真実の愛、監察対象 〜誓いの三原色 001〜
また短編連作!と内心自分に突っ込みながらの新作です。例によって世界観は過去作と同一です。
「お前を愛することはない。俺には真実の愛がいる。貴様とは仕方なく結婚してやったんだ、もっとも、三年後には子どもができなかったと言って放り出してやるがな」
結婚式の夜。煽情的なナイトウェアを着せられた私に対して、今日夫となった男はそう吐き捨てた。
「かしこまりました。夫人としての仕事は私の役割ではない、ということでよろしいでしょうか」
「馬鹿を言うなよ! アニタにそんなことをさせるわけがないだろう! お前がやるんだよ、お前が!」
アニタというのか、この男の真実の愛とやらは。覚えておく必要もなさそうだが。
「かしこまりました。社交の場にはアニタ様がお出になるのでしょうか」
「そのつもりだ。冴えない見た目の貴様よりもアニタの方が俺に相応しい。お前は邸から出るなよ、面倒くさいことになる」
「……かしこまりました」
「はっ! 物欲しそうな顔をしても無駄だぞ! 俺にはアニタがいるのだからな!!」
そう言って、夫になった男は、夫としての義務を放棄して部屋を出て行った。
――遠ざかって行く足音が完全に消えた。
ベッドの上に座っていた私は、そのまま後ろにバタンと倒れ込む。
「気持ちいいくらい予想通りね」
私、ロウェナは今日、とある伯爵家に嫁入りをした。そして夫となった現伯爵に、たった今! 三年後の離婚予告をされたのである。
「本当に失礼な男」
家から持ち込んだ着慣れているナイトウェアを着て、無駄に大きなベッドに入る。
「思っていた以上にクズだったわね。これなら遠慮しなくて良さそう」
左手の小指にはめたお守りをそっと指でなでる。
「三年、ね。もっと早めても良いんだけど」
明日からは自分の部屋で眠ろう。身の安全は確保されているけど、一人で寝た方が落ち着くわ。
そうして私の新生活は始まった。お飾りの妻だって? 別に私は飾りでもないし嘆いてもいない。
使用人は概ね協力的だった。よほどろくでもない領地経営をしているのだろう。
中には夫の真実の愛を応援している者もいたが、それもごくごく少数。しかも大手を振って支持できるようなものでもないからか、嫌がらせもほとんどなく、結婚したくせに夫に愛されない哀れな女、といった視線を向けられるのがせいぜいだった。
嫁いできて一年が過ぎた。
夫となった男と顔を合わせたのは片手で収まるほど。決裁すらも丸投げだった。元々夫に代わってサインをしていたのは家令だったらしい。舐め腐っている。
結婚後間もなく、私は変装をして外出するようになった。あの男は邸から出るなと言うだけで、実際に邸の中にとどまっているかどうかなんて気にも留めていなかったらしい。私に反抗的なふざけた使用人を解雇して入れ替えていることも知らないままだろう。
結婚式もひっそりと行われ、お披露目などもしておらず、夫人の顔は知られていない。市街地に出て領民に話を聞くと、伯爵の愛人を夫人だと思っているようだった。
しばらく市街地に顔を出し、状態をおおむね把握した次は、領地全体の実態を把握する必要がある。農村部への視察を家令に提案すると、一も二もなく了承された。
私の動向以前に、夫と呼ぶだけで虫唾が走るクズ男は領地の様子にも全く関心がなかったのだ。
実際に足を運んでみたところ、まあ酷いのなんの!よく領民は持ち堪えてきたなと言わんばかりの有様。
聞けば元々あまり良い土地ではないのだそう。そこに獣害などが加わり、特にここ数年は農作物の発育も芳しくないらしい。
「私も農業はそこまで明るくないのですが一緒に頑張りましょう」と話すと涙ぐまれてしまい、なんとしても良い方向にしなければとその思いを強くした。
