ケットシー物語 トラスロット奔(はし)る 60
その後、二人を連れて買い物を済ませると家に帰る。
「ただいま」
「お帰り、あら、ゆいとトランスロットも一緒?」
「うん、城門のところで会った」
その後、今日のミケラの様子を簡単に話すと、ロレッタは着替えて夕食の仕度にかかる。
「ところでさ、さっきこんな事があったんだよ」
さっき、ゆいに突然、叩かれた事を話す。
「小さい子にある事よ、あなただって小さい時にお母さんが他所の赤ちゃんを可愛がるとギャン泣きしてたんだから。お母さんを取られると思ったのかな?」
タマンサが微笑む。
「小さい頃の話なんて覚えてないわよ」
ロレッタは顔を赤くしてそっぽを向く。
「うふふふ」
それを見て優しく微笑むタマンサ。
「でも、ゆいって見かけより中身は幼いのかも?」
ふと、そんな疑問を口にするロレッタ。
「天使に知り合いは他にいないし、判らないわね・・・でも、深窓で育ったお嬢様にあんな感じの方はいたわね」
旅回りをしていた頃、タマンサの評判を聞きつけてとある大貴族に呼ばれた時の事を思い出す。
「凄い、その話聞かせて」
ロレッタが食い付いてきた。
恋バナやその手の話は大好物なのだ。
「長くなるから後でね」
「え~~~っ」
「早く夕食作ってしまいましょ、サクラーノがお腹空かせてるわよ」
「はーい」
ロレッタはそれから夕食作りに専念する。
「ごちそうさま」
夕食が終わり、タマンサが昔、大貴族に呼ばれた時の話をみんなに話して聞かせた。
旅回りをしていた時の話は、家族の前ではしてこなかったので、長女のロレッタですらタマンサが旅回りをしていた頃の話はよく知らない。
時々、お妃様が遊びにやって来て楽しそうに、昔話をしているのを横で聞いた程度だ。
タマンサの話を、子供達は目を輝かせて聞いた。
「もう、サクラーノがオネムね」
サクラーノがうつらうつら始めたので、話はそこまで。
ロレッタとマオが二人でお風呂場に連れて行き、身体を拭いて寝間着に着替えさせる。
ついでにマオも身体を拭いて寝間着に着替えると、
「予がサクラーノを連れていく」
と言うので任せて食堂に戻るロレッタ。
「ゆいもお風呂入っちゃいなさい」
「お風呂?」
天使はたまに水浴びしかしないので、お風呂に入る習慣がない。
モジモジしているゆいを見て、
「いいわ、わたしが入れてくる」
タマンサがお湯を入れた桶を持って、ゆいをお風呂場に連れて行く。
着ていた物を脱がすと、先にクシをお湯につけて何度も優しく丁寧にゆいの髪を梳いた。
その後、お湯につけてから絞ったタオルで身体を拭き、最後に大きいバスタオルで身体の水分を拭き取ると、
「さ、これを着て」
寝間着をゆいに手渡す。
ゆいの着替えるのを待ってから、
「どう?どこかきついところはない?」
「大丈夫」
戸惑いながらゆいは返事を返した。
「じゃあ、行きましょう」
ゆいの手を取って食堂に戻る。
「あら、ゆい、随分可愛いのを着てるじゃない。似合ってるわよ」
ロレッタに誉められてモジモジとするゆい。
「似合っていて、本当に良かったわ」
「でも母さん、それどうしたの?」
そう、タマンサはお金を持っていないのだ。
持たせると全部使ってしまうので、持たせて貰えない。
だから買う事は出来ない、どうやって手に入れたのだろうか?
後書きです
今期アニメ、多いな。
全部見るのは無理なので、見たやつで気に入ったのを紹介。
メダリスト
小五の女の子がスケートで金メダルを目指す話で、作画がかなり良い。
スケートの動きもスムーズで安心して見ていらる。
演出も無理な感じが無くて、今期一押しです。
悪役令嬢転生おじさん
ギャグがツボにはまりまくってやばい。
井上和彦が転生令状を演じる日が来るとはw
エンディングのマツケンサンバもポイント高し。
誰ソ彼ホテル
人を選ぶアニメだと思う。
設定が意外だし、話の展開も個人的には好きなタイプだし。
ダメな人はとことんダメだと思うから、万人受けはしないよな。
あとは二期物と異世界物ですね、惜しいのは木の実マスター。
原作の設定はすごくいいのに、それを演出が生かし切れていないのがひしひしと伝わってくる。
あと一押し、てこ入れが必要なんだよな。
ではまた来週(@^^)/~~~
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