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ヒロインと仲直り大作戦

アタシがどんどん遠ざかって行くヒロインのエメラルドちゃんと、王子の親友兼エメラルドちゃんの守護神ガーネット様ことガネガネを追いかけようとすると、頭に直接サファちゃんが話しかけてきた。


「無駄ですわよ。あの2人を追いかけるのはお辞めなさい。」


「何で!?」


 2人に話……いやガネガネはどうでもいいんだけど。エメラルドちゃんに話かけらないと今回のヒロインと仲直り大作戦は大失敗に終わってしまう。


「ガーネット君に邪魔されちゃったか」


 近くで見守ってくれてたゆいぴーが遠くの方に行ってしまった2人を見ながらやって来た。

 

「そうなんだよ。追いかけようと思ったんだけどサファちゃんにに止められちゃってさ〜」


 ゆいぴーはげんなりした顔で


「何だよ悪役令嬢ちゃん、頼むだけ頼んでおいて人の作戦邪魔するなし!」


 と不満を言った。


「聞こえていますわよ、ゆいなさん。

 別にそのふざけた作戦を邪魔しにきた訳ではございませんわ。ただガーネット様と話そうとしても無駄だと忠告しにきただけですわ。」


 サファちゃんも若干不満そうな声でそう言うとすかさずゆいぴーが


「ガーネット君に無視されるのは日頃の悪役令嬢ちゃんの行いのせいですけどねー」


 と、つっかかってきた。


「あらあら、今回の作戦で何もしていないあなたにとやかく言われたくありませんね。あぁ、この作戦をお考えになられたのはあなたでしたっけね」


サファちゃんもつっかっかってきた。


 あれー? もしかしてこの2人って、あんま仲良くない?


「まぁまぁ、別の作戦でも考えようよ」


 アタシは2人の言い合いを止めるべくそう提案した。が。


「じゃあ悪役令嬢ちゃんは何かいい作戦でもおありなんですか? あ、あったら私たちに婚約破棄回避なんて頼まないか!」


「少なくとも貴方よりまともな案は出せますわよ」


 おい無視するなや2人とも!!


 なんか今日は色んな人に無視されるな。ツラ。涙ちょちょぎれそ。


 ゆいぴーとサファちゃんはアタシの悲しみも知らずアタシをガンスルーして話し続ける。


「じゃあ言ってごらんなさいよ、そのまともな案とやらを」


「えぇいいわよ。そうね、ガーネット様は確か動物が大好きだったはずよ。」


「へー。ガネガネ意外と可愛いとこあるやん」


 アタシは無理やり会話に参加してみた。


「そして先ほどここにくる途中に通ったお庭に、小鳥の雛が落ちてしまっているのを見ましたわ」


「えーぜんぜん気が付かなかった、鳥ちゃん可哀想。早く助けにいかないとじゃん」


 アタシはもう脳死で相槌を打っていた。


「なるほどねー、良いよその作戦に乗った!」


作戦……だと……?


「せいぜいその足りない頭で頑張るのね」


待ってサファちゃん全然わからん! 頭足りないからわからんて!

 

「はいはい。どうも。じゃありなちゃん、頼んだよ」


 何を!!??


 ゆいぴーはアタシが返事するのを待たず速攻でガネガネとエメラルドちゃんの方へと向かっていった。


 アタシはもうその様子をポカーンと見守っていた。


 何やらゆいぴーとガネガネが話している。


 しばらくすると、ゆいぴーはガネガネを連れて外へ向かっていった。


 取り残されたのはアタシとエメラルドちゃん。そこで理解した。完璧に理解した。


 あーーね! 動物大好きガネガネなら落っこちた鳥の雛を放っておかないだろうってことね!


 ガネガネがいない今ならエメラルドちゃんと話せるって事ね!


 よぉし、後はアタシに任せんしゃい!


 ガネガネがどっか行ったのを確認し、アタシはノリノリでエメラルドちゃんの方へと向かった。


「エメラルドちゃーーーーん!」


 エメラルドちゃんはびっくりした様子でこちらを見る。


「サファイア様! 何でしょうか」


「今まで色々いじわるしちゃってごめん!ホントごめん。マジごめん。」


「え?」


「私エメラルドちゃんと仲直りしたくって」


 アタシがエメラルドちゃんに謝っていると、突然光の速さで割って入ってきた人がいた。


 赤髪に赤い瞳の……


「ガネガネ!?」


「さっきから誰だそれは!」


「君のことだよ、ガーネットだからガネガネ」


 てか早くね。戻ってくるの早くね。何があった?


