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魔王襲来 その24

「タマーリン、貴方何をしているの?」

 そこへサビエラを伴ったモモエルが姿を現す。

「貴方こそ、ここで何をしているんですの?貴方の持ち場は櫓の下でしょ?」

「そうそう、三機の予定だった一つ目ちゃんを六機に増やす事にしたからそれをお知らせに来たのよ」

 一つ目ちゃんとは一つ目コウモリの事だ。

「六機?三機でも運用大変だって言っていたのに大丈夫なの?」

「ほほほ、明日は死屍累々で仕事にならないでしょうね。だからお休みにしたわ」

「あら、それなら安心ね」

 二人は楽しそうに笑う。

 それを聞いていたチャトーラはモモエルの手下の魔術師達に合掌した。

「それはそうと、お前らインチキしないだろうな?」

「インチキってなんですの?」

 モモエルが聞く。

「姫様を勝たせる為に有利になるように力を貸したり、俺たちの妨害をしたりするとがだよ」

 モモエルとタマーリンの目が一瞬怪しく光った。

「嫌ですわ、鬼ごっこが始まったらわたしは指示を出すのに忙しくてそんな事する暇はありませんわよ。ねぇ、タマーリン」

「そうですわよね、わたくしだってここで状況を皆様にお知らせする仕事がありますから、そんな事する余裕なんて有りませんわ」

 二人とも殊更、忙しくてインチキをする暇がない事を強調する。

「それが逆に怪しいって言うんだ」

 チャトーラが余計に怪しむ。

「この二人、ミケラ様の為なら不正行為をする事を厭わないですから。わたしがしっかりと見張ってます」

 サビエラが釘を刺す。

「ちっ」

 タマーリンとモモエルが同時に舌打ちをした。

「遊びにインチキしちゃダメなんだよ」

 そこへミケラが割り込んでくる。

「遊びでインチキすると次から誘って貰えなくなるんだから、仲間はずれにされるんだよ」

 子供にも子供なりのルールがあるのだ。

「遊びでインチキするなんて、大人がしちゃいけないんだよ」

 とミケラに言われ、

「はい、済みませんでした」

「不正・・・インチキは致しません」

 としょぼんとするタマーリンとモモエルだった。

「なあ、あの二人。六歳児に諭されておるんじゃが、本当に本当にこの国は大丈夫なんじゃろうな」

 とマオに聞かれ、武茶志は笑って誤魔化すしかなかった。


(Copyright2022-© 入沙界 南兎)

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