ケットシー物語 トラスロット奔(はし)る 120
【広場から家に帰る途中の話】
「オーラは生命の力、回復魔法は魔力をオーラに変換して行う。興味深いですわね」
マオに話を聞いてから、頭の隅で考えて続けていた。
「もしかしたら」
思いつきで、魔力感知を使いながら回復魔法を使う時に変換される力を思い浮かべ、それに意識を集中してみる。
魔力感知の景色が一変した。
魔力感知では真っ暗な背景に白いモヤのようなモノが頭の中に浮かび、そのモヤの大きさと濃さで相手の魔力の大きさを測っていた。
オーラ集中に切り替えた途端、暖かな光の空間の中に幾つもの虹色の輝きが頭の中に広がったのだ。
虹の輝きがオーラの輝き、生命を持つ者達の輝き。
「これがオーラの輝きですの?」
驚きと共に、自分の近くに大きな輝きを見つけた。
「あの位置はゆい?天使というのは本当なのですわね」
ゆいのオーラは、ひときわ目立つ眩しい程の輝きを放っていた。
ゆいの直ぐ隣に暗い輝きがひとつ。
「これは・・・トランスロット?」
ゆいがべったりくっついて歩くのは、トランスロット以外いない。
「トランスロットは・・・まだタレントが発現していませんでしたわね。タレントとオーラは何か関係あるのでしょうか?」
オーラについての知識は持ち合わせていないので、流石のタマーリンもその問題については頭を捻るしかない。
トランスロットの近くに、ゆい程ではないが強い輝きがふたつ。
「これはミケラ様とサクラーノですわね、お二人とも輝きがそっくり同じですわ」
流石に同じ魂を分け合った魂の双子である。
そしてミケラの傍らにはどす黒い闇が漂っていた。
「これは・・・マオですわね。自称ではなく、魔王だというのは本当のようですわ」
魔王とは魔族の王のことだ。
魔族とはこの世の生き物全てと理が異なる存在であり、本来は相容れないモノはずなのだが・・・
「伝承では魔王をしばき倒して配下にしたそうですが、本当のことだったのですね・・・あの方の何でもありには本当に驚かされますわ」
ミサケーノの傍若無人さに、思わず苦笑いをしてしまうタマーリン。
それから周りより少し強い輝きが、離れた場所から自分達を尾行しているのに気がつく。
「白虎ですわね」
忍びの里の者は他のケットシーより身体を鍛えているので、オーラの輝きが強く出てしまうようだ。
「むふ」
白虎の存在に気がついたタマーリンは悪い顔で笑うと、家の前でミケラ達に、
「用事が出来ましたので、先にそちらを済ませて参ります。お昼は後で頂きますわ」
と告げてミケラの家の裏手に回り込む。
「ここなら白虎から見えませんわね」
白虎のいる場所は判っている。
タマーリンのいる場所は、白虎からは完全に死角だ。
裏路地を浮遊魔法と風魔法を駆使して飛び、白虎の背後回り込むと、
「パラライズ」
麻痺させてしまう。
「確保ですわ」
あっさりと白虎はタマーリンに確保されてしまったのだった。
「では、お持ち帰りですわね」
魔法で浮かされ首根っこを掴まれると、そのままミケラの家にお持ち帰りとなった。
後書きです
ミーランダの名前をど忘れして、書いたのを読み直しまくりました。
読み直して、面白いじゃんと思ったのは内緒(自画自賛モード)
でも、それ以上に驚いたのは誤字脱字、文法んの間違いの多さ。
推敲はしてるんですけど、自分で推敲した気になっていたようです。
推敲の数を増やすには早く書いて、しっかり寝かして十分発酵したところを推敲するのが一番。
音読するのもいいみたいですけど、図書館やファミレスでやったら、
「ママ、あの人ぶつぶつ言ってる」
「しーっ、見ちゃいけません」
と言われかねないし。
家でやって、ご近所から
「〇〇さんの家から時々変な声が聞こえますわ」
「最近物騒だから、怖いですわね」
と言われるのも嫌だ。
難しい。
また来週(@^^)/~~~
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