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転生したら最強勇者になったが、住民の方が優秀だった件 その25

 突然、タマーリンが笑ったので武茶志はギクッとした。

「うふふふ、そんなに構えなくても宜しくてよ。ちゃんと出来ているので笑っただけですから」

 ちゃんと出来ていると言われても、武茶志からは自分の掌が光っているのは見えなかったので、何がちゃんと出来ているのか判らなかった。

「そのまま意識を掌に集中しておきなさい」

「ファイアーボール」

 タマーリンが指を軽く振ると、パチンコ玉ほどの赤い玉が武茶志目がけて跳び、開いている手の平に当たって弾けた。

 一瞬にして炎に包まれる武茶志。

「うげっ」

「きゃぁぁぁ」

「武茶志さん」

 見ていたチャトーラ達から悲鳴が上がる。

 突然、武茶志の身体が炎に包まれたのだから驚くのは無理もない。

 炎は直ぐに消え、武茶志は何事もなかったように片腕を前に突き出して立っていた。

「な、何をするんですか!」

 武茶志はあまりの事につい怒鳴ってしまう。

 無警告で攻撃魔法を受ければ当然の反応だろう。

「何を怒っているのかしら?自分の周りをよく見てご覧なさい」

 タマーリンは「何を怒っているのかしら」とばかりに涼しい顔で笑う。

「お、俺の周りって・・・あれ?」

 言われて武茶志は自分の周りを見た。

 周囲の草は炎に巻かれて焦げてしまっていたが、何故か自分の立っていたところだけ焼き焦げ一つなかったのだ。

「それが貴方の魔法の力、プロテクションですわ。虎次郎に飛ばされて怪我一つ無かったのも無意識にプロテクションで身を守ったからですわよ」

 言われてみて、あれだけ派手に飛ばされてしたたかに地面に叩き付けられたのに怪我一つ無かったのは自分でも不思議だった。

「俺、知らない内に魔法を使っていたのか」

 武茶志は感動していた。

「異世界来たら魔法だよな、おっしゃぁぁぁぁ!異世界転生モノらしい展開になってきた!」

 興奮して武茶志は雄叫びを上げた。

「はいはい、一人で盛り上がっていないで続けますよ」

 タマーリンは盛り上が武茶志を窘める。

「次は反対の手でやってみましょう」

「はい」

 気合いの入った返事をして武茶志は反対側の腕を突き出し、掌に意識を集中する。

 直ぐにタマーリンが火の玉を放ち、武茶志の開いた掌直前で弾け武茶志は炎に包まれる。

「おわっぷ」

 炎に包まれた瞬間、武茶志は思わず声を上げる。

 頭の中では大丈夫と判っていても、瞬間でも炎に包まれる事に感情が追い着いていないのだ。

「そう、右手も左手も同じ程度の防御能力のようですわね」

 タマーリンは武茶志の周りの焼かれてない範囲を見て確かめるように頷く。

「それって何か意味があるんですか?」

 武茶志が聞くと、


(Copyright2022-© 入沙界 南兎)

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