その後も頻繁に農村部へ足を運んでは農民と会話を重ね、市街地に戻っては流通や教育などの制度がよりよく機能するよう頭をひねる。
長い一年?とんでもない。瞬く間に過ぎていた。
試行錯誤を重ねて迎えた実りの季節。
ろくな対策は打てなかったが、それでもなんとか平年並みの収穫量にすることができた。
これで領民が等しく安心して冬を越すことができる。そう思っていた矢先、執務室にある金庫から金が消えた。
――領の税収一年分相当の、現金が。
「……くそっ」
家令が悔しそうに歯ぎしりをした。
「落ち着いて。大丈夫、記録はある」
こうなることを見越して、仕掛けておいた魔道具が。
「もうケリを着けましょうか……三年待つのも時間の無駄ね」
***
領地の公会堂に、形だけの夫であるクズ男を呼び出した。
クズ男は、豊満な身体付きの女と共に現れた。なるほど、ふくよかな女性が好みか。それでは私は対象外だ。
「なんだ貴様! 邸から出るなとあれほど言っただろう!」
「領地の様子を教えていただこうにも領主であるあなたが全く邸にいないものですから、使用人たちと相談の上で外に出ることにしました。本当にあなたは私に興味がないですから」
「ぐぬ……」
独断ではないとわかったからか、悔しそうな顔をしている。悔しい時にぐぬぬなんて言うのは創作の世界だけかと思っていたけれど、そうでもないらしい。
「それで、何の用だ。俺は忙しいんだ」
「まあ、その添え物の女性のお世話ですか?」
「添え物だと!?ふざけるな!俺の真実の愛だ!!」
「まあ!真実の、愛」
噛み締めて復唱すると、クズ男は満足そうにうなずいた。
「ああそうとも、真実の愛だ」
「それは大変失礼いたしました。へえ、そう、真実の愛……ふふっ」
「何がおかしい」
「いいえ、美しいなと思っただけです。真実の愛のために領民が汗水流して働き納めた税金を持ち逃げするなんて、まるで愛の逃避行!」
「は……!?」
ざわりとホール内の空気が動いた。私はぐるりと見回しながら、人差し指を口に当てる。
「あら、秘密でしたか? それともバレていないとでも? 王城へ納める期日が近付いている中で、バレないわけがないでしょう?」
「領主である俺が盗むわけがないだろう!!」
「名前だけ領主のあなたが?面白いご冗談ね。あなた、果たしてご自身の領地の何を知ってるの?」
「何をとは?」
「昨年の小麦の収穫量は?」
「は?」
「一昨年は? 私が嫁ぐ前」
「何を言っているんだ、そんなものどうして俺が把握する必要が」
「執務は丸投げ、署名も丸投げして領地の予算を食い潰す。まだ遊ぶ金を執務室の机から抜き出しているうちは可愛らしいものでしたけれど」
「なっ、何故それを」
「夫のお小遣いを管理するのは妻の役割。領の帳簿まで私しか把握していなかったのはどうかと思うけど」
扇子を広げて表と裏をヒラリヒラリ。
「それで、お外では子どもを作れないとうそぶいていたんでしょう?」
「じっ、事実だろう!!」
「結婚式での適当な誓いの口付けを最後に、今まで私に触ってもいないのに?」
「はっ!?」
「えっ!?」
添え物さんは喉周りのお肉のつきが良くて声が届かないのかと思っていたけれど、ちゃんと聞こえるじゃない、声。まだ一言だけど。
「まあ! 今の今まで真実の愛は寂しい心のお慰みのための自動人形かと思っておりました! これは失礼。……いずれにせよ、私の体型ではその気になれないだろうから仕方なさそうです」
「貴様……っ!!」
「それで、私は子どもも成せない不出来だと触れ回っていたのでしょう?その添え物にくっついて鼻の下を伸ばしながら。冗談が過ぎるわ」
扇子をパチリと閉じ、目の前の二人をまっすぐ目線で射る。
