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レックスさんのお土産 アルフレッド商会 商会長の娘 ティナ 海鮮やきそば

 アイテムボックスのおかげで、出来たても保存できるし、商業ギルドの人達の手もあって、下ごしらえや出来上がった料理のストックが大量にあるので、余裕がある時などは俺もホールに出たりする事が増えた、夜の部もほとんどお客さんの前にいる事が多くなって、のんびりする時間を確保できる様になった。 

 

 それでもストックはストック、消費すればなくなってしまうので、なんだかんだで料理を作っている、スキルを確保してからは作業スピードが恐ろしいほど早くなったが、なんとレベルがあがったからなのか、一括作業と言う項目が増えた、例えば皮むき個数を選択、実行で皮むきが出来ている状態に!他の作業も似たような事が可能で、簡単な下ごしらえはこれでOKだ。 

 

 更にはモツやイールなどの串打ち作業も一括作業で簡単に終わらせる事が出来る、大量の内臓を洗浄、臭み取り、ボイル、味付けして、串打ちよう、焼きよう、もつ煮よう、に分けてカット、あとは焼きや煮るだけどいった時間短縮できる様になった。 

 

 凄く楽させてもらえてるけど、これは料理人のスキルでいいのか?逆に腕が鈍りそうな気がしないでもないのだが、俺自身素人なので、喜んで受け入れよう、俺の場合は圧倒的に料理の技術や味付けのセンスの修行が足りてない、スキルをもらって味付けセンスなどをもらってもプロに届いているかどうか自分でもわからない、スキルは多くの人間に好まれる味付けや、楽しめる食感を生み出すカットなどが出来るようになる事だ、そしてより素材の味を引き出し、旨味を引き出し、それを繰り返しスキルアップする事で唯一無二の超一流の料理人並みに到達できる。 

 

 更には料理人スキルは難しい事に、スキルに全て頼ってるような心ねでは開花せず、相手お客様に最高の一皿を届けたい慈愛の心により、大きく飛翔すると書いてある、スキルになんでもかんでもゆだねるのではなく、自分と言う個人の表現も忘れてはいけないらしい。 

 

 人を思う心が料理に現れると言う、まぁ俺は難しい事考えずただ頑張るだけだ。 

 

 内臓もランク分けして、高級な魔物の内臓などはまだ出していなかったりする。 

 

 さて今日のメニューは、ちょっと楽をして海鮮やきそばにしようと思う。 

 

 麺は地球産の知り合いの所で、細麺よりも太くもちもちした麺を大量に制作してもらった、ソースも一部改良して、異世界のフルーツの味が引き立つ様な味と現代のソースに、異世界の牛型魔物の大きな骨から骨髄を焼き、足した物を用意した。 

 

 具にはスケルトンデビル、エンジェルシュリンプ、牛貝にキクラゲ、青梗菜に王玉タマネギと贅沢な具材がのった焼きそばだ!。 

 

 リリとねねの分も盛り付けて、中華スープにデザートは杏仁豆腐で、うんいいだろう。 

 

 11時とちょっと早いけどご飯にしようかと考えていると、店のドアがノックされる。 

 

 「ありゃ、レックスさん、店はまだだよ」 

 

 「ああ、わかってる!今日はいいもの持ってきたんだ!」 

 

 いつもは物静かなレックスさんが、興奮気味に息を切らしている、走ってきたんだろう。 

 

 「見てくれ!これを!」 

  

 マジックバックから取り出されたのは、綺麗な光を放つ鳥だった、もう毛などはむしられているいる状態のようだ。 

 

 「ダンジョンの20階層で輝き鳥の群れに遭遇してな!大捕り物だった!PTで百匹近く捕まえてな!しかもだ!みてくれ!個体が大きいんだ!一匹7キロから10キロ近くある!美味いもんくってたんだろうな!脂も乗っていて、フィガロさんからも極上だっていわれたんだ!お裾分けに10匹もってきたんだ!店で使ってくれ!」 

 

 「ええ~!?いいの!?極上って事は高いんじゃない?」 

 

 「ああ!キロ小金貨1枚の値が付いた!7キロなら小金貨7枚だな!」 

 

 10匹ももらったら金貨7枚になるじゃん、日本円で35万・・・もらいすぎじゃないか!? 

