ケットシー物語 クロ、故郷に帰る 18
「うぬ?・・・ドラゴニュートではないか、全滅しておらんだったのか」
マオ・・・マオットが驚きの声を上げる。
「あら、わたし達の事をご存じですの?」
メグルが少し驚いた表情を浮かべる。
「知っているも何も・・・なんで、予は知っておるのじゃ?」
つい素に戻ってしまう。
そこに、長に連れられてタマーリン達もやって来た。
「みんな揃っているな?」
長がメグル達に声をかける。
「これは神龍様、お久しぶりでございます」
四人はクロに深々と頭を下げてから、
「はい、我ら四姉妹、全員揃っております」
長の方に向き直る。
「この四人が、皆様の滞在中お世話をしますので、なんでもお申し付け下さい」
長の紹介の後、それぞれが自己紹介してから、
「宜しくお願いいたします」
と先ほどミケラ達に見せたように、キレイにお辞儀をした。
「この子達は?それに向こうに見える集落はなんだい?」
お妃様がクロに尋ねる。
「この子達はドラゴニュートという種族です、ドラゴンの亜種ですね」
「ドラゴニュート!」
キマシが素っ頓狂な声を上げた。
「ドラゴニュートって、何百年か前に滅んだはずじゃないの?お爺ちゃんが言ってたよ」
「キマシ、知ってるんだ」
ギリが意外そうな顔でキマシを見た。
「わたしが知ってるわけじゃないよ、お爺ちゃん。お爺ちゃんが昔の事調べるのが好きで、わたしを膝に乗せて色々な事を話して聞かせてくれたんだ」
キマシのお爺ちゃんは、今で言う考古学者みたいな存在なのだろう。
「わたくしも聞いた事がありますわ、その高い能力を疎まれ他の種族に迫害され、過去に滅ぼされたはずですわね」
タマーリンが補足してくれた。
「はい、滅ぶ寸前まで追い詰められたそうですが、神龍様に助けて頂きドラゴンの里に居場所も作って頂きました」
崇めるような目でクロを見上げる四姉妹。
「いやあ、ボクだけの功績じゃないんだけど・・・」
クロは困ったような表情で長の方を見る。
長は長で、
「神龍様は何故、自分を見てるんだろう?」
と首を傾げるのだったが。
「と言う事は、向こうの集落は?」
「はい、わたくし達、ドラゴニュートの集落です」
集落は街と呼ぶには少し小さいが、村と呼ぶには少し大きいくらいの規模だった。
滅ぶ寸前から、ここまで復活したと言う事だ。
後書きです
水属性の魔法使い、アニメが気に入ったので原作もぼちぼちと読み始めました。
原作を読んで驚いたことは、アニメがめちゃくちゃはしょっていること。
表現の違いもあるに張るんだけどね。
小説で十数行使って描写したシーンがアニメでは一瞬で終るとか。
それでもやっぱり端折りすぎ。
でも逆に妖精王との関わるシーンはアニメの方がしっかり表現していたから、作り手の感性の問題かもね。
このペースだと、三巻まで行くかな?
三巻は見せ場が多いから楽しみ。
また来週(@^^)/~~~
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