「今すぐ全額耳を揃えて返せば、まだ見逃して差し上げましょう。そうでなければ王城にどのような処罰をするか判断を仰がねばなりません」
「しょ、処罰……?」
「税金の着服は重罪。鞭打ちは何回だったか……」
視線を天井へ巡らせる。この一年苦楽を共にしてきた家令が、耳元で囁くような素振りを見せながら、しっかり通る声で答えた。
「百回でございます、奥様」
「まあ!百回!!そういえば小耳に挟んだけど、最近は魔道具が自動で鞭を振るうんでしょ?どれだけ泣き叫んでもその手を緩めることがないとか。人ならまだ悲鳴を聞いてためらいが生まれそうだけど、魔道具は一定の力で打ち続けてくれる」
「着服なんてしてないわ!!」
ふくよかな彼女が声を張り上げた。ふくよかな彼女……ふくよ彼女で良いか。二人の体型を見比べると、どう見ても添え物ではなくこちらが本体。
「着服、していない」
「してないわ!第一証拠がないじゃない!」
「証拠ですか」
「あ、ああそうだ証拠がないじゃないか!!」
クズ男が勢いを取り戻した。
「お前たち邸にいる連中が取ったかもしれないだろう!」
「なるほど。あなたが領のお金を好き勝手に使ってしまうから、その腹いせにあなた方に濡れ衣を着せようとした、と」
「そうだ!違うのか!」
「そうですか……残念です。もう証拠を王城に送るしかないか」
「……は?」
「王城の監査局に記録の解析を依頼します。解析結果は全国民が見られる形で公示されるって知ってますよね?
私はどちらでも構わないんですよ。そもそも私を監禁して子どもも作れない女だと偽って捨てようと考えていた男など、憎むことはあれ愛することはないので」
「えっ、あいつは俺にベタ惚れで別れたくないって泣くから仕方なく、って言ってたじゃない」
「はっ!?」
「あらそんなことを言ってたんですか。私とろくに会話したこともないのに、良くもまあでっち上げられるもんだわ」
「なっ!!」
「さてどうしましょう……王城に報告をするなら、なぜ私が形だけの夫に代わって領地経営をし、この紙クズのような夫がなぜ別の女性を侍らせているのかを説明しないと」
静かに控えていた家令が追い打ちをかける。
「領民はあの二人を夫婦として認識しております。実情が異なると知れれば果たしてどうなるか」
「そうね、私だったら許したくない。自分たちが一生懸命働いて納めた税金が領主の遊び金として消えているだなんて……そうねえ、仲間を募って集団で暴行してしまうかもしれないわ」
「ぼ、暴行なんてそんな、うちの領民はみんな領主に似て善良だろう、そんな野蛮な真似をするはずがな」
「するはずがないかはその状況にならなければわからないわ。早速意見を聞きにいきましょうか」
「やめろ! その必要はないだろう!!」
「あ、知ってましたか。そうなんです、今さら意見を聞きに行く必要はないんですよ。ご覧になっているので」
「……は?」
「どうぞ、長いこと辛い体勢でお待たせしてすみませんでした」
二階の天井桟敷へ視線を向け、口元を扇子で隠す。上へ向かって声をかけると、ざわざわと音がして数十人の男女が立ち上がった。
「……なっ!」
「ええっ!?」
「証人が必要でしたので同席をお願いした領民の方々です。市街地だけではなく、農村部からも何人かお越しいただきました」
鋭い視線が真実の愛をかたる二人に向かって降り注ぐ。
「この模様は、通信魔道具を通して領内の主要な市街地の方々もご覧になっています。記録もしていますのですぐにでも王城に提出することも可能です」
「なぜこんな!」
「なぜ? 決まってるでしょう。みんなが一生懸命働いて稼いだお金から、やっと払った税金。ただでさえこの伯爵領は税金が高いんです。その税金を遊びに使われたと知って許せますか?
