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2ー23 タニシとの戦い

(しゅう)こと、()(どう)(しゅう)です」


「コロニスです」


「第二部を終わらせようと思ったけど、なんかタニシ編をちゃんと終わらせないといけない感で今回はこんな感じになった」

「終わるんですか?」

「終わらせるつもりやけど、登場人物が抵抗する展開をさせると動かなくなるからよくわからない」

「書いてる本人がコントロールできないんですか」

「コントロールがちゃんとできる人ならたぶん10年前でも長編小説書けたと思う」

「うん。あんまりわからない話ですね」



     ▼



 なんだかんだでグランドタニシを駆除していると、遠くから農家の人が数人逃げるように走って来た。


 「百姓が」って書きたかったが「百姓」だと侮蔑語だと思われるかもしれないから「農家の人が」という座り悪い言葉になってしまった。


「マックスギガタニシが」


 言われて、その農業従事者たちが来た方向を見ると巨大なサザエのようなものがあった。触手が伸びて人を襲っている。


「ラム。狙撃点を」

 エテアが冷静にラムに観測手(スポッター)の仕事をうながす。

「はい。そこ」

 ラムが「そこ」って言ったらエテアの脳内に、マックスギガタニシの狙撃すべきポイントが表示される。


 同時にノークとリヌルはマックスギガタニシに向かってダッシュしていた。


 マックギガタニシは波の荒い海に棲むサザエのようにイガイガが殻からいくつものびている。

 サザエは波の静かな海に棲むものはイガイガがなく、波の荒い海に棲む個体は流されないために殻にイガイガがあるのである。別にマックスギガタニシが波の荒い田に棲んでいるわけではないがイガイガがついていた。

 大きさは殻の直径で10メートルくらいだろうか。


 エテアが

「ファイア」

と爆発力を飛ばすとラムの指定ポイントに違わず命中し、マックスギガタニシはその威力に傾いたが、殻を貫通することはできなかった。


「威力不足かいな」

 エテアの計算より爆発力が足りなかったのだ。

 しかし、これ以上の威力を放つとマックスギガタニシの近くにいる人たちを巻き添えにする。


 だが、エテアの魔法のおかげでマックスギガタニシはひるみ、触手でつかんでいた人を離した。


 リヌルは怪我人救助にぺっぺぺっぺツバ吐きかける。

 誰も事情を知らないので、怪我人に対してまさしく唾棄する彼女の行為に眉をひそめる人も多いが、気にしている状況ではなかった。


 しかし唾液に触れた人たちはその数瞬後に傷が回復していくのを感じていた。



 ノークは剣を抜いてマックスギガタニシの側面から突きを入れる。

 ガツッと固い音がして、その剣はタニシの殻に深く突き刺さる。


 ノークは一旦距離を取ろうするが剣が抜けない。

 触手がノークに迫るので剣を離してとびのく。


 予備の短剣はあるがさっきの剣での攻撃の感触から、短剣ではタニシ本体へダメージは通らないだろうことは推測できた。


 リヌルは怪我人の応急処置と避難を済ませると、マックスギガタニシに突撃していき、あっさり触手にからめとられた。

 その触手にリヌルは噛みついた。


 数秒すると触手は力をなくし、リヌルは解放された。


「白魔法『窮鼠猫を噛む』なのですぅ」

 リヌルの右上犬歯にある浄化魔法であった。

「まあぁ、別に追い詰められてませんけどぉ」


「みな離れて、防御姿勢をとり」

 エテアがリヌルとノークに告げる。


 ふたりはマックスギガタニシから離れる。


「ファイア」

 エテアは今度は、ノークが突き刺した剣に向けてさっきより威力を上げた爆発力を発射した。


 ガガァン!

とという音とともに、巨大タニシの殻が飛び散る。


 近くに人がいては危険であった。


 ノークの剣がくさびとなり、そこへエテアの爆発力が与えられたことで固い殻を砕いたのである。


 マックスギガタニシはリヌルの『窮鼠猫を噛む』とエテアの爆発魔法によりほぼ無力化された。


「ファイアファイアファイアファイアファイアファイアファイア」


 とどめにエテアは小さい爆発力を連続してタニシに叩き付けた。


 マックスギガタニシは動かなくなった。


「グランドマスタータニシじゃないのか? これ?」

 ノークがラムに訊いた。


「これはグランドタニシのより地下に潜れる亜種のギガタニシの親玉みたいなものですね」

 ラムが説明する。


「じゃあ、グランドマスタータニシとかハイパータニシグレートとかスペシャルローリングタニシとかもまだいるのか?」


「いえ。駆除はうまくいってました。ギガタニシはグランドタニシとは別種の貝です」


「ほな、マックスギガタニシが出てきた地下に何があるか調査せんとあきまへんな」

 エテアが巨大タニシが出てきたであろう、その横にある大穴を見つめた。



     ▼



「たぶん、これからクライマックスに突入するんやと思うんやけど」

「書いてみないとどうなるかわからないんですね」

「うん……」

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