2-20 グランドタニシ駆除。討伐でも退治でもなくて駆除。
「秀こと、解堂蒐です」
俺こと秀は人間。無職。
「コロニスです」
コロニスはアライグマ。特定外来生物なのだが同世界転生した元人間なのでうちでかくまっている。
「ふたり合わせてゲドニスです」
「『ゲドニス』で確定なんですか」
「反対なら変えるよ」
「対案のコンビ名が思いつかないので保留で」
「前回、エッセイよりPVがつかないって文句言ったらアップ当日、1日PV数最大記録出たよ。ってこういう話を小説のカテゴリ内でやっていいんだろうかとか思っている今日この頃です」
「どこまでメタでいいのかさじ加減難しいですね。まあそれを気にして書けないより暴走して読者いなくなるほうがましですけどもね」
「コロニス最近言うこと極端になってきたね」
「性格悪くなってきましたかね?」
「いや、俺個人としては問題ないけど」
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水田が広がる。日本の農村とあまり変わらない風景である。
その水田にいくつかの黒い大きな塊と、ピンク色の小さな塊が散見された。黒い塊がグランドタニシ本体であり、ピンク色の塊はその卵塊である。
グランドタニシの成体は大きなものだとその殻の高さは80センチにも及ぶ。
あたりを見ると水田には1センチや3センチくらいの幼体のグランドタニシはちらほらいる。しっかり観察すると1平方メートルに12匹くらいはいるようだ。
そんな水田に冒険者パーティ〈ヱヒモセズ〉はいた。
「なんであんな大きさになるまで水田の中に放っておくんだ? あそこまでになる前にこいつでつまんで捨てればいいだろうに」
ノークが疑問を口にしつつトングで幼体グランドタニシをちまちまとつまんでは水田に置いた瓶に放り込む。
ちなみに瓶の中には塩水が入っている。
「グランドタニシは巨大化するのです」
とラム。
ファンタジー生物である。
「ここですね」
ラムは成体のグランドタニシの貝殻の一部分を指さす。
エテアがうなずいて、左手を向ける。エテアの左掌から光が走り、指示した一点に命中する。
グランドタニシの中でくぐもった
ぼすっ
という音がした。
エテアの爆発魔法がタニシ内部で炸裂したのである。
これは、ラムが観測手能力でグランドタニシを潰さずに締めるためのポイントを見つけ、爆発力狙撃手であるエテアが指示通りにタニシ体内に爆発を起こし締めたのだ。
「締める」とはの獲物の鮮度を保つために急所に一撃して殺す行為のことである。
きっちり締めておかないとやっかいなのだ。
成体のグランドタニシは大きいので、力がそこそこある大人でないと持てない。抱え持つことになると貝殻表面の毒に手以外も触れてしまう。こめまに上半身を洗うのは現実的ではなかった。
グランドタニシは幼体では3センチほどまでにしか成長せず、その後はエネルギーの多くを魔力に変換し体内にため込みつつ、魔力がある程度たまると数十匹が合体〈進化〉し、80センチクラスの成体に数秒でなるのである。
「ああ、有名なゲームとかのモンスターとか、みんな数秒で姿変えますわな」
エテアの言う有名ゲームはノークにはわからなかった。
「昆虫の羽化みたいなものだな?」
ノークの生まれ育ったヤナマカ村にはグランドタニシはいない。村の農業は麦が主体で水田はなかった。
「共通してはいます。しかし〈進化〉は魔力によって数秒で合体巨大化するのです」
大発生していなければグランドタニシ成体もそれほどの数にはならない。
「だからぁいかに幼体をぉこまめにぃ駆除するかが大事ですぃ」
リヌルが補足する。
「前も言いましたがグランドタニシの危険性は低いですが、触ったらちゃんと手を洗わないと毒と寄生虫にやられます。うちの魔力で解毒できるのですが、そんな面白くないことにあまり魔力は消費したくないのです。各自触ったら手洗い消毒を徹底するのです」
グランドタニシを触った手で目をこすったりすると失明まではしないがまぶたが腫れてしばらく視界が狭くなることもある。知識にない生物にむやみに触れるのは危ない。
「なあ、気をつけてさえいれば殺されることはないこんなモンスターを駆除するとか、冒険者パーティがやることないんじゃないか?」
「ノークはいつも興味と疑問を持っていてええ向上心ですわ」
妙なところをほめるエテア。ノークの言葉に不満が込められていることは意に介していない。
「グランドタニシの幼体を駆除しないと当然成体のグランドタニシになるのです。グランドタニシ成体を駆除しないとそこからハイパータニシグレートが生まれてしまうのです」
「グランドマスタータニシな」
ラムの説明の言葉違いにエテアがツッコむ。どっちでも読者はきっと気にしてない。
「グランドマスタータニシは毒を噴射したり触手による攻撃ができる、より危険なモンスターです。普通の個体はひとつの攻撃能力だけに特化するのですが。
過去のグランドマスタータニシによる被害記録では、毒噴射も触手攻撃も高度にこなす二刀流大田螺傭兵と名付けられた歴史に残るモンスターもいます」
触手捕獲を得意とするタニシ・ゲモトノブという個体も記録にある。
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「『大田螺傭兵』ってダジャレ自分で考えたけど、検索したら既出やった。異世界ファンタジーモンスターとしての設定はオリジナルなのでこのまま使わせていただく。ダジャレに著作権ないので許して」
あとついでに言うとノークは冒険開始したときには「山手線の駅名」他、異世界情報は持っていないことになっている。今さらのタイミングで説明だが。
「今回なんかタニシモンスターの説明だけでしたね」
「なんかそういう方向に勢いついてしもてね」




