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ケットシー物語 クロ、故郷に帰る 12

「そうそう、言うのを忘れていましたけどシャングリラの事は内密にお願いします。ドラゴン達がのんびりと暮らしている場所なので、騒がれるのも困るので」

 実在する事が知られれば、興味を引かれて訪れようとする者は必ず現れる。

 それを心配しているのだろう。


「来られると、やはり困るのか?」

 お妃様が聞くと、


「いえ、危ないので」

 答えは違った。


「ドラゴンが外に飛び出さないように、シャングリラの周りにあれこれ障害を設けてあるんですよ。力のあるドラゴン意外越えられないようにしてあるので、近寄らない方がいいですよ」

 ドラゴンが外に飛び出さないようにする為だったようだ。


「あら、街の近くに時々ドラゴンが来ますわよ」

 タマーリンが指摘すると、


「若いドラゴンが力試しに突破を試みるんですよ。若くて元気だと力試ししたくなるんですかね」

 年寄り臭い事を言うクロ。

 神龍と呼ばれる程なので、それなりの年月は生きているのだろう。


 兎に角、ケットシー王国の周りに時々現れるドラゴンは、若さ故の過ちで飛び出してきたドラゴンのようだ。


「しっかり取り締まって欲しいものですわ、その度にわたくしに迷惑がかかるのですわよ」

 タマーリンは自分に迷惑がかかるという部分をことさら強調する。


「済みません、済みません。こ、故郷に帰ったら、お、長によく言っておきます」

 ひたすら謝り倒すクロ。


 一行の中で、クロは一番立場が弱いのだ。

 順位は新参の三人娘より下。

 つまり最下位。

 神龍なのに。


 クロは超高空をひたすら南に向けて飛ぶ。

 空気が薄く、気温もかなり低くく、ケットシーなど窒息してしまうような所なのだが、虹輝障壁こうきしょうへきのお陰で中は地上と同じくらいに快適。


 ミケラとサクラーノとチャトーミは無邪気にお手玉で遊んでいた。

「あう、またダメだった」

 ドンくさいミケラは三回回すのがやっと、


「うぉぉぉ」

 サクラーノは早く回しすぎて、いつもとんでもない方向に飛ばしてしまう。


「ほい、ほい、ほい」

 チャトーミは器用に何回でも回し続ける。


「チャトーミ凄い」

「凄いぞ」

 二人はチャトーミの横で手を叩いて喜ぶ。


「一個追加して」

 言われて、サクラーノが手に乗せて差し出すと、チャトーミがシュパと手に取り、三個を回す。


 それを繰り返して、なんと十個まで増やしたのだった。

 いつの間にか、ギリ達やお妃様まで見入ってしまい、十一個目を掴み損ねた時には、

「ああぁっ」

 と溜め息が周りから漏れた程だった。

後書きです


kindleで「水属性の魔法使い」が何巻か無料になっていたので、読み始めました。

アニメと違ってテンポが遅い。

一つ一つの描写が細かいんですよね。

頑張って書いてるのに、アニメだと一瞬で表現できてしまう。

小説とアニメの差が如実に出ています。

「薬屋のひとりごと」は原作とアニメの差をあまり感じなかったので、表現の仕方の違いなんでしょうね。

小説は奥が深いですよ。

どこまで書いても正解がない。


また来週(@^^)/~~~


                       (Copyright2025-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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