5 たこ焼きと間接キス
※アホの子なので、本心ではあっても本気ではありませんのでご注意をm(*_ _)m
「おお!たこ焼きだー!雪菜ちゃん、食べようよー!」
「今食べたら、夕飯入らなくなるわよ」
「そうなの?」
「……まあ、でもあなたなら大丈夫かもね。いつも凄く食べてるし。ていうか、その割にそこまで運動してるようにも見えないのに、あんまり変わらなく見えるわね。なんで?」
じーっと、胸を見て呟く雪菜ちゃん。
そっちを見ても答えは出ませぬよ?
「んー、でも、私そこそこ運動してるよー」
「そうなの?」
「うん、朝走ってるし。ただ、食べれば食べるほど胸だけ大きくなるんだよねぇ……なんて――はっ!」
ゆ、雪菜ちゃんから般若が見える!
これがバトル漫画的なオーラ的な力か!
「で、でも、雪菜ちゃんだって、凄くスリムじゃない。お肌とかも綺麗だし、食べちゃいたいくらいモチモチだし!」
思わずその細腕を見てしまう……あかん、めっちゃ美味そう。
じゅるり……
「……あなたが言うと洒落に聞こえないわね」
「本気だしねぇー」
「はぁ……まあ、私は食べると夕飯食べれないから、食べたいなら好きにしなさい」
「わーい!」
許可を貰ったので、たこ焼きを1つ買ってくる。
その時に、マヨネーズを付けないで貰うことを忘れない。
ふ、マヨネーズは私には不要なのだよ……
「マヨネーズ、苦手なの?」
ご機嫌にたこ焼きを持って帰ってくると、それを見て首を傾げる雪菜ちゃん。
「うん、あんまりすきじゃないんだよねぇー、それに、たこ焼きとかはソースと青のりとかだけの方が美味しいって思うし」
「まあ、いいけど……食べるんでしょ、そこに座りましょう」
近くのベンチに腰を降ろすと、早速一口。
はふ、はふ……
ふぅ……焼きたては熱いけど、美味しいなぁ……
「……本当に美味しそうに食べるわね」
「雪菜ちゃんも、お一つどーぞ!」
「あなたのでしょ?貰えないわよ」
「もしかして、交換とか食べさせっことかやったことない感じ?」
その質問にギクリとした視線を逸らす雪菜ちゃん。
「あなたには関係ないでしょ……」
まあ、そういう子も居るかぁ……そんな子を堕とすのが私の楽しみなんだけどねぇ(ニチャァ)
「ほれほれ、私のたこ焼きが食べれんのかね?」
「それ、パワハラ案件よ。全く……」
雪菜ちゃんは、呆れつつも、私の差し出したたこ焼きを、髪がかからないように自然にかきあげつつ、小さな口で食べる。
その仕草が妙に色っぽくて、近くの男性客の何人かは反応してたけど……むふふ、この美少女は私専用なのだよ、モブは黙ってこの百合百合しい光景を今夜のおかずにするといいのよさ!
「あふっ……」
やはり、まだアツアツだったからか、そう吐息を漏らす雪菜ちゃん。
不思議だ、全く健全な行為しかしてないはずなのに、なんでそれだけでエロく思えるんろう。
私の心の汚れ方の問題かな?
「ほい、お茶」
「ありがとう……」
さりげなく買っておいた緑茶を渡すと、クイッと口を潤す。
ふふふ、雪菜ちゃん、気づいてないようだね。
そのお茶を買ったのはこういうことを見越しての伏線……そう、関節キスを合法的にふるためのね!(バーン!)
あらあら、それに気付かずに無邪気に飲みおって……ふふふ、その涼やかなお口もとと間接的かつ、合法的に触れ合える……関節キスはいいものだにゃあ。
「……さっきから、ニヤニヤしてどうしたの?」
「うんうん、何でもない」
「即答する時、大抵あなた嘘ついてるわよね」
……雪菜ちゃんに、癖を見抜かれつつある件について。
これは……雪菜ちゃんからのアプローチ!
はっ!だとしたら、ベットインは目前かも!
「……相変わらず表情がころころ変わるわね。でも、たこ焼きありがとうね」
少し照れつつ、そんなことを言われてしまう。
で、デレ期と取っていいですか?
しまった!録音を忘れてた……お義母さんに聞かせようと思ってたのに……
「いや、録音なんてしてたらドン引きよ。というか、なんで父親ではなくて新しい母親に真っ先に聞かせるのよ」
「え?だって、お父さんがそれ聞いて雪菜ちゃんに欲情したら一気に家庭崩壊だよ?」
「私が言うのもなんだけど、もう少しお父さんを信じなさいよ」
いやーだって、現役美少女女子校生のデレた音声だよ?
マニアでなくても高値で売れるレベルだよ。
むしろ、私が欲しいもの!
「はぁ……あなたのお父さんの苦労、少し分かったわ」
「え?まさか、雪菜ちゃん……」
私の頭の中で、お父さん(何故か前髪が伸びててギャルゲー主人公風)に覆いかぶさっている雪菜ちゃんが浮かび上がってくる。
『私、もう我慢できないの……お父さん、私をめちゃくちゃにして!(ここ、萌えポイント!)』
キャー!
お父さんに雪菜ちゃんが寝取られたぁ!
そうなると、余った私はお義母さんと禁断の関係になって四角関係に……家庭崩壊待ったナシ!
「ほら、アホなこと考えてないで食べ終わったなら行きましょう」
「はーい!」
うむ、たこ焼き美味しかった。
密かに先程の雪菜ちゃん使用済みのお茶で喉を潤してから、ゴミを捨てて雪菜ちゃんを追いかける。
四角関係はお預けかなぁ……でも、迫る雪菜ちゃんはえがった、げへへ……
そんな私に呆れた目を向けつつため息をつく、雪菜ちゃん。
何だかんだて適応力強いよね。