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2-16 地名をどう付けるか

(どう)(しゅう)です」

 解堂蒐はペンネームなので、そう名乗りながらコロニスからは『秀さん』と呼ばれるのだが。

「コロニスです」

「いつもなら『前回までのあらすじ』から始まるところを名乗るところから始まったけど。今回はその『前回までのあらすじ』をどうしようかと」


「これまでどおりでいいんじゃないですか?」

「毎回あらすじが必要なのかとか疑問になってきて。あらすじの文字数を毎回消費していいのかと」

「まああらすじなくして本編内容が充実してるほうが基本的にはいいでしょうけど。まっとうなストーリーなら」


「あらすじをなくすつもりはなくて。たとえば登場人物の名前なんかみんな憶えられない。というか憶えなくても読めるように書くべきなんやけども」

「覚え書き的に毎回登場人物名は出しておきたいと」

「そう。書いてる本人もまだリヌルの名前がすっと出てこない」



【前回までの『女神さま』(仮題)のあらすじ】

 名もなき胡乱な女神。その地位を確保するために2年以内に担当世界で伝説を打ち立てないといけなかった。

 女神はラム・ウ()という俗名を名乗り自らパーティを組んで冒険をしようということになった。


 そのメンバー。

 伝説打ち立てを一旦丸投げされかけた青年エテア・サキユ。

 白魔法使いリヌル・ヲワカ。

 戦士ノーク・ヤマケ。


 世界設定についてこれから相談する流れとなった。



「あんまり変わってないですね『あらすじ』」

「一番基本のストーリーというか物語が目指す到達点は『女神がその地位を確保する』ことなんやなって。再確認しないと流れでわけわからなくなっていくような。いやこれが基本のストーリーで正しいのかどうかも不安やけれども」

「なんか思いつきだけで続けてますね」

「そりゃあね。ちゃんと最初にテーマとか、(早い段階で決まってる)結末とか、ストーリーアブストラクトとかできるんならいいけど、それができんからこんなことやってるわけで。読んでくれてる人が楽しんでくれてるならいいけど。まあ嫌々なまま読んでる人はおらんか。というわけでこんな芸風なんでこのまま付き合っていただきたい」

「まあわたしは最後まで付き合う立場ですね。まあ状況は楽しめてるので」



     ▼



「世界設定について話合うということでよろしいか?」

 エテアが進行ポジションに戻った。

「余は参加するほうがよいのか?」

 魔王が律儀に手をあげて言う。

「登場人物があんまり多いとややこしなるんで、オブザーバー的にいてもらえたらと」

 エテアの言葉にリヌルが後を継ぐ。

「話し合いがぁ、不毛な方向にズレて行ったりしたらぁ、指摘してくれるとかぁ」

「心得た。基本口出しせずに眺めていよう」

 魔王は席を少し後ろに引き、座り直した。


「小説は基本的にふたりで会話するシーンにしろというが、このへん問題ないのか?」

 ノークがまた疑問を挟む。

「そのへん誰が喋っとるかわかるように口調も変えとるんでええんやないかなと」

「基本守るならマンツーマン形式にしてみますか?」

 女神が提案する。

「マンツーマンとは? 具体的に」

 ノークがまた訊く。

「だから、ふたりの会話でないといけないなら、ふたりずつに分けて、ふたりで決まった結論を、あとのふたりの結論と合わせて最終結論に持って行くっていう、トーナメント形式です」

「たとえばぁ、ラムさんと私、エテアとノーク、というふたりずつでまず話合って、その結果同士をラムさんとエテアがすり合わせるとかですねぇ?」

「回りくどいやろ」

とエテア。


「待て。世界設定の話し合いではないのか」

 魔王が口を挟んだ。

 確かに本題が進んでいない。


「ほな地名のネーミングのパターン決めまひょか」

とエテア。

 パーティメンバーはいろは歌からつけた。

 地名も統一した元ネタから拝借してくるのがやりやすいだろうということである。

「どこから持ってきますかぁ? 都道府県でなら47個できますよねぇ」

「ここであんまり悩んでも仕方ないのは分かってるんだか」

 ノークが首をひねる。

「ほな、駅名でいきまひょか」

 エテアが言うと。


「山手線ゲーム」

 ラムがいきなり始めた。

「水道橋」

「鶯谷」

「東京」

「池袋」

 エテア、リヌル、ノーク、ラムの順番である。

 ちゃんと合間に二回手を叩く。

「待った待った」

 魔王が止めに入った。


「じゃあ、異世界転生でありがちな展開」

 またラムが始める。

「トラックに轢かれる」

「0歳から自意識ある」

「主人公がときどき死ぬ」

「それありますかぁ?」

「意外とあるのです。本当に死んでその世界から去ってしまうパターンはほぼないですけれども、別の依り代に移るとか、本当に死んで生き返るとかさほど少数例ではないのです」

 ラムが実例の作品タイトルをモニターに映し出す。もちろん具体的なタイトルはここに出さない。


「山手線ゲームで伝説作る方向にいくつもりですかな」

 魔王がつぶやいた。

 やられ役なのに生真面目な人である。

「それはそれで斬新かもしれません」

 ラムが真に受ける。

「上の方から否定されへんのですか?」

 エテアがラムに訊く。

「今のところまだ否定しきるだけの材料が足りないらしいです」

「じゃあ、山手線ゲームで魔王倒す物語にするのか?」

 ノークがあきれた顔をする。

「例えばぁ、魔王がぁ山手線ゲームにぃ負けると封印されるシステムですかぁ?」

 リヌルが例を出す。

「なんか大喜利の続きやってる気がするんやけども」

とエテア。

「とりあえず地名は駅名から取ることだけは決まりました。この調子でどんどんいきましょう」

「いや、どんどんと言えるほど前進んでへんがな」



     ▲



「もうね。そろそろ迷走してきた」

「そうですね。まあ言うたら最初から迷走し続けてるようなもんですし。気にせずやっていきましょう」

「書けること書いていくしかないなーと。ちゃんとした段取りで書いていけやんからこういうシステムでやってるんやしね。これでPVが極端につかなくなったときにはやめどきかなぁと思ってる」

「ついてるんですか」

「更新するたびに30PVくらいつくんよ。ユニークで15くらい。それが多いか少ないか比較対象にできる作品がなくて」

「どれくらいに減ったらやる気なくなります?」

「更新日に5PVだったら、『このやり方は間違ってた』ってなるかなぁ。」

「間違ってないと思いますよ。ここまで書けてるんだから。続けられてるだけ成功でしょう? 私が来る前はほとんど書けてなかったんでしょう?」

「そうなんよねぇ。コロニスがいるおかげで週2回更新できてるんよねぇ。ありがとう」

「いえいえ。とりあえず続けましょう。書く気がなくならない限り」

「じゃあ次回は『山手線ゲーム編』に」

「それで続くんですか」

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