話す。
「色々大事なことはあるけど……私にとっての最重要プロジェクトは、これに決まりだわ」
「はぁ? 何を言ってるんですか……?」
「苦節33年……私はこの役目のために生きてきたのよ。神よ、感謝します……!」
私は天に向かって祈り始めた。 マレラは「最近忙しすぎたかしら……」と呟きながら、可哀想な人を見る目でコーヒーを啜っている。
知ったことではない。 私の戦いは、これから始まるのだ。 エヴェリンの未来と、私自身の欲望のために。
有力者が幼い少女を引き取り、男性に好まれるような理想的な女性(正妻や側室候補)に育て上げることは、日本や中世ヨーロッパでも、戦略的な「教育」として存在してましたので、中世的概念ではありだと思ってます。芸妓の世界の「仕込み」なども近いかもしれません。
この世界では、エヴェリンでは母親が息子にやらせようとすると顔をしかめられるが、何かに違反しているような行為ではないというニュアンスです。モリガノン的には普通のことで、もっとハードにやってもOKなイメージで。