 

 「いいんだ!いいんだ!いつもの飯の礼にな!」 

 

 「こんないい肉、もらっちゃって、ああ!飯食ってってよ、丁度今から食おうとしてたんだ、それとさ今度の休みの日にレオンさんと寿司パーティーしようって話してたんだ、レックスさんも来てよ」 

 

 「寿司ってあれか!この間出たステーキ御膳についてた奴!あれ美味かったなぁ~、それにニーアマスターが言ってた魚で作るってやつだろ?俺なんかきてもいいのか?」 

 

 「いいにきまってるよ、むしろお礼したりないくらいだよ、お酒も珍しいのだすからさ!」 

 

 「こりゃあ、次の八百万の休みが楽しみなってきた!?」 

 

 「レックスさんだ!いらっしゃい!ってすご~い!輝き鳥だ!」 

 

 「本当!しかも凄い大きい!」 

 

 「今度のメニューは輝き鳥にしよう、とりあえずみんなご飯食べよう」 

  

 レックスさんも交えて席に座る。 

 

 「今日は海鮮やきそばだよ」 

 

 「いいにお~い!久しぶりの麺だぁ!ズルズル!うん!美味しい!」 

 

 「これ!すっごくいい味してる!エンジェルシュリンプや牛貝から出汁が出てるんですね!他にもわかんないけどソースが濃厚で美味しい!」 

 

 「俺は麺って初めてなんだが」 

 

 「ズルズルすすってもいいし、フォークで巻き付けて食べてもいいんだよ。ちなみにすするのは国や文化によって下品って思われがちだけど、俺の故郷ではソバって麺があって香りが良くてね、その香りを楽しむ為に空気を含ませて、ズッと一息ですするんだ、まぁ庶民の食べ方で、偉い人や貴族なんかはやらないって話だけど、一番は好きに食べる事だね」 

 

 「ねねはちゅるちゅるする方が好き!」 

 

 「私はフォークで巻いて食べる方が好きです」 

 

 「俺も巻いて食べる方が食べやすいな」 

 

 「嫌がる人がいるとわかっていても、ラーメンやソバはすすっちゃうなぁ」 

 

 「これ!美味いな!このかかっているタレがうめぇ!牛貝のこりこりしてしっとりとした食感!シュリンプはぷりっとしてこれまた美味い!これからは麺も流行るんじゃないか?最近商人や街の飲食店も八百万を警戒してたり、食べて来たって話してたの聞いた事あるぞ、料理人達も斗真の料理に驚いているようだった」 

 

 「プロなら真似されちゃうかもね、でもそれはそれでいいと思うけど」 

 

 「斗真がそれでいいならいいんだけど、八百万で食った様な飯を、俺が考えた!って言い張る奴はどうもなぁ・・・・・プライドはないのかと言いたい所だ」 

 

 「うちは常連さんだけでも、多く抱えてるからこれ以上は2号店とか弟子でもとらないとやっていけないからね、真似でも美味いならお客さんも文句は言わないんじゃない?」 

 

 「まぁ斗真の料理を真似した奴らが、俺が最初に考えた!って言った奴らはギムレッドが大々的に潰したから、もう出てこないと思うがな」 

 

 ギムレッドさん、そんな事までしてくれていたのか、ギムレットさんに求められたレシピは商業ギルドに任せているから、商業ギルド仲介してない料理人は確かに叩かれても仕方ないかも。 

 

  -アルフレッド商会 商会長の娘 ティナー 

 

 最近冒険者を中心に騒がれている、レストラン八百万、あの商業ギルドマスターのギムレッド様が手放しで褒めて、しかも商業ギルドの全勢力を使って、何やらバックアップしてるって話もきく。 

 

 自慢じゃないがアルフレッド商会は行商人を束ね、入ってくる各地の希少な名産品を適正価格でうり、高級宿から一般的宿、高級レストランから一般人が気軽に使えるレストランまで、幅広く経営している大商会、各地を回っているからこそ、知りえる各地の食の名産やその地の伝統料理などを研究して、改良して、時には貴族の家の料理人や王宮のロイヤルシェフとも情報を交換し、味に磨きをかけて来た。 

 

 高級で繊細の食材達は、手を無駄に加えると美味だった食材を駄目にする事は多く、その過程で多くの料理人は挫折し、素材本来の味を尊重し、味付けや自分を表現する様な調理を拒み、凡庸な料理に仕上げていく中、王宮の料理人に負けず、個性を出す料理人の発見などにも力を入れた。 

 

 貴族を相手でも一般人の食通相手でも、私の店ならどんな事にも対応できる、そんな店を自分は作り上げたのだと思っていた。 

 

 そんな中私の耳に入ってくるのは、私の店の賞賛ではなく、街の外れにあるレストラン八百万の噂話だった、レストランではなく定食屋?そんなのどっちだっていいわ!?話は冒険者達から広がり、数多くのSSS級冒険者を魅了し、あのギムレッド様が常連になるほどのレストラン!。 

 

 商業ギルドからレシピを買い再現させた事もあるわ!悔しいけど、確かにあんな大胆な料理を作る独創性のある料理人はうちにはいない・・・・・しかも味を再現させた料理を八百万にいった事のある子に食べさせたら、なんて言ったと思う?八百万で食べた時の方が美味しかったですって!?そんなはずないわ!?レシピさえあれば、料理人の才能としてはうちの料理人の方が上よ!?ちゃんとレシピ通り再現しているはずだわ!それですら届かないなんて、なんて理不尽なの!?。 

