表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
596/616

ケットシー物語 クロ、故郷に帰る 43

「二人ともいい加減におし」

 お妃様が止める。


「だって」

 ミケラが頬を膨らませるが、


「ミケラ様、お魚のを獲りに行くのでしょ?」

 タマーリンに言われて、


「そうだった」

 自分達がこれから何をしに行くのか思い出す。


「マオットちゃん、いこ」

「うむ」

「魚獲り行くぞ」

 マオットを真ん中にして手を繋ぎ、ミケラ達三人はドラゴンの方へ向かう。


「それじゃ、ドラゴンの皆さんお願いします」

 ドドンゴの合図で、ドラゴンがそれぞれ首を下げ、首から下げたカゴが地面に着く。


「皆さん、お好きなカゴに乗って下さい」

 クロッポの乗っているカゴには、ドドンゴ達漁師が既に乗っていて、そのカゴに虎次郎とチャトーラが乗る事に。


「・・・」

 ミケラと一緒のカゴに乗るつもりでいた虎次郎は、ショックで固まる。


「だんな、諦めな。女ばっかのカゴに乗っても居心地悪いだけだからよ」

 チャトーラに肩を叩かれ、渋々ドドンゴ達のカゴに乗るのだった。


 マオットと手を繫いだミケラとサクラーノは、顔見知りのキャメルの所に行く。


 チャトーミが身軽にカゴに乗り込むと、

「姫様」

 手を出すが、背の低いチャトーミでは全然届かない。


「ミケラ様、サクラーノ。そこに並んで下さいませ」

 ミケラとサクラーノがカゴの前に並ぶと、


「浮遊」

 タマーリンが超高速で呪文を唱え、ミケラとサクラーノの身体が浮き上がり始める。


「チャトーミ、受け取りなさい」

 言われるまでもなく、チャトーミは手を伸ばしてミケラとサクラーノの手を取り、カゴの中に引っ張り入れるように抱き締める。


「タマーリン、いいよ」

 その声と共に、タマーリンは浮遊の呪文を解き、ずしっとミケラ達の体重がチャトーミにかかったが、チャトーミは平然とそれを抱える。


 走るのが得意なだけあって、見かけによらず足腰が強いのだ。


 タマーリンも自分に呪文をかけて同じカゴに乗ろうとしたが、それより素早く乗り込む影が三つ。


 マオットと白妙、黒妙だ。


 マオットはともかく、白妙と黒妙は昨日お妃様に怒られたばかりなので必死だった。


 これでミケラと別のカゴに乗り込もうものなら、後でお妃様にどれだけ怒られるかわかったものではない。


「がるるるる」

 カゴの中から、今にも食い付きそうな形相で黒妙がタマーリンを睨んだ。


「仕方ありませんはね」

 かごにはこれ以上乗れそうもなかったので、タマーリンはライリュの方のカゴに飛ぶ。


 残りの女性陣がライリュのカゴにそれぞれが乗り込んだ。


                       (Copyright2025-© 入沙界南兎いさかなんと)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