ケットシー物語 クロ、故郷に帰る 54
「お前じゃん、お前」
「四露死苦、四露死苦」
シルゥとリーがチャトーラの頭の上を、はやし立てながら飛ぶ。
「うっせえ、こいつら」
チャトーラが、はやし立てるシルゥとリーを追い払おうと手を振り回すが、二人ともチャトーラの手をひょいひょいと避けて飛ぶ。
「のろま、のろまの駄猫じゃん」
リーが空中でお尻ペンペンをした。
「ムカァ、お前ら許さねぇ」
顔がみるみる真っ赤になり怒髪天の形相となった。
「許さない前に捕まえてみじゃん」
「四露死苦」
シルゥとリーが逃げる。
「待てこの野郎」
それを追い回すチャトーラ。
「兄ちゃんも、いつまで経っても子供ね」
それを生暖かい眼差しで見つめるチャトーミ。
ミケラとサクラーノは網を壊さないように練習をしているライリュの近くまで来た。
虎次郎、レッドベル、白妙、黒妙はミケラを中心に四方向に少し離れる。
「おおっ」
「面白い」
大人にとっては面白くない事でも、六歳児にとっては楽しさ一杯、ワクワク一杯なのだ。
大きな手で網を壊さないように力を入れたり緩めたりするドラゴンが、ミケラ達には新鮮でワクワクに見えたのだった。
「ドラゴンさん真剣だね」
チャトーミもミケラ達と一緒にキラキラとした目でライリュを見上げる。
「そうじゃな」
マオットもいつ網が破れるかと、ハラハラドキドキしながら見上げていた。
「そんなに見つめられると照れるのさ」
ミケラ達に四人の熱い視線を感じ、照れるライリュ。
「よそ見をするな、手元が狂うぞ」
集中力が切れたライリュをクロッポが注意をする。
「す、すみません」
慌てて手元に集中しようとして、ライリュが思わずバランスを崩してよろける。
よろけたライリュの巨体がミケラ達の方に迫る。
固まるミケラとサクラーノ。
猫は驚くと固まって動けなくなる事がある、ミケラ達はその状態に陥ったのだ。
最初に動いたのはチャトーミ。
「姫様、サクラーノ」
二人の身体を咄嗟に抱えて走った。
一瞬遅れてマオットが飛ぶ。
虎次郎達はライリュの方を見ていなかったので、一瞬反応が遅れてしまい、走り出すポーズで固まっていた。
ミケラの方に走り出そうとして、その前にチャトーミがミケラとサクラーノを抱えて逃げたので動けなくなってしまったのだ。
「びっくりしたね」
ミケラとサクラーノを抱えて、チャトーミがニコニコ笑う。
幸い、ライリュもなんとか踏ん張り倒れるのを堪えたので、事無しで済んだのだった。
もし倒れていたら、ケガ人が出なくてもひと騒ぎ起きていただろう。
後書きです
最近キャラが増えすぎて、たまにしか出ないキャラの名前が出てこないことが増えました。
今回だと小妖精たちの名前なんだった?
と慌てて一話目を読み返してみたりw
四年も書いていると、キャラが増えるのは仕方ないとしてもキャラの管理が大変になってきました。
他の作家の方たちはどう管理しているのかな?
未熟者め、全て脳内で完璧に管理しているわいフハハハハ
と言われそうw
ポンコツと思っているので、ポンコツはポンコツなりに頑張ります(^O^)/
また来週(^^)/~~~
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