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八百万の名物料理は?眠らない大都市ウェールズ

 冒険者ギルド

 

 冒険者の多い八百万では、時に八百万といったらこのメニューが一番うまいだろうと談義しては、喧嘩にまで発展する事が多々あります。 


 今日はそんな常連客のお客様達のやり取りの一幕。 

 

 ハイエルフの王女、ヒルデガルドの一言から争いは始まる。 

 

 「ラーメンですわ!!八百万と言えば、ラーメン!鳥の旨味が爆発する塩ラーメンはもちろん!醬油と豚骨の組み合わせが暴虐の限りを尽くす家系!ドロドロとしたねっとりスープが濃厚で米とも相性のいいポタージュ!そして醬油のかえしが効いた、小麦の麺を口いっぱいに味わい、甘味と濃くと旨味の背油ちゃっちゃ系!ラーメンの可能性はまさに無限大!これに勝てる料理なんてそうそう他にありませんわ!」 

 

 黄金のレオン 

 

 「種類が多いからって、それが最高の料理だとは限らないだろ!地龍の炙り肉寿司を食った事あんのか?あれはこそ斗真の旦那の最高傑作だろ!こっちの世界の地龍とあっちの世界の寿司の融合だぞ!」 

 

 タイタンのレックス 

 

 「まてまて、それなら輝き鳥のフライドチキンだろ!魔道具を駆使してのスパイス付け!謳い文句通りの本能を揺さぶる魅惑の味!お前らだって貪り食ってただろうが!ああ、また食いてぇなぁ!」 

 

 精霊姫エーテル 

 

 「天丼です!野菜と海鮮のふわふわさっくりとした食感と濃厚なタレでいくらでも食べれちゃいます!なんでみんなわからないんですか!?サラダやスープに多かった野菜がメインのご馳走に大変身!天丼こそいつでも食べれる様にメニューに加えるべき料理です」 

 

 それぞれが思い入れの強い料理、自分の好物の料理が一番だと主張しあう、この光景は結構何度もしていて、冒険者ギルドではよく見る光景である。 

 

 「まぁ多数決的な意味合いでは、この間の復刻メニューでどれが一番人気か結果は出てるんですけどね」 

 

 「つかよぅ、全員昼の部の話しかしねーよな、八百万と言えば夜の部だってそう悪くないんだぜ。内臓ってだけで怖がってる奴もいるが、今じゃ常連でいっぱいだ」 

 

 ガウェイン 

 

 「夜の部もいいぞ!モツ煮にモツ焼き!ウナギの串焼きは丼では食えない色んな部位の串焼きが出るし、刺身はもちろん肉の刺身にユッケ、レバ刺しなんかもあるな!なによりあっちの世界の酒がうめぇ!!水みたいにするする飲めちまうものもあれば、果実の味の濃い酒、独特の風味の焼酎!ウィスキー!斗真の旦那、酒の味はわからねぇとかいって、進めてくる酒の美味い事!美味い事!酒飲みにはたまらないぜ」 

 

 ヒルデガルド 

 

 「あら、確かに夜の八百万は私は未経験だわ、でも宿のバーラウンジもお酒なら中々よ。カクテルって言うお酒やジュースを混ぜ合わせた世界に一つだけのお酒を作ってくれるの。店員はいないけど、注文すると目の前の異空間バッグにドリンクが追加される仕組みよ」 

 

 「まじかよ!宿にそんな場所あったのか!知らなかった・・・・・」 

 

 「お酒を飲みながら夜景も楽しめるし、モンスターレースや競馬も楽しめるわ。最近ではバスケットボールやサッカーのチーム対抗戦やトーナメント戦はもちろん、私達が使った闘技場を中継しての格闘トーナメントなんかもやってるわ。全部お金がかけられるし、国と商業ギルドが仕切ってるから、売り上げは全部国に還元され、福祉や庶民の生活向上に使われるわ。中毒者や破産者なんかも出さない様に冒険者カードや各ギルドカードでしっかり管理されてるから、のめりこみすぎてる人は追い出されるわ」 

 

 「うぉい!滅茶苦茶面白そうだな!酒飲みながらの観戦とかよぉ!」 

 

 エーテル 

 

