魔王襲来 その36
「モモエル様」
部下達が一斉にモモエルの周りに駆け寄り、モモエルを守るように周りと取り囲む。
「お妃様、モモエル様をお許し下さい」
「モモエル様は研究バカですから、そんなたいそうな事は考えられません」
「それを知っていて止められなかった、我ら部下一同の責任」
「罰するなら我ら部下一同をお願い致します」
部下達が一斉にお妃様の前に跪いた。
「いいのよ、どうせまたタマーリンにそそのかされたんでしょ?」
お妃様は微笑む。
「あなたは研究バカですものね、こんなこと考えも付かないわよね。うふふふ」
楽しそうに笑う。
「あらあらあら、これミケラ?」
櫓の下には小さい魔法投影機が6個置かれ、その一つにミケラが映し出されているのを見つけたのだ。
ここで櫓の上の魔法投影機に映す映像を切り替えているのだった。
「本当にこれは凄いわ、軍事目的だけで使うのは勿体ないわね」
お妃様はモモエルに向き直ると、
「こちらにおいでなさい」
手招きをする。
モモエルがおっかなびっくり近寄ると、
「よくやりました」
とお妃様はモモエルの頭を撫でる。
「なっ・・・あわわわ・・・・・・」
突然の事に対応出来ず、モモエルの頭が再びフリーズしてしまう。
「王様に言ってもっと色々な使い方を考えてみましょう、その為に予算も人も付けましょうね」
その言葉に跪いていたモモエルの部下達が深々と頭を下げた。
「とは言え、主犯のタマーリンには少しお灸を据えてやらないと。本当にあの子ったらいつまでも子供気分が抜けなくて困ってしまうわ」
と袖まくりをしてお妃様はタマーリンのいるステージに向かっていった。
下の騒ぎを余所に、ミケラ達は着々準備をしていた。
チャトーミを身を隠しながら屋根伝いに広場を見渡せる位置に待機。
小妖精三人は、待機用の椅子の上でのんびりと寛ぎながらお菓子を食べている。
「三人ともまとまっているね」
それを確認して顔を上げると、マオから合図が来た。
チャトーミも合図を返す。
マオは頷く。
ポンポンポン ポロロ~~~ォォン
唐突に広場に口ギターのメロディーが響き渡る。
「どこだ、どこだ」
「どこから聞こえてくるの?」
チャトーラや街の住人達が音の出所を探し回る。
「あそこだ!」
住人の一人が指を差した。
マオが倉庫の一番高いところに立っているのを見つけたのだ。
一斉にマオの視線が集まる。
「そこまでだ、ダー・・・じゃない、予が小妖精達を救いに来たのじゃ!」
マオが広場全体に聞こえるように宣言した。
執筆に使っていたポメラが壊れました。
液晶とキーボードがバキッと折れてしまって2つに。
使用不可能ではないのでしばらく使えそうですが、買い替えの時期だったのかも。
電池のモチがかなり低下していたので。
さらばポメラ、今までありがとう。
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