 

 私は顔を見られない様に隠れながら八百万の列に並んでいる、すると開店前なのに冒険者ギルドのマスター、暴虐の戦姫ニーアが当たり前の様に出て来たわ、SSS冒険者だけあってフリーパスの様ね 

 

 するとニーアがこっちを見て声を上げた、私はドキドキしながら顔を隠した。 

 

 「おまえ!どっかで見た事あると思ったら、ラウンズのガウェインじゃないか!?お前もここで飯か?」 

 

 「ヒッ!はい!!そうです!?挨拶が遅れて申し訳ありません!!」 

 

 「なんだよ!そう固くなるなって、ここは初めてか?」 

 

 「いえ!二回目です!初めて来た時の味が忘れられなくて・・・・・」 

 

 「そうだろ!ここの料理は毎回変わるけど美味いんだよ!今日のも美味かったぞ!」 

 

 「ほんとですか!ニーアさん八百万のマスターと仲いいですね、羨ましい」 

 

 「ああ、私達が無理いって飯屋やってもらう事にしてもらったんだ、初めは断られたんだけどな」 

 

 「そうだったんですか、あんなに美味い飯作るのに最初は店やる気なかったんですねぇ」 

 

 「仲良くなって、自分の好きな素材もってくれば、美味い飯に変えてくれるぞ!七色豚もってきた時はやばかったなぁ~」 

 

 「その話知ってますよ、SSSのみなさん大絶賛したって話!マジだったんだ~いいなぁ~」 

 

 「お前も仲良くなって、好きな素材もってくれば、特別に調理してもらえるかもしれないぞ!おっともうそろそろか、じゃあな!」 

 

 「そろそろ俺の番か」 

 

 何今のやり取り!?ガウェインってラウンズ三席の、あの貴族のガウェイン!?そんな人間に気軽に話しかけるって事は、あれが理性ある災害のニーアで間違いないわね!。 

 

 SSSの冒険者にSS級の冒険者で貴族まで、列に並ばせるなんて、どんだけ強気なのよ八百万!。 

 

 それに面白い話も聞けたわ、店主と仲良くなれば、特別に素材をもってくれば調理してくれるのね!?興味あるわ!?。 

 

 そんな事考えていると、私の番がきた。 

 

 店に入ると、談笑して人もいるけど、夢中になって食べている客もいる、何あれ?茶色くてちょっと太めの紐みたいなものを食べている。 

 

 「今日は海鮮やきそばだよ!銀貨1枚でお替りできるからね」 

 

 狐人族の子!あわわわわ可愛いわ!?獣人族の子ってなんでこんなに愛らしいのかしら!?頑張ってお店を手伝っているのね!偉いわ!?。 

 

 そして茶色いそれは運ばれてきた、生の卵の黄身が真ん中に乗ってあり、黒い何かが振りかけられている。 

 

 生・・・・安全とわかっていても躊躇してしまう・・・本当にこれは美味しいのだろうか? 

 

 フォークで巻き付け、紐状の物だけとりあえず、口に運ぶ。 

 

 「んんん!ふぉ!もっちもちでくにくにして不思議!」 

 

 つい声に出してしまった!。 

 

 なんだこれは!もちもちして程よい弾力があり、絡められたソースが酸味と甘みがあり振りかけられた黒いのは海藻の香がする!食べ応えがあり!濃厚でコクのあるソースはどうやって作られているか検討もつかない! 

 

 具にはスケルトンデビル!こりこりとして美味しい!エンジェルシュリンプ!ぷりぷりで繊維一つ一つに弾力がある!牛貝の甘味もタレによく合う!しかも具がごろごろ入っていて楽しい!なんて!なんて個性的な料理!こんなの食べた事ない!?これが銀貨一枚!?冗談はやめてよ!悔しいけど!とても悔しいけど!これと比べたら私達の料理なんて・・・・・・。 

 

 美味しい!とんでもなく美味しいわ!この紐・・・・麺といったかしら、これには可能性が沢山の可能性が広がっているわ!これは商業ギルドで麺についてのレシピも購入しないと!? 

 

 この複雑なタレについても知る事が出来るのかしら?それは欲張りすぎね・・・・。 

 

 もっちもちの麺ののど越しとタレが私を魅了する!八百万のマスターは弟子などはとらないのかしら?こちらからぜひ指導をお願いしたいわ!それにこの店明日には別の料理を出すのよね?つまり・・・・この麺は次いつ食べれるかわからないって事!?次の日のメニューも気になるけど、この麺がまたいつか食べられないと知り、私は思わずお替りをしてしまった。

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