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ノスタルジア〜白猫に惑う律動、紅薔薇に捧ぐ輪舞曲〜(新版)  作者: 藤咲紫亜


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第53話 皇族達のその後

 ソリスト皇太子が元老院の解散を宣言した定例議会から、何ヶ月も過ぎた後の事だった。

 跡継ぎの居ないロンド家が、皇帝の命で養子縁組を行った。

 ロンド家に入ったのは、既に成人した貴族出身の男性だという。


 育った家も昔の思い出も何もかも捨てて、身一つで皇帝の弟の養子になったという彼は、ロンド家の跡継ぎとなりながらも貴族出身ということで皇位継承権は与えられなかった。


 彼は以前の名前も顔も伏せられ、公の場には決して姿を見せることはなかった。

 彼の緻密な領地の管理、運営の功績と、それによる帝国の産業発展への寄与が皇帝に評価され、第一皇女フィーネとの婚約が発表されたのは、それから数年後のこと。


 婚約者と初めて顔を合わせた日、フィーネ皇女が彼の顔を殴ったという記事が、帝国中で印刷され、振りまかれた(尚、理由は明記されていない)。


 後に、帝国民が忘れられない大事件、ソリスト皇太子の突然の失踪事件が起きたが、新たな皇太子となったバイエル皇子と、その妹フィーネ皇女が各地を走り回り、帝国の混乱を防いだ。


 バイエル皇子の傍には白の姫君の姿、フィーネ皇女の傍には夫君の気配が、いつもひっそりとあったという。


 ソリスト皇子失踪から2年後、皇太子となっていたバイエルとシルキー妃の間に第一子であるシンフォニー皇子が誕生した。


 やがて皇帝が崩御し、バイエルが新皇帝に即位。

 数年後には、第二子のスウィング皇子も誕生した。

 その翌年にはフィーネ皇女も女児シャルローナを産み、帝国は盛大に沸いた。


 余談ではあるが、シルキー皇后が二度の妊娠中に適度な運動と称して城の壁を登るなどし、そのたび皇帝陛下に特大の雷を落とされていたと言う話が皇宮の召使達の間でひっそりと伝えられている。

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