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魔王襲来 その12

「戻ってくるまでしばらく時間が有りますわね」

 と言いつつ、モモエルはチラチラとミケラの方へ視線を向ける。

 タマーリンも溜息をつくと、

「貴方の好きにすればいいんじゃないの」

 その言葉が終わらないうちにモモエルはミケラに向かって走り出していた。

「ミケラさまぁぁぁ!お久しぶりですぅぅぅぅ」

 ミケラに駆け寄ると速攻で抱き上げ、肩車をして広場に向かって走り出す。

 ミケラも馴れたモノで、モモエルに肩車されてきゃっきゃっと喜んでいた。

「この国はあんなのばかりなのか?」

 マオがチャトーラに聞く。

「いやぁ、あれは特別というか・・・姫様の周りに特別な奴ばかり集まるというか・・・・・・」

 チャトーラは返事に困って頭をポリポリ搔く。

「なんて言うか、姫様って変な奴ばかり引き寄せちまうんだよな。旦那とかタマーリンとかクロとか」

 納得のメンツだ。

「なんとなく判る気がする、あやつといると面白そうな事が起きる気がするからな」

 マオは楽しそうに笑う。

「お前さんも、姫様に引かれて寄ってきた口かもな」

 ミケラには周りの者を引き寄せる不思議な力があるなとチャトーラは思っていた。

「そんな姫様に引き寄せられた口だけどな、俺たちも」

 チャトーミを見て笑う。

「そうだね兄ちゃん、姫様といるとワクワクが向こうからやって来て面白いもんね」

 チャトーミも無邪気に笑う。

 そのミケラを肩車したモモエルが広場を一周して戻ってきた。

「楽しかったですわね、ミケラ様」

 肩で息をしながらモモエルは心の底から楽しそうに笑う。

 生まれたばかりのミケラをタマンサに預けざるおえなくなった王様が、ミケラの様子を見る為に選んだのがモモエルだった。

 忙しい仕事を縫ってミケラの様子を見に行っていたモモエルは、育つに従って愛らしさを増すミケラの虜になってしまったのだ。

「ミケラ様の為なら、地位も親兄弟でも捨てますわ」

 タマーリンですら頭を抱えるような事を平然と口走るのは困りもであったが。

「さてさて、皆さん、遊んでいないでこちらに集まって下さいな」

 タマーリンが皆を呼び集める。

「なんだよ」 

 チャトーラがブツブツ文句を言いながらタマーリンの側に行く。

 その後にチャトーミ、武茶志が続いた。

「これからあなた方には鬼ごっこをして貰いますわ」

「鬼ごっこって、あの子供の遊びのか?」

 一同が一段高いところにいる立っているタマーリンを見上げる。

「鬼ごっこ、わたし大好き」

「あたしも得意だよ」

 ミケラとチャトーミは大喜び、ミケラが喜ぶ事には当然、虎次郎も付き従う。

「しゃあねえな、姫様が乗り気なら付き合うしかないか」

 チャトーラは肩を竦めた。


(Copyright2022-© 入沙界 南兎)

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