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初夏
今年もなんとか蛙の鳴く声を聞けた
田んぼが減って
少し遠くまで行くことになったけれど
水を張って田植えをしたばかりの田
くゎくゎくゎくゎくゎくゎと聞こえる蛙の声
生きているなあと
久しぶりに思えた
街は変わってゆくし
人の世も変わってゆく
自分の体も老いてゆく
変わらず聞けた蛙の声も
いつまで聞くことができるかは
わからない
ただ、出来ることならば
今の世の中の動きを考えると
難しいかもしれないけれど
千年経っても
万年過ぎても
田んぼがあって
蛙たちが鳴いていてほしい