2-19 コンビ名とパーティ名
「秀こと、解堂蒐です」
「コロニスです」
「ふたり合わせてゲドニスです」
「合わせましたね。名前を」
「今回、ストーリーがあんまり思いつかなくて。いやストーリーってあるのか? ストーリーって何?」
「また思考の袋小路に入ってますよ」
思考の袋小路とは、そのことを考え続けてもすぐに結論が出ないことを考え続けて、思考が同じところをぐるぐるするだけになることをいう。
「あ、そうか。『何が面白い?』って考え出したらわけわからなくなるのもやったよな」
「あんまり気にせずにノリでいきましょう」
「ノリね。うん。ノリが良ければ書ける。ノリが悪くても書けるに越したことはないけど」
「ノリが悪くても十文字だけ書くとかしてみましょう」
「スマホで色々情報得てるんね?」
「まあ、こういうパートナーの立場になったら必然的に考えるようになりますよ」
「ありがとう」
「いえいえ」
「それはそうと。エッセイは一日40PVとか普通につくのにこの『コロニスといっしょ』は更新した日でも40PVいくことはまれという事態はなんとかならんのかなと」
「エッセイのほうが向いてるのかもしれません」
「じゃあ、『俺が毎日書くというだけ』のセレクションを出していくほうがいいのかもしれない」
『俺が毎日書くというだけ』。秀の書いたエッセイ。雑な内容の部分が多いが合計十万字に到達している。第3話『俺が毎日書いて……毎日でもない』参照。
「第二部を書き終えてからですね」
「終わろうと思ったけど第二部入って19回目でやっと実質上の第2話ということになってるんやけどもね」
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「魔王を倒せと?」
ノーク・ヤマケは一口飲んだ玄米茶の湯飲みを置いた。
神が書き残したと伝えられる古文書によると、そろそろ魔王が現れるらしい。
今のところ魔王の存在は確認されていない。しかしその復活の兆候と古文書に書かれている、グランドタニシの発生量が各地で増えている。
グランドタニシとは巨大な巻き貝のモンスターであり、農作物への被害が出る。しょせん巻き貝なのでグランドタニシに直接殺される人はいない。
ただこのタニシは毒があるのでしっかり加熱調理しないで食べるとその毒で死ぬことはあった。
グランドタニシは正確にはタニシのモンスターではなく、別種の巻き貝であるスクミリンゴガイのモンスターである。
「グランドタニシの卵はきれいなピンク色で気になりますが、素手で触るのは毒と寄生虫の恐れがあるので触らないようにしましょう。もし触ったら石鹸などでよく手を洗いましょう」
ラム・ウイが注意喚起をする。
「魔王を倒す前にタニシ駆除をするのか?」
「まあひとまずそういうことだすわ。グランドタニシの中からグランドマスタータニシが現れたら魔王が降臨するんは近いそうだす」
とはエテア・サキユ。
「グランドマスタータニシを駆除すれば魔王は現れないのか?」
「グランドマスタータニシをぉ駆除することでぇ魔王がぁ現れるぅひとつのスイッチとぉなるようですぅ。けどぉグランドマスタータニシを駆除しないことにはぁタニシによるぅ農業被害がぁ甚大にぃなるのですぅ」
リヌル・ヲワカが続きの説明をする。
「結局タニシ駆除するためにパーティに入れということだな?」
「ひとまずそういうことになりますな。魔王の復活が阻止できればタニシ駆除パーティだすな」
「冒険者パーティ、だよな?」
「タニシ駆除もぉ立派な仕事ですよぉ」
ノークは少し考える。
タニシ駆除も大事な仕事だが神託を受けてすることだろうか。いや神のお考えは人知を超えたものがある。信じて行動しよう。
そしてパーティは冒険者ギルドで登録を行うことになる。
タニシ駆除といっても依頼者がいないとただ働きになるので正式に冒険者になっておく必要があった。
「パーティの名前どうしようか」
ノークがパーティ登録書への記入用紙を前にして言った。
「マシンガンズ」
「ラフレシアンズ」
「ロード・ウォリアーズ」
リヌル、エテア、ラムの順番で答えた。
どこからその名前を思いついたのはノークにはさっぱりわからなかった。
結局「ヱヒモセズ」に決まった。
「ヱヒモセズってどういう意味なんだ?」
「『慢心せえへん』ていう意味に思っといてたらええんやないですか」
エテアが静かな口調でぼんやりした説明をした。
この世界には『いろは歌』はない設定らしい。
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「意外とちゃんと第2話してますね」
「うん。まあまだ今のところはかろうじて書けてる。次うまいこと書けるかどうかわからない。うまくいかなかったら打ち切り最終回ということで」
「まあ、肩の力を抜いて続ければいいと思いますよ。いいものを書く志は大事ですけど、書けない傑作より書ける駄作ですよ」
「まあまっとうに書けてる自信はないからそうやね。続けていくことが一番大事。第二部が打ち切りになっても第三部をやればいいじゃないか。『女神さま』(仮題)の文字量が足りなければここの私との会話パートを増やせばいいんですし」
「そうなぁ。どうせエッセイよりPV稼げやんもんなぁ。好きなように書いたほうがいいよな」
「そうですよ。好きにやりましょう。物好きな読者ならついてきてくれますよ」
「『好きなように書く』のやりかたもなんか見失ってたけど、見えてきたような気がする」
「見えてなかったんですか」
「色々手探りでやってるよ。第二部『女神さま』(仮題)も次回で終わるかあと40回続くかもわからないという」
小説書き始めてから30年以上経ってるけどそのうちモノカキ人生だった時間ってさほど多くなかったんだと思い返す。
「そのへんがPV稼げない理由かもしれませんけど。書き続けることのほうが大事です」
「PVはエッセイで稼いで小説は暴走気味に好き勝手やる方向性で」
「いきましょう」