あなた方は領民の顔も覚えていないだろうと思いましたので、わかるようにお仕事道具を持ってきてもらいました。料理屋さんはフライパン、肉屋や魚屋は包丁……今はケースの中ですけど。猟師の方も来てますし、農家の方は仕事道具がない方のために鍬をたくさん持ってきてくれました」
カチャリと小さく金属同士が触れ合う音がして、衆目に晒された二人が突然の恐怖に身を寄せ合った。
「ここで証拠をみなさんに見てもらっても良いんですよ?お二人が執務室の金庫から国に納める予定だった税金が入った革袋を持ち去るところも、きちんと記録してますから。どうしますか?認めますか?それともやはり国に記録の解析を依頼しますか?」
「やっ、やめろ、こんなこと父上が知って許すはずがな」
「ご存知ですよ?」
「は?」
「ですから、話してます。というか、あなたたちの処遇は、結婚当初から私に一任されてます」
「なんだって!?」
「なんですって!!?」
「そもそも、私とあなたがなぜ結婚することになったか知ってますか?」
「俺を愛しているからじゃないのか」
「だから違うとさっき言ったでしょ。私があなたと結婚するのはこの伯爵領の経営を私に丸な……一任するためです。
あなたも大概ですが、先代の伯爵も領地経営は苦手でしたから」
扇子をわずかに開いたり閉じたりしながら二人に微笑みかけてやる。
「私の生家は後継ぎとして弟がいて、いくら私が領地経営に興味を持って学んでも実地で経験を得ることはできない。私の噂を耳にした先代がここで経営を実際にやってみれば良い、と私に声をかけたんです。もっとも、先代も責任逃れの苦肉の策だったんでしょうけど」
一歩後ろにいる家令と、そして二階の領民たちに目線を配り微笑みかける。
私がこの伯爵領にやってきた事情は、ここにいる人はみんな知っている。
「机上の空論だけじゃない、現実としての領地経営は大変なことも多いけど、とてもやりがいがある。何に楽しみややりがいを見い出すかは人それぞれだけど、名前だけでも自分が治める領地でしょうに、もっとなんとかならなかったの?」
パチンと扇子を閉じた音が、ホールに余韻をもって響いた。
「お二人がやりがいを感じるのは真実の愛だけでしたね。ごめんなさい?」
もう皮肉も届かないようだ。完全に顔が青ざめている。
「領地内での犯罪については、領主が裁くこともできる。だから私達がここで処遇を決めることもできるのだけど。どうするのが良い?皆さんの思いを全身で感じてみる?」
そう尋ねると、二人揃って首を横に力強く振った。
「そう。じゃあ、官兵にしょっぴいてもらうということで決まりね」
あら、そんなに首を振ったら、処される前に自分から首が飛んでいってしまうんじゃない?
「どちらも嫌ならどうしたら良いの?」
「何でもする! 何でもするから命だけは助けろ!!」
「あたしも! 何でも言うことを聞くから!!」
ふーん、そう、なんでも。
「今の言葉、嘘はないですか?」
「もちろんだ!」
「本当よ!!」
隣の家令とうなずき合うと、二階の面々に向かって声を張り上げる。
「皆さん!この二人の処分について私に考えがあります。任せていただけませんでしょうか。私の都合によるものですので、領の予算は使いません。私費を使います」
ホールからまばらに拍手が起き始め、次第にその音は大きくなる。
音が反響するホールに鳴り響く拍手は、さながら土砂降りの雨のようで。
助かりそうだという安堵と、拭いきれない不安で混乱した二人を横目に、私は慈愛の笑みを浮かべてみせた。
***
「それで、俺たちは何をすれば良いんだ!」
悪いのは自分のくせになぜそんなに偉そうなのか。
邸に戻ってきた私たちは、わめき立てるクズ男と怯えているふくよ彼女を玄関ホールに転がした。
ああ、逃げないように拘束して運んできたから。
