②友達の希良梨ちゃん
今回はご覧いただきありがとうございます。前回のお話をお読みになって頂くと今回のお話の流れがわかるかと思います。
「お嬢様、失礼します。希良梨様がいらっしゃいました」
ゲイルさんのそういう声が聞こえて、ドアが開く。
そこから出てきたのは、いかにも上品そうなハーフアップの女の子。
もしかしてこの子が、さっきルイさんが言っていたお友達?
「ごきげんよう、光莉」
希良梨さんがひらひらと手を振ってきたので、私も笑顔をつくって手を振った。
「ご、ごきげんよう」
「それではゆっくりなさいませ。わたくしはこれで失礼します」
ゲイルさんが頭を下げて、ドアを閉めて行く。
「光莉、お菓子を持ってきたの!一緒に食べましょう?」
「ええ。わかりましたわよ。食べましょう!」
ど、どうしよう。お姫様っぽく言ってみたらおかしくなっちゃった。
だから希良梨さんは少し不思議そうな顔をしている。
「これよ!ポテトチップスうすしお味!スーパーマーケットから執事が買ってきたの。私はこれ食べたことないけど、食べてみたかったのよね」
希良梨さんが目をキラキラと輝かせている。
ポテトチップスを食べたことない!?私は食べたことあるんだけど、希良梨さんはお嬢様だから庶民のお菓子は食べたことないのか!
美味しいよ、って言うのはやめておこう。
ここの家もお金持ちのお嬢様っぽいもんね。うん。
パン!
希良梨さんがポテトチップスを開けた。
「光莉、お皿出してくれません?」
「わ、わかりました!」
何やってんの私ー!
お皿の場所なんてわかんない!ていうかわかるわけない!
とりあえず廊下に出てみた。
それでメイドさんや執事さんを探すと、人がいた。
「すみません、お皿ってどこにあるんですか?」
私が声をかけると、その人が振り向いた。
「お嬢様?少しお待ちください」
そういうと、メイドさんがどこかへぱたぱたと走っていく。
1分くらい待ったところで、メイドさんが帰ってきた。
「お皿です」
「ありがとうございます!」
メイドさんが持ってきてくれたお皿を持って、急いで部屋に戻る。
「光莉、遅かったけど、どうかしましたの?」
「ううん!何にもないよー」
私は笑ってごまかす。
場所がわからなかった、なんて言えない!
希良梨さんがポテトチップスをお皿の上にのせる。
「「いただきます!」」
二人で手を合わせて、ポテトチップスを手に取って、一斉にポテトチップスを頬張る。
「美味しいですわ!しょっぱくて美味しい!」
希良梨さんが感動して次々とポテトチップスを頬張っていく。
私はこの味知ってるから、やっぱ美味しい!、と思うだけだけど。
ピピピッ
希良梨さんのスマホが鳴って、希良梨さんがスマホを見る。
「あ、私、もうお城に戻らなくちゃいけないわ!じゃあ、また明日学校で!」
「ま、また明日〜!」
希良梨さんは部屋を出て自分のお城に戻っていく。
学校って、この世界にも学校あるの!?
でも帰ったし、これでとりあえず一安心、かな?
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