 ふと扉の方を見るとゼーゼー言いながらゆいぴーが歩いてきているのが見えた。


 ゆいぴーがアタシに気がつくとごめん。と言うように手を合わせた。ゆいぴ〜君の犠牲は無駄にはしないよ!


「変なあだ名をつけるな! それはそうと、エメラルドにちょっかいかけてないだろうな?」


 何もしてないわ!


 アタシがムッとして言い返そうとするとそれよりも早く、エメラルドちゃんが弁明してくれた。


「ガーネット様、サファイア様からは何もされていませんよ。心配してくださってありがとうございます。それに私もサファイア様とお話がしたいです」


 天使かこの子は。


「エメラルド……いや、最近のサファイア様は何処かおかしい、何か企んでいるのかもしれませんよ」


 ガネガネは声のトーンを落としてそういったが。


 聞こえてんぞーこっちにもー。全く面倒な人だな。


 でもどうするか、ガネガネが妨害して来る限りこの作戦は成功しない。


「よしわかった。ガネガネ、私と勝負だ!」


「何を仰っているのですかサファイア様」


「ちょっと、私の体に傷がつくような事は許しませんよ」


 サファちゃんも慌てて止めに入ってきた。


 ゆいぴーも近くで首を横に振りまくって止めようとしていた。


 が、アタシは止まらない! 今度はアタシがみんなの事スルーしてやるからな!


 アタシは真剣な顔でガネガネに言った


「真剣勝負ですよガーネット様。私が勝ったらエメラルドちゃんとお話しさせてもらいますから! 負けるのが怖いなら別に逃げてもいいですけどね」


「サファイア様、そのような事はされなくても私がガーネット様を説得しますから」


 天使エメラルドちゃんには必死に止めようとしてくる。


「別に怖くなんかないさ。君に負けるつもりもないしね。いいだろう。その代わり俺が勝ったらもうエメラルドにちょっかいをかけるのはやめてもらうよ」


「別に良いよ」


 アタシがそう言うや否やガネガネは呪文を唱えて周りに結界を張り、魔法で片手に剣を出した。


 おおー。かっこよ。でも。


「違う違う、そんな野蛮なことしないし。勝負って言うのはね、エメラルドちゃんを口説き落とした方が勝ちの一本真剣勝負だから」


「は?」


「え?」


「何をおしゃっているの?」


 ガネガネ、ゆいぴー、サファちゃんと全員が困惑する中、エメラルドちゃんはきょとんとしていた。


「はい! じゃあ先行は言い出しっぺの私!」


 全員無視してアタシは強引に事を進めた。


「エメラルドちゃん」


「は、はい」


「私さっきも言ったけど、エメラルドちゃんと仲直りしたいんだ。

 今までも本当は謝りたかったのに、気持ちを伝えるこたができなくて、突然だと思うかもしれないけど気持ちを伝えようと思ってさ。

 エメラルドちゃんは可愛いし、素直だし頑張り屋さんで本当はずっと大好きだったから、これからは仲良くしてくれませんか?」


 アタシはそれはそれは真剣にそう言うとエメラルドちゃんは照れつつ、にっこり頷いてくれた。


「はい! 次はそこでぼーっとしてるガネガネの番」


「え? は? え、エメラルド、俺だって、いや、俺の方が君のことずっとす、好きで、だった……」


ガネガネはどもりまくっていた。


 あ、ガネガネってガチでエメちゃんのこと好きだったんだっけ。ちょっと悪いことしたな。


 だけどエメちゃんにはあまり伝わってなかったようだった。


「私のために勝負に乗ってくださってありがとうございます。でも大丈夫ですよ。勝者はサファイア様です!」


「ウェーーイ!! エメちゃんまじ天使ーー!! そう言うわけだから、ガネガネドンマイ! 」


 アタシはエメちゃんの手を取って、ぴょんぴょん飛び跳ねた。


 ガネガネはふぅ、と軽くため息をつくと諦めた様な顔でこちらを見て


「さっきのサファイア様の言葉は本心のように感じました。俺の負けです。先ほどのご無礼はお許し下さい」


「良いよーガネガネもお友達ねー」


 そう言ってアタシはガネガネとも手を繋ぎ三人でぴょんぴょん飛び跳ねた。


 ガネガネはそれはそれは大層迷惑そうな顔をしていた。エメちゃんはこんなにも可愛く笑ってぴょんぴょんしてると言うのに。


 何はともあれ、これでヒロインと仲直り大作戦は成功! だよね! ゆいぴーの方を見ると放心状態で


「ギャルのコミュ力、怖え」


 と呟いているのが聞こえた。

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