手首と足首を縛られたまま転がされた二人を見下ろし、私は家令が持ってきた箱を受け取った。
「真実の愛を、貫いてもらおうと思って」
「真実の愛を?」
「どういうこと?」
「私はあいにくあなたに興味がないし恋愛対象にもならない。これと子を成すなんて寒気がする。
だから二人には、真実の愛を貫き後継を作ってもらうの。簡単でしょう?」
「は、なんだそんなこと」
「あなた方は管理されます。この邸から出ることはありません」
「は!?」
「えっ!!?」
「私に邸から出るなと言ったくせに、自分がその立場になるのは嫌だなんて、身勝手な」
「お前は外に出ていただろう!?」
「その必要がありましたから。子どもを成すために外出が必要ですか?」
首をかしげると、ふくよ彼女が拘束を解こうと暴れ始めた。
「嫌よ、そんなの嫌……!」
「なぜ?真実の愛なんでしょ?」
箱を開くと、中に収められていたシンプルなペアの指輪がキラリと光った。
「真実の愛なら、どんな困難も乗り越えられる、でしょう?」
後ろ手に縛った二人の左薬指に少し大きい指輪をはめてやると、生物の波長を感じた指輪はそれぞれにぴったりの大きさへと変わった。
「ひっ!?」
「これは真実の愛を誓うカップルのための魔道具なんです。私からのプレゼント、どうぞ受け取って?」
そして二人の手を近付け、左薬指同士を接触させた。二つの指輪が接触し小さく光ると、すぐに元通りになった。
「おめでとう!これであなたたちは正真正銘真実の愛で結ばれた!」
拍手をすると、後ろに控えていた家令もそれに続く。
「それじゃあ二人の愛の園へご案内。大丈夫、誰も邪魔しないから心配しないで。ああ、日々のお勤めの記録とあなたたちの体調確認だけはさせてもらうわ。それじゃあ、どうぞお幸せに」
嫌だ嫌だと騒ぐふくよ彼女を家令が担ぎ上げる。意外と力があることに驚いた。家令より重そうなのに。
近付くと、ふくよ彼女の耳元でそっと囁いてやる。
「残念ね、もう男漁りも贅沢な暮らしもできなくなるわね」
「!?あんた、どうして!」
「それじゃあ、真実の愛、楽しんで」
「嫌、嫌よ、嫌ぁ……」
明らかに様子が変わったふくよ彼女を見て何を思ったのか、クズ男は私にすがるような眼差しを向けた。
「た、助けてくれ……」
「助ける?今から官兵を呼ぶ?それとも広場の真ん中で、住民たちの視線と怒りを浴びてみる?」
「……っ、取り消す!お前を愛さないと言ったことは取り消すから!!」
「私は愛がわからないし求めてもいないの。あなたの愛もいらないのよ。あの女が、たくさん味見した上で決めた真実の愛なんでしょう?貫いてよ?」
紙クズ男は馭者が担ぎ上げた。こちらの方が軽そう。
「やめろ!離せ!!やめてくれ!!」
邸の奥に消えて行く悲鳴と喚き声に向かって、ハンカチをひらひらと振り、そのまま手を離す。ハンカチは空気をろくに捉えることもせず、まっすぐに床へ落ちる。そして同時に最奥の扉が閉じ、錠前がかけられる音が響いた。
「あの指輪は愛を誓う二人のための契約魔道具。お互い以外に身体が反応できなくなるし、相手以外を想うと具合が悪くなるの。安物だから解除も実は難しくないんだけど……あの環境下で解除に思い至れるのかも見ものね。どうぞせいぜい楽しく求め合ってちょうだい」
真実の愛と称された関係の変化を追うのは私の数少ない娯楽の一つ。
「その実情がどうであれ、やっと間近で心おきなく観察できる二人を見つけたのに、逃すわけないでしょ?養子の目星もつけているから、どうぞ安心して励んでね。『真実の愛』で結ばれた、お二人さん」
「お前(君)を愛することはない」ってめちゃくちゃ料理しがいのあるフレーズですよね……基本的には絆されない人たちを書きたがるアカツキですが、このシリーズにおいては絆されちゃう人がちょいちょい出ます。楽しんでいただけると嬉しいです。