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『捨てられ少女と宝石王子』

「やっば、サファイアちゃん自爆してんじゃん!!うける。」


幼馴染で親友のゆいぴーことゆいなの家で朝からやっている乙女ゲーム『拾われ少女と宝石王子』にででくる悪役が自滅していて、アタシはつい大爆笑してしまった。


「エメラルドちゃんをいじめた報いを受けたね。何はともあれこれで終盤!エンディングの回収も近いよ!ありがとうりなちゃん!」


 りなはアタシの名前だ。


「はぁぁぁ。やっぱりクソゲーはギャルの友達とやるに限るね!オタク同士でやってたらゲーム機ぶっ壊してたところだよ。」


そう、このゲームはゆいぴーに「助けて〜一緒にやろう〜」と言われて今やっている。なんでも、合間合間にある謎の音ゲーが激ムズすぎてストーリーが進められないとのことだった。

ここはリズム感覚抜群のアタシに任せんしゃい!と意気込んで行ったが、マジでむず過ぎてここまで来るのに半日ぐらいかかった。


「いや、アタシもゆいぴーとやってなかったらゲーム機破壊してるわ。」


「私たち、貴重な高校2年生の休日に何してるんだろうね。しかも二週間後テストなのに。」


 急にゆいぴーが悟りを開き始めた。


「ま!親友と馬鹿やってる時が1番楽しいから!」


「それもそうだね!ありがとうりなちゃん!よーし、全部のエンディングを回収するぞー!」


「おーーー!!」


 こうしてアタシとゆいぴーはひたすら『拾われ少女と宝石王子』をやり続けた。

 ちなみにこのゲームのストーリーは、主人公エメラルドちゃんが小さい時親に捨てられていたところをたまたま通りかかったカーネリアンっちに拾われて、そこのメイドとして一生懸命働いているうちにどんどんいろんな能力を身につけていって、ついにはカーネリアンっちと同じ学校に通うことになったのはいいものの、そこで性悪サファイアちゃんの目の敵にされて大変な目に遭いつつなんとか頑張って、最後にはカーネリアンっちが助けてくれてハッピーエンドってっ感じだ。若干ストーリーは分岐して色んなラストがあるらしいけど、大きくは変わらないらしい。

そしてエメラルドちゃんが頑張るたび、アタシたちも何故か激ムズ音ゲーをやらされるのだった。




 深夜、いや、朝5時!アタシたちはついに6個目のエンデング、そう、ラストのエンディングの終盤まで来ていた。

 しかし!睡魔が限界だった。

 そして変な深夜テンションになっていた。


「やばい眠いやばい眠いでも後少しだから終わらせたいーーーー」


 ゆいぴーが睡魔と必死に戦っている。しかし目は半分以上閉じていた。


「アタシ正直もう無理かも…………」


 今なら立ったまま寝られそうなぐらい眠かった。


「りなちゃぁぁぁぁぁぁん」


「今までありがとうゆいぴー。後はたのん…………zzzz」


「ぎゃーー置いてかないでーー

 あ!こんなところにハリセンが!起きろぅ!」


 スパコーーーン


「………………っは!ゆいぴー今アタシ幽体離脱できたかも!」


「え?ガチまじほんと?」


「ハリセンで幽体離脱できるわ。あ!いいこと思いついた!幽体離脱してゲームしよう!」


「そっか!そしたら体は寝てるから眠くなくゲームができるかも!」


「よし!お互いをハリセンで思いっきり叩こう!」


「「せーの!!」」


 スパコォーーーーン


 この時のアタシたちはIQマイナス百億ぐらいだったから、まさかあんなことになるなんて思いもしなかったんだ。

 

 

 

 

 

読んでいただきありがとうございます。

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