 「夜の部といえば、子供向けにパレードもやってるね。忍びアスレチックもクリアすると豪華景品が出るし」 

 

 「そんな事もやってたのか!?夜と言えば八百万で酒飲んでるからなぁ、なぁレオンにレックス」 

 

 レオン 

 

 「ああ、何よりS級に上がる決意を決めたのは、夜の部で酒飲んでた時だしな」 

 

 レックス 

 

 「俺も打ちのめされた夜はよく八百万で酒を飲んだもんだ。いまでこそPTで通ったりしてるが、最初の頃は一人だったなぁ」 

 

 「あれ?今なんの話してんだ?」 

 

 「最初は何が八百万の名物料理たるかって話で、今は夜の部の話だ」 

 

 ガウェイン 

 

 「たまにはみんなで夜の部に飲みにでもいくか?」 

 

 ヒルデガルド 

 

 「興味ありますわ!次の日は私がバーを紹介してあげましょう!」 

 

 「おう!いいな!今日はもうあがって飲みにいくかぁ!」 

 

 「たまにはちょっと早い時間に飲んでも罰あたんないだろ!」 

 

 「いくべいくべ!おらぁ最近芋焼酎にはまってんだ!」 

 

 「焼酎といやぁもりいぞうだろ!?ありゃぁうめぇぞ~」 

 

 「べぇ~かやろぅ!焼酎といやぁ魔王か一刻者って決まってんだろ!」 

 

 「濁り酒や濁り梅酒もとろ~りとして美味いぞ!」 

 

 エーテル 

 

 「お酒と言えば果実酒です。杏露酒や純米のどぶろくなんかも美味しいですよねぇ」 

 

 八百万、夜の部はそれなりにお客さんは来るのだが、昼間ほど人は集まらない、宿の方で食事をしてヒルデガルドの様にバーで酒を飲み人もいれば、部屋で酒を飲む事も可能で、バーラウンジで闘技場やスポーツ観戦、競馬観戦もできるかど、個人の部屋や友達だけで集まって酒を飲みつつ部屋で観戦するなど、そのままベットに寝れる事から、そちらの方が好む客も多い。 

 

 熱烈に現地で観戦、応援する人から、宿泊の個室で静かに楽しむ人、バーでお酒を飲みながら観戦する人など見事に各所にわかれているのである。 

 

 ガウェイン 

 

 「斗真の旦那!今日の初めの一杯はなんだい?」 

 

 「今日は国稀くにまれの熱燗だよ。最近寒くなってきたからね」 

 

 最初の一杯はウェルカムドリンクとして料金には含まれない、その変わりお酒の種類などはこちらで決めさせてもらっている。 

 

 もつはもつ焼きにモツ煮、各部位の串やウナギの串や肝、ヒレや頭、レバ焼きにニラレバ、レバ刺し、ユッケ、モツラーメンなどもある。 

 

 エルフやハイエルフ、龍族に巨人、ドワーフなど様々な国の人間が集まるのだが、酒はそう簡単に取引できないのが現実で、その国の独特の酒が飲みたければ正直その国まで飲みにいかないといけないのが現状である。 

 

 そんな中、日本酒、焼酎、ウィスキー、ブランデー、ワイン、発泡酒、ビール、果実酒、濁り酒とここまで種類が豊富なのも八百万くらいである。 

 

 他の店はワインにはちみつ酒、エールと大体がこの三種で馴染みがあると言えば聞こえはいいが、味の方は薄められたりと出来がよくなかったりと、そんな物まで通常の値段で売られているので、当たりはずれも多い。 

 

 そんな中、八百万はバチバチの日本で手に入る上質な酒、安酒ですらこちらの世界からしたら味が安定していて満足感もあるいい酒の部類に入る。 

 

 「「「「「「かんぱ~い!!!」」」」」」 

 

 宿の個室で楽しみ、広いバーで楽しみ、八百万で楽しみ、八百万に負けまいと他の商会や酒屋に酒場なども他国からの酒の輸入に力を入れるなど、次第に酒の街としても有名になりつつあるウェールズ、そして夜道も明るく、飲み歩きできる事から眠らない大都市ウェールズと言う名が広まりつつあった。

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