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ケットシー物語 トラスロット奔(はし)る 114

「相談があるんだけどさ」

 ミサケーノはミケラとサクラーノに話し掛けた。


〈なあに?〉

〈どうしたの?〉


「また遊びの時にわたしに変身してくれる?」


〈いいよ、ピョーンと跳ぶの楽しいから〉

〈ビューンと走るのは面白い〉


 ミサケーノとして行動するのは、二人とも楽しいようだ。


「何時もでなくてもいいからね」


〈うん〉


 二人から元気よく返事が返ってきた。


「ありがとう」

 ミサケーノはニコッと微笑む。


「時々しか来れないけど、その時は遊んでね」

 その言葉に子供達の顔が一斉に笑顔になる。


「ホント?ホントにまた来てくれる?」

「うん、約束する」

「わぁぁ」

 子供達が歓声を上げた。


「それじゃあ行くね」

 ミサケーノは手を振りながら広場を後にする。

 子供達もミサケーノの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。


「変身解除」

 建物の影に入ると、ミサケーノは変身を解除した。

 七色の光に包まれると、二つに分かれてミケラとサクラーノの姿に戻る。


「楽しかったね」

「ビューンと跳ぶの面白かった」

 二人に戻ると同時に、子供達と跳んだことが口から出る。

 二人で盛り上がり、キャッキャッしている所へ、


〈その事はみんなに言っちゃダメだからね〉

 

 ミサケーノの声が二人の頭の中に響く。


「どうして?」

「だめなの?」

 首を捻る二人。


〈わたしに変身出来ることは内緒でしょ〉


 と言われて、

「そうだった」

「忘れていた」

 とのたまう二人。

 どうやら本当に忘れていたようだ。


〈大丈夫かな〉

 苦笑いするミサケーノ。


〈まっいいか、いざとなったらわたしが止めればいいから〉

 開き直る。


〈みんなの所に戻ろう〉


「うん」

 二人は手を繫いで広場に向かって走り始める。


 二人を建物の陰に身を潜め、見送る者があった。

 白妙と黒妙の父親の白虎だ。


「大変なものを見ちまったな」

 今日は寝込んでいる娘二人に代わってミケラの護衛の任に就いていたのだが、ミケラとサクラーノがミサケーノに変身する所を見てしまったのだ。


 しばし考え込んで、クッロウエルとした約束のことを思い出す。

「俺は何も見ていないし何も聞いていない、タマーリン絡みはそれで貫くとしよう。またタマーリンに里を襲われたら堪ったもんじゃない」

 そう呟くと、二人に気がつかれないように後を追う。


 タマーリンの名誉のために言うと、子供の頃に攫われて癇癪を起こしたタマーリンが里半分を焼き払っただけで、タマーリンが自ら里を襲ったわけではないので。

 そのことはご承知おき下さい。

後書きです


また少し書き方を変えました。

些細な変更なので、気が付かない人は気が付かないかも。

少しづつ書き方も変えて行っているので、最初の頃とは文体も違うし色々と違うし、直したい。

もう少し落ち着いたら直しに入ろう。

その前にあれや、これも書かないと。


また来週(@^^)/~~~


                     (Copyright2025-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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