ケットシー物語 クロ、故郷に帰る 36
「おや、今日は赤いのも混じってるかい。お祝い事があってさっき頼まれたんだけど、丁度良かった」
ドドンラが話しに加わってきた。
「キャメルさん、少し傾けておくれじゃないかい」
「あいよ・・・その前にこっち降ろさないと」
キャメルは掌の上のミケラ達を降ろすと、魚の入ったカゴをドドンラが中に入れるくらいまで傾けた。
「ありがとうよ・・・さて、どれがいいかなっと」
傾けられたカゴの中から、赤い魚を見繕う。
「これとこれがいいね」
カゴの中から二匹、赤い魚を掴み取る。
「プラオさん、お願いしていいかな?」
今度はプラオに声をかける。
「なんだいドドンラ?」
プラオがドドンラの方に首を向ける。
「これを凍らせておくれでないかい」
二匹を持ち上げてみせる。
「その二匹だけでいいの?」
「使うのは三日後だから、その頃溶けるように頼むよ」
ドドンラの注文に、
「判った、手の上に乗せて」
プラオは掌を上にして地面に手を置く。
「頼むね」
その掌の上に、二匹の魚を置くドドンラ。
ミケラ達はこれから何が起きるのか、ワクワクしながら見守っていた。
「見られていると、ちょっと恥ずかしいな」
照れるプラオ。
「そんなに凄い事するわけじゃないけどね」
プラオはフーと掌に息を吹きかける。
「ほいよ、出来た」
掌を地面に置く。
なんと掌に置かれた二匹の魚は氷付けにされているではないか。
「凍ってる、凍ってるよ」
驚く、ミケラとサクラーノ。
「ふふん、ボクはアイスドラゴンだからブレスでなんでも凍らせる事が出来るのさ」
ミケラ達の反応に、嬉しそうに胸を張るプラオ。
「ありがとう、プラオさん」
ドドンラが頭を下げた。
「いいよいいよ、いつもの事じゃない。こうやってドラゴニュートのみんなの役に立つのが嬉しいだけだから」
照れて、慌てて手をパタパタさせる。
「そうだ、ボクのカゴの中も見る?」
照れ隠しにミケラ達に声をかけた。
「見る、見る」
「見たい、見たい」
食い付いてくるミケラとサクラーノ。
「見て見て」
嬉しそうに自分のカゴを、ミケラ達に見えるように傾けるプラオ。
傾けられたカゴの中の魚は、全て凍り付けにされているではないか。
「凄い、みんなカチコチだ」
「カチコチだね」
目を見開いて驚くミケラとサクラーノ。
「こうして凍らせておくと、生の魚も日持ちがするんだよ」
ドドンラが説明する。
「日持ちって何?」
「なんだろ?」
ミケラ達には少し難しい言葉のようだ。
後書きです
「誠に申し訳ございませんでした」
「作者、これで何度目?」
「二、二度目でございますナナ様」
「ふ~ん、二度あることは三度あるって知ってる?」
「ギクッ」
「今ギクッとしたわね・・・この私が指導してあげるわ。プロっと見せなさい」
「ぷ、プロットでございますか?ナナ様のお目を汚すようなものでは・・・」
「いいからおよこし」
「あっ」
「ちょっと15行もないじゃない、こんなのでいつも書いてるの?」
「15行なんて多い方かな、マオの登場回なんて3行だったし」
「自慢になるか!もっとしっかりプロット作っておけば白妙と黒妙の存在を忘れるとか防げていたでしょ?」
「あんまり長くすると忘れちゃうというか・・・」
「何それ?」
「ズイブン前に作ったマオの設定読んだんですが、作者すら知らない新事実が次々と出てきて驚きでした、肩パットにマントとか」
「だめだこりゃ」
また来週(^^)/~~~
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