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ケットシー物語 クロ、故郷に帰る 40

「ドラゴンさんが、お魚さんを網まで運ぶの?」

 ミケラはサクラーノと顔を見合わせ、互いに首を捻る。


 話の意味がよく判らなかったから。


 ある意味、間違ってはいないと言えば間違ってはいない。


「どう説明したら・・・」

 その様子を見て、説明に困りキャメルはドドンゴの方を見る。


「俺っちに聞かれても困るぜ」

 ドドンゴも困った顔で、周りを見回す。


「説明するより、見て貰った方が話早いよ」

 ドドンラの言葉に、


「そうだな、それが一番だな」

 我が意を得たりとばかりに、ガハハと笑うドドンゴ。


「確かにな。変な説明より、その方が良いだろう」

 クロッポも頷く。


「でもさ、クロッポさん。今から湖に行って漁して帰ってきたら、夜になっちゃうよ」

 キャメルが心配顔でミケラ達の方を見た。


 ドラゴンの翼でも、それだけかかる程遠いという事なのだろう。


「大人だけならいいが、確かに小さい子供がいるからダメだな」

 クロッポもミケラ達の方を見て首を横に振った。


「明日でいいんじゃない?急いでるわけじゃないだろ?」

 ドドンラがタマーリンの方を見る。


「そうですわね、クロ・・・神龍様の用事のついでに来ているだけですからわたくし達」

 タマーリンがミケラの方に向き、


「ミケラ様、明日、キャメルさんの漁を見に参りますわ」

 ミケラに伝える。



「明日?明日、お魚獲りに行くの?」

 ミケラの目がキラッと輝く。


「はい、明日キャメルさん達と参ります」

 その言葉に、ミケラの目の輝きが一気に増した。


「やった、明日お魚獲りに行くんだって」

「おお、やった。お魚獲りだ!」

 ミケラの話を聞いて、サクラーノも喜び跳ねた。


「あの、ミケラ様がお魚を獲りに行くわけでは・・・」

 タマーリンがミケラ達の喜びようを止めようとしたが、


「いいってことよ、あんだけ喜んでんだ、俺っち達がなんとかするぜ」

 ドドンゴがタマーリンの肩を叩いて止めた。


「そうだよ、向こう行ってしまえばなんとかなるって」

 ドドンラの後押しもあって、タマーリンも納得する。


「そうですわ、明日はみんなでお魚を獲りに参りましょう」

 てのひら返しも速かった。




「と言う事で、明日、ドラゴンさんの案内で全員でお魚獲りになりましたわ」

 宿に戻り、全員を集めて明日、湖に全員で魚獲りに行く事が決まった事を伝えるタマーリン。


「タマーリン、勝手にそんな事決めて」

 話を聞いて、静かに口を開くお妃様。


「ひっ」

 白妙と黒妙が小さく悲鳴を上げる。


 そんな声を出す時は決まって後で、大目玉を食らう時だったから。


                       (Copyright2025-© 入沙界南兎いさかなんと)

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