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ケットシー物語 トラスロット奔(はし)る 72

「今、連絡したので、直ぐに来ると思います」

 受付譲が戻ってきた。

「ありがとうございます」

 お礼を言う。



「あなたも大変ね、妹がお姫様になってしまうなんて」

 受付嬢が気さくに話し掛けてきた。

「預かった時から、返す約束だったので・・・でも、五年も一緒に暮らしちゃうとはいそうですかとはいかないし」

「そうよね、判っていたって心が追い付かないわよ。それが普通よ」

 事情は街の住民はほとんど知っていることなので、一部の貴族を除くとミケラとロレッタ達には好意的なのだ。



 そのまま二人は世間話をしていると、サビエラがやって来た。

「ロレッタ、ミケラ様のお呼びと言うことだけど、なんの用事かしら?」

 ミケラは王族なので、呼び出しを受ければ逆らえない。

 しかし、まだ六歳もミケラが呼び出しをかけるとも思えないので、疑問に思うのも当然だろう。



「ミケラ・・・さ、様が呼んでるのは本当よ・・・」

 目が泳いでいる。

「ほ、ほら、一昨日の・・・一昨日の夜の件よ」

 一昨日の夜の件と言われ、サビエラは考え込んだが、

「ゆいのこと?」

 唐突にゆいのことに思い当たる。



「判りました、例の件ですね」

 ニコッと微笑むサビエラ。

 なんとか話が通じてほっとするロレッタ。



「ミケラ様に呼ばれたので、これからい行ってくると伝えて下さい」

 受付嬢に伝言を頼むサビエラ。

「はい、モモエル様に伝えておきます」

 ミケラに呼ばれたなんて、後が面倒くさいので本当はモモエルには伝えたくはないが、王族に呼ばれたことを伝えなければ、それはそれで問題になのだ。

 宮仕えの辛いところだ。


「はぁ」

 魔道研の建物を出た途端に、サビエラが溜め息をついた。

「どうしたの?」

「ミケラ様に呼ばれたと聞いたら、モモエル様が絶対にひがむから。どうやって宥めるか、今から考えると気が重くて」

 うなだれるサビエラ。

 それをロレッタは、苦笑いして見た。



「それで、ミケラ様がお呼びなんて嘘でしょ?」

「うん」

 あっさり認めるロレッタ。

 ミケラの性格なら、呼びつける前に自分で魔道研まで来ているだろう。

 サビエラは、モモエルの代理としてタマンサの家の様子を何度か見に行ったことがあるので、ミケラの性格も良く知っていた。

 だからロレッタも、直ぐに嘘を認めたのだ。



「ゆいが渡したいモノがあるって・・・あの子、ああいう性格だから、魔道研までいくより来て貰った方がいいかなと思って」

 王族の名前で呼びつけるような話ではないのだが、

「これから大きい実験をするから、魔道研の中は今バタバタしてるのよね。丁度いい息抜きになって助かるわ」

 大きい実験となると、研究者達がいつも以上にやばい状態になるので、研究者以外の職員は神経を使うのだ。

 サビエラはモモエルのスケジュール管理をしているのだが、モモエルのスケジュールの調整で研究者達ともめていたところだった。

 そんな時にロレッタが来てくれたので、渡りに船と逃げてきたのだ。

「あの、研究ゾンビ共、無茶ばっかり言って・・・」

 サビエラが恨みがましく呟く。



「それにゆいのことも気になっていたし」

 サビエラが引き取ることになっていたのを、横からタマンサが攫っていったのだ。

 とは言っても、一人暮らしのサビエラがゆいを引き取っても、きちんと面倒を見てやることが出来るかと言われれば、それもかなり厳しい。

 家事全般が苦手というのを除けば、タマンサは面倒見の良いお母さんなので、タマンサに預かって貰った方が良かったとも言える。


後書きです


ここのところ寒いですね。

我が家は、今朝、室温六度でした。

ストーブ着いていたのに。

古いアパートなので、断熱性が低いのは仕方なしですが。

皆さんも、寒さには十分気を付けてお過ごしください。


また来週(@^^)/~~~


                       (Copyright2025-© 入沙界南兎(いさかなんと))

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