少女、星を詠む―止まない雨―
夜というのは、私が唯一堂々と立てる独壇場だ。
真っ黒な幕が降りた後の、静かなステージ。ここでなら、思い描いた詩を描いてつなぎ結ぶことができた。
私の全てが詰まった夜に、特別な名前をつけた。
「星座」という素敵な響きを。
....空を見上げれば、幾つもの線がある。今夜は雨降る夜だった..
空っぽの闇夜に落とす雨
ポツポツと空に幾つものノックがかかる
それではと
私は扉を開け君を出迎える
やぁ何も言わずについておいで
君はそんなことを言って
私の手を取り
ただ駆ける
交わる光と響くサイレンの中を
道行く余所者にぶつかりながらも
無闇に駆ける足を速く
転ぶのさえ厭わないほど
廻々回る
退屈な
でも寂しくない
そんな夜を歩いていた
....きっと今日は止まらない。なら行ける所まで行こう。
夜